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「たこ焼き」で出会った「小さな林」と「たまねぎ」で再会

  昨年に「たこりき」でタコ焼きを食べていたらたまたま来日プロモーション中の生産者さんがやって来て隣り合うという偶然がありました。その生産者とはオーストラリアのニューサウスウェールズ州アッパーハンターヴァレーで「スモール・フォレスト」というワイナリーを立ち上げたばかりの小林敦子ラドクリフさんです。その小林敦子ラドクリフさんが再び大阪にやって来てメーカーズ・ディナーが開催される、しかも会場は新町「イタリア料理店TAMANEGI」と聞けば是が非でも参加したくなるというもの。

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↑ここで小林さんのスゴイ経歴を紹介。東京農業大学短大部醸造科に進学して日本酒の勉強をし、卒業後は蔵元で日本酒造りをしたいと志すもどこも門戸が開かれておらず断念。焼酎や食品の品質管理の仕事を経て1987年から栃木県の「ココ・ファーム」を手伝うようになり、ここでの醸造経験を活かして「都農ワイン」「シャトー酒折」「安曇野ワイン」「奥出雲ワイン」にもコンサルティングで関わることに。1999年にはフランスとオーストラリアにてワインを学び、その際にオーストラリア最大手ブランド「ローズマウント」の醸造長フィリップ・ショー氏からスカウトを受けてローズマウントの醸造チームに加わり、これが人生の大きな転機となります。発酵・熟成樽だけでも3万樽、タンク発酵・熟成のワインも含めると途方もない生産量のワイナリーで毎日膨大な量のテイスティングをこなしていけばそりゃ感覚も研ぎ澄まされていきますよね。2002年に同僚のオーストラリア人男性と結婚。2009年に一時帰国して宮城県塩竈市の「株式会社佐浦」にて日本酒醸造に関わりながら海外マーケティングも担当。2013年にスモール・フォレストを立ち上げてワイン生産者として独立してからも同時並行で日本酒の海外発信の仕事もしています。
  今回のメーカーズ・ディナーの主催者である「TOM GARCON(トム・ギャルソン)」の担当者に小林さんとは昨年にも会ったことがあると言っておいたおかげか小林さんのすぐ隣の席を用意してくれていました。短大で日本酒醸造を学んでいた時からの大のアルコール好きで「仕事から帰ってきてお酒を呑むとホッとする。食事しながら自分のワインも飲むけどワインだけでも呑むわ」と飲兵衛な発言も聞けました(笑)。

<ワインリスト>
1.浦霞禅 純米吟醸
2.スモール・フォレスト オレンジ・シャルドネ2014
3.スモール・フォレスト ヴァデーロ2015
4.スモール・フォレスト オレンジ・シラーズ・ロゼ2014
5.スモール・フォレスト オレンジ・シラーズ2014

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  ワインだけでなく日本酒も扱っているTAMANEGIなので食前酒として佐浦の浦霞禅 純米吟醸が登場しても違和感は無し。柔らかくほのかな甘味も感じられアペリティフにもぴったり。
  スモール・フォレストの本拠はニューサウスウェールズ州のアッパーハンターヴァレーですが2014年ヴィンテージのワインはアッパーハンターヴァレー産ブドウではなく同州内にあるオレンジ地区のブドウを購入して使用しています。これはアッパーハンターヴァレーが山火事の多いエリアで山火事の拡張を防ぐために人為的に行う野焼きの煙の影響を受けて自社畑のブドウがダメになってしまったことに起因します。そのためファースト・リリースとなる2014年ヴィンテージは「オレンジ」と銘打ってのリリースで今後リリースされていく自社畑のブドウのワインとはキャラクターが少し異なる可能性もあり得ますよね。
  オレンジ・シャルドネはオレンジピールの香りがほのかに鼻孔を擽り最初は淡い印象ですが徐々に膨らみが出てきます。良い意味での「平凡」な白ワインでまさに料理を邪魔せず料理と寄り添う白ワインです。小林さんもこのシャルドネには樽の使い過ぎは無用と考え、フレンチオーク新樽での発酵ワインとステンレスタンクでの発酵ワインとを1:9の割合ブレンドして樽はあくまで補助的な使用に止めているとのこと。
  現在リリースされているワインで唯一のアッパーハンターヴァレーの自社畑ブドウ100%使用なのがヴァデーロ。聞き慣れない品種名ですがアッパーハンターヴァレーでは古くから栽培されている御馴染みの品種だそうでポルトガルではヴェルデーリョの品種名でマディラの原料になっています。色は無色透明に近いのですが香りはものすごくアロマティック!
  オレンジ・シラーズ・ロゼはロゼワインと言うよりも少し色の薄い赤ワインと言っても良いかもしれません。何とアルコール分はオレンジ・シラーズと同じ14.5%もあり、そのアルコール分に見合ったインパクトとボリュームと旨味を備えていて牛肉や鹿肉といった赤身肉でもしっかりと受け止めてくれることでしょう。
  オレンジ・シラーズはシラーズなので鉄分とタンニンは豊富に感じるもののハーブのような清涼感が前面に出ていて私があまり得意としていないシラーズ特融の甘濃いニュアンスはありません。ロゼの方がインパクトとボリュームがあって赤ワインの方が綺麗というちょっとした逆転現象ですね。
 
  以前のBOCCIOとTAMANEGIとの最大の違いは夜がアラカルトを止めてコース料理一本となったこと。正直アラカルトでの提供の方が良いのではないかと思っていたのですが今回初めてコース料理を食べて地頭方夫妻のやりたかったことを理解できた気がします。

<コース料理>
1.アイナメ新子のコンフィにアスパラガスのフリットと空豆ピューレを添えて
2.塩漬けサワラの新玉ねぎピューレのせ炙り焼き
3.桜海老と甲殻類のソースのタヤリン
4.土佐赤牛腿肉のアッローストに季節野菜を添えて
5.サンブーカのパンナコッタにミントのソルベを添えて

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 (左)アイナメの新子をコンフィにして骨まで柔らかく食べられるよう火入れしてから表面をサッとソテー。その下にアスパラガスのフリットと空豆ピューレを敷いて周りにレモンのパウダーを散らせてあります。一皿目からやられました、これこそコース料理の前菜、そしてオレンジ・シャルドネと完璧に合ってます。
 (右)塩漬けにしたサワラをタタキ状にレアソテーしてから新玉ねぎのピューレをのせてバーナーで炙ってあります。香ばしさが立つことでアロマティックなヴァデーロとも好相性。

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 (左)以前に「ピエモンテ兄貴」が「貴久ちゃんのタヤリンが一番好き」だと褒めていた貴久子シェフのタヤリンは確かに絶品です。
 (右)土佐赤牛の腿肉に高知の塩次郎の塩を付けて食べると噛み締める程に肉の旨味が溢れ出てきます。コントルニも泉州産新玉ねぎ、アスパラ・ソヴァージュ、椎茸と季節野菜がたっぷり。オレンジ・シラーズ・ロゼともオレンジ・シラーズともどちらでも合います。

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↑最後にヴァデーロが再び注がれてリキュールのサンブーカたっぷりのパンナコッタとミント香るソルベと合わせます。赤身肉を食べた後に肉汁を洗い流して口内をリフレッシュしてくれるドルチェはありがたいですねぇ。

  ピエモンテ州での修行経験のある貴久子シェフですが郷土料理店が増えた現在では郷土色にこだわるよりも日本のイタリアン、コースでしか表現できないイタリアンにチャレンジしたいとの意思の表れとしてのコース料理一本化だと理解しました。京都では季節食材をふんだんに使用した少量多皿のコース料理のみのお店が多いですが、貴久子シェフの場合はBOCCIO時代からのド直球で骨太な要素もしっかり残しながらのコース料理ですよね。

  小林さんから大阪でのスモール・フォレストの広報担当に任命されましたので今後もスモール・フォレストのワインを追い掛けていきますよ。今年入荷する自社畑ワインが待ち遠しいです。


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