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唯一無二なる個性 カーゼ・コリーニの会

  同じピエモンテ州の土着品種黒ブドウでも、バローロとバルバレスコというイタリアを代表する赤ワインの原料となるネッビオーロに比して元々は地元消費の地ワインの原料で親しみやすいイメージの強いバルベーラ。1980年代に「ブライダ」が地ワインとは一線を画するモダンなバルベーラを世に出したことでバルベーラも世界に通じる高級ワインとなることが立証され、現在では色々なスタイルのバルベーラが生産されています。そのバルベーラの造り手の中でも規格外的な存在なのが「カーゼ・コリーニ」。
  今年1月の「20年振りの文楽鑑賞」の主催者Kさんが極秘ルートでカーゼ・コリーニのワインを数種類入手し、文楽鑑賞後の食事会の会場だった南船場のイタリア料理店「La Cantina Shu(ラ・カンティーナ・シュウ)」に持ち込んでのワイン会を開催なさったのです。

  ここでカーゼ・コリーニについて詳細を。農業と手工業との兼業を代々続けてきたコリーノ家の5代目であるロレンツォ・コリーノ氏は地質学を専門とする博士でもあり、持続可能な農業の重要性の立証のためのブドウ栽培とワイン醸造を行う場としてカーゼ・コリーニを設立。なので売るためのワインではなくピエモンテ現地でもその存在をほとんど知られてこなかったのです。ボルドー液以外の農薬を使わず、無堆肥、不耕起、無除草、長期間の発酵と果皮浸漬、ワインをプレスせずフリーランのみ、酸化防止剤の一切の不使用というのも自身の研究によって論理的に導き出された帰結。

  記録している限りで私はこれまでに4回カーゼ・コリーニのバルベーラを呑んでいます。初めての出会いは曽根崎新地のビル地下1階にあった「イタリアワインの魔境」にて。2008年当時に「ラ・バルラ1996」の筋骨隆々の凄まじいパワーに圧倒されました。それから3年半後の2012年に京都「Osteria Coccinella(オステリア・コチネッラ)」でのワイン会にて同じラ・バルラ1996と再会。熟成により筋骨隆々の圧倒的なパワーは影を潜めて力強さと優しさと優雅さのバランスの取れた素晴らしい状態になっていました。3回目はそのラ・バルラの弟分的存在の「ヴィノット」を「大人の遠足 電車でワイン3」の二次会で呑みました。ロレンツォ・コリーノ氏は発酵槽の下のバルブを開けた時に自然と流れ落ちてくるフリーランのワインしか瓶詰めしない主義なのですが輸入元ヴィナイオータの太田社長の説得でフリーラン後のワインをプレスして瓶詰めした限定品がヴィノット。生産者の主義を曲げて瓶詰めさせたなんて商業主義的な感じもするかもしれませんがヴィノットはラ・バルラ程の強烈なインパクトが無くて呑みやすく、しかもマグナムボトルでラ・バルラと同価格帯というお値打ち品なので消費者的にはありがたいワインです。そして直近の4回目が「約3年振りのPasaniaワイン会」でラ・バルラ2009マグナムボトルでした。
  今回はラ・バルラ2009&2010のヴィンテージ違い、同じくバルベーラで造るブリッコ2011、ほぼネッビオーロ100%のチェンティン2010の4本が登場。全てKさんの知り合いのイタリア人がカーゼ・コリーニまで直接買い付けに行ってくれたものです。

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↑カーゼ・コリーニのワインの表エチケッタはどれもこの畑のイラストなので見た目での区別はできません。

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 (左)過去のテイスティング経験からまだまだ若い2009年ヴィンテージも2010年ヴィンテージも強いインパクトがあることは予想できていましたが2009年ヴィンテージから呑んでみると予想を上回る強烈なインパクト!バルベーラではなくドルチェットを煮詰めて濃縮させたような強い甘味、凝縮されまくった果実味、ギッチギチの密度、15%というアルコール分以上に感じるボリューム感。2010年ヴィンテージは2009年ヴィンテージよりも幾分穏やかですがそれでもバルベーラのワインから受ける一般的印象とは全く違います。アマローネのようにブドウを陰干ししている訳でも、ブライダと並ぶモダンなバルベーラの雄「コッポ」が造る「ポモロッソ バルベーラ・ダスティ」のように新樽率100%のフランス産バリックでの樽熟成を行っている訳でもないのに何故にここまでのパワーがあるのか!?やはりロレンツォ・コリーノ氏の実践する農法がブドウ自体の完熟度とパワーとを極限まで高めるからなのでしょうね。
 (右)今回初めて呑んだチェンティンとブリッコ。チェンティンはネッビオーロらしい静謐な好印象でブリッコは同じバルベーラでもラ・バルラと随分印象が違います。ラ・バルラ2009を最初に呑んだこともあってブリッコはかなり落ち着いているように感じました。

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 (左)ヴィッラ・スパリーナ「モンテロトンド ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ2012」。赤ワインばかりだとシンドイのでお店のスプマンテか白ワインを上川修平オーナーシェフにおまかせで出してもらうことに。カーゼ・コリーニのワインの前に呑む白ワインとなると並の白ワインでは務まらないので流石にエエのんを選んでくれはりました。ガヴィらしいフレッシュさとフランス産バリック熟成ならではの濃密さとのバランスが取れた秀作ガヴィです。
 (右)ロンバルディア州のニーノ・ネグリ「グラッパ・ディ・スフルツァート」。Kさんがイタリアで買ってきたグラッパで、ニーノ・ネグリのスフルツァート(陰干しキアヴェンナスカで造る赤ワイン)はモンテ物産株式会社が日本に輸入していますがスフルツァートのグラッパとなると日本未輸入でグラッパ大好きなグラッパ大王も大喜び。

  本来は魚介料理を得意とする上川シェフがピエモンテ料理尽くしのコースに挑戦してくれはりました。

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 (左)マイアーレ・トンナート・コン・米ナス。輪切りにした米ナスの上にツナマヨネーズを塗って冷製ローストポークのスライスをかぶせ、セルヴァティカを散らせた視覚にも訴えるオリジナルアレンジ。
 (右)ヴェルデとビアンコの二色アスパラゴのグリリアータ。グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスをグリルして初卵でオレンジに色付けしたパン粉を塗して。

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 (左)タヤリン・アル・ラグー・ディ・ファラオーナ。ブツ切りのホロホロ鳥の肉片の形を残したラグーが極細に近いタヤリンによく絡みます。
 (右)サルシッチャのアニョロッティ。アニョロッティ・ダル・プリンと呼ぶにはちょっと大振りですがサルサもサルヴィア(=セージ)とブッロ(=バター)の伝統的な組み合わせです。

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 (左)仔牛頬肉のブラッザートにシロナのリゾット添え。赤ワイン煮込みにはグラスワインの売れ残り等を寄せ集めて使うのが一般的ですがわざわざバルベーラを使ったのがお見事で上川シェフの意気込みを表していますね!
 (右)フラーゴラのパンナコッタ。見た目はイチゴのジュースみたいですがたっぷりのイチゴのソースの下にパンナコッタが隠れています。

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  冒頭でカーゼ・コリーニをバルベーラの規格外の生産者と書きましたが唯一無二の個性だとも言えます。「ジュゼッペ・クインタレッリ」のヴァルポリチェッラ同様に他の生産者とあまりにキャラクターが違い過ぎます。なのでカーゼ・コリーニのバルベーラと他の生産者のバルベーラとを比較することは難しく、そもそも意味が無いことかもしれません。カーゼ・コリーニのもバルベーラだし、他の生産者のもバルベーラ。非常に勉強になった会でした、Kさんありがとうございました!

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