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BRAVURA×ロンバルディア州チョウザメ料理のコラボチルコロ

  昨年に引き続き今年も毎月異なるゲストシェフを招聘してのコラボイベントとなっているチルコロ@LA VINERIA BRAVURA(ラ・ヴィネリア・ブラヴーラ)。基本的に顔見知りのシェフがゲストの時にしか参加していないのですが今回初めてこれまで全く接点の無かったシェフの会に参加してきました。その理由は今回のテーマがロンバルディア州のチョウザメ料理と聞いたから。
  以前に某所でロンバルディア産キャビアを食べたことがあります。その時は「ふ~ん」としか思わなかったのですがよくよく考えてみると海の無い内陸地のロンバルディア州でどうしてチョウザメが獲れるのか?と疑問が湧いてきます。実はロンバルディア州ブレーシャ近郊のカルヴィザーノという地では人工河川を用いてストリオーネ(=チョウザメ)の養殖を行っているのです。そしてカルヴィザーノにある「Ristorante Al Gambero(リストランテ アル・ガンベロ)」で修行していてチョウザメ料理も作ったことのある小寺シェフが今回のゲストシェフなのです。

  小寺シェフは上述のAl Gamberoを含めてロンバルディア州とフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州とトスカーナ州とピエモンテ州とシチリア州とで6軒のお店で合計3年半修行した後に帰国して2013年9月に大阪市西区新町にて「trattoria pino(トラットリア・ピノ)」を独立オープン。渡伊前の小寺シェフが働いていた店のOBであるタク店長からはオープン当時よりお薦めいただいていたのですがなかなか訪れる機会に恵まれず今回晴れてその料理をいただくこととなりました。
  コース料理はチョウザメ料理含めて全てロンバルディア郷土料理で構成されています。ロンバルディア郷土料理を食べるのはサンドロ・ファイのメーカーズ・ディナー以来ですかね。ちなみに今回のコース料理の裏テーマは「茶色い料理」で見た目に華やかな料理は一つも出てきません(笑)。

<コース料理>
1.アンティパスト・ミスト
2.リゾット・アッラ・ピロータ
3.ストリオーネ・イン・パデッラ サルサ・ヴィーノ・ロッソ
4.トルタ・ズブリゾローナ・コン・ザバイオーネ

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 (左)料理の説明をする小寺シェフ。意外なまでに口数の少ない人です。
 (右)アンティパスト・ミストはズッパ・ルスティカ&シャット&モンデギーリの3種盛り。ズッパ・ルスティカはオルツォ(=麦)とレンティッキエ(=レンズ豆)とトマトのスープ。シャットはグラーノ・サラチェーノ(=蕎麦粉)の栽培が盛んなヴァルテッリーナ地方の郷土料理で一言で言うと蕎麦粉のチーズ入り揚げ団子です。蕎麦粉を炭酸水と少量のグラッパで練るのですが今回はグラッパ抜きで炭酸水のみで練っているとのこと。その生地でヴァルテッリーナ・カゼーラというチーズを包んで揚げるのが本来ですが入手の難しいチーズなのでドイツのステッペンというチーズで代用。付け合わせはカルピオーネのような野菜の甘酢漬け。モンデギーリはボッリート・ミストの残った肉を再利用した揚げ肉団子。

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 (左)リゾット・アッラ・ピロータを盛り付ける小寺シェフと仕上げにロンバルディア名産のグラナ・パダーノを振りかけるタク店長。
 (右)ピロータpilotaというイタリア語は本来は飛行機のパイロットを意味する単語ですが米の名産地であるマントヴァにおいてアッラ・ピロータとなると「脱穀農夫風」とか「精米業者風」という意味になります。ピーラpilaと呼ばれる米のもみ殻を取る臼を使って脱穀する脱穀農夫又は精米業者が脱穀したての米を使って作業を中断することなくササッと作って食べられる料理として生まれたそうです。なので通常のリゾットとは全く製法が異なります。生米を炒めてそこにブロードを注いでかき混ぜながら仕上げていくのではなく、水と塩だけで米を炊き上げてから少し蒸らし、そこに別鍋で炒めてほぐした自家製サルシッチャを混ぜてシナモンとナツメグを加え、仕上げにグラナ・パダーノを振りかけます。
  リゾットとサルシッチャとを別々に調理して最後に一体化させるので味としては完全に一つにまとまりきっておらずリゾット自体の味とサルシッチャ自体の味とに分離させやすいのです。そこがワインとのアッビナメントのポイントになっていてワインの説明と併せて後述します。タク店長から「お好きな地味系の味ですよ」と言われた通りに私の好きな地味滋味系の素朴で飽きのこない味です。

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 (左)さすがにロンバルディア産のチョウザメは手に入らないので愛媛県産のチョウザメを仕入れ、切り身をパンチェッタで巻いてからパデッラ(=フライパン)で焼き上げます。そこにアグロドルチェな甘酸っぱい赤ワインソースを合わせ、肉料理に近いアプローチでの提供。チョウザメ自体は非常に淡泊な味ですがパンチェッタから出る豚の脂の甘味とコク、赤ワインソースの甘味と酸味とが合わさってなかなかにボリュームのある仕上がりです。
 (左)トルタ・ズブリゾローナはマントヴァの銘菓で小麦粉&トウモロコシ粉&砂糖&卵黄&アーモンド粉を混ぜた生地をオーブンで焼き上げたクッキー。ザバイオーネを添えて食べるのが定番でシチリア島のモスカート・ディ・ノートのパッシートを効かせてあります。

<ワインリスト>
1.ラ・トラヴァリーナ「オルトレポ・パヴェーゼ リースリング・フリッツァンテ レ・ゾッレ2013」
2.ラ・トラヴァリーナ「オルトレポ・パヴェーゼ ピノ・ネロ・フリッツァンテ レ・ゾッレ2012」
3.ボッリーニ「シャルドネ2014」
4.ネラ「ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ・グルメッロ ティルソ2011」
5.ポッジョ・トンド「ヴェルメンティーノ2013」
6.ポッジョ・アルジェンティエラ「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ ベッラマルシリア2014」

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 (左)ラ・トラヴァリーナはロンバルディア州オルトレポ・パヴェーゼで50年近い歴史のあるカンティーナ。リースリングと付くもののリースリングとは全く別品種であるリースリング・イタリコ100%の微発泡性ワイン。酸味はあるもののかなりスッキリとした造りで前菜3種の中ではズッパ・ルスティカとシャットの付け合わせの野菜甘酢漬けと合わせるべきタイプ。
 (中央)同じくラ・トラヴァリーナがピノ・ネロ100%で造る微発泡性ワイン。リースリング・イタリコのような酸味は無い分少しふくよかでシャット本体とモンデギーリと合わせるタイプ。
 (右)トレンティーノ・アルト・アディジェ州のシャルドネでエチケッタにバッリカート40との表記がある通りステンレスタンクで熟成させたワイン60%とバリックで熟成させたワイン40%をブレンドしています。酸味はほとんど無く南国系フルーツのニュアンスも少ないややもすると凡庸な感じで終わってしまいかねないですがリゾット・アッラ・ピロータのサルシッチャの味を分離させたリゾット単独での味とは非常によく合います。

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 (左)ネラはヴァルテッリーナの地で1940年からワイン造りを行っているカンティーナで、このティルソはヴァルテッリーナ・スーペリオーレの区画の一つグルメッロの契約農家から買い付けたキアヴェンナスカ100%使用の赤ワイン。キアヴェンナスカの特徴としてネッビオーロ程にはタンニンは無くて柔らかいワインになり、このティルソも端正でキレイな仕上がりです。リゾット・アッラ・ピロータのサルシッチャとの相性が良し。
 (中央)世界的ワイン醸造コンサルタントのアルベルト・アントニーニ氏がトスカーナ州の実家を継いで自分の造りたいワインを造っているのがポッジョ・トンド。赤ワインに力を入れているカンティーナなので上代2000円ちょいのこのヴェンルメンティーノが白ワインのトップ・キュヴェとなります。アロマティックで赤ワインソースが無いチョウザメ単独でならよく合うでしょうね。
 (右)トスカーナ州マレンマのポッジョ・アルジェンティエラは昨年12月のタルディーヴォの会でも登場した、スヴェレートのトゥア・リータが買い取ったカンティーナ。マレンマンテはトゥア・リータらしい優等生的な部分が出ているワインでしたがこのベッラマルシリアはトゥア・リータが誇るジュスト・ディ・ノートリのようなガチガチの硬さです。モレッリーノ・ディ・スカンサーノはカンティーナによってかなり差のあるワインですがmicoソムリエールが早い目に抜栓してデキャンタまでしたのにまだこんなに硬いとは驚きです。豊富なタンニンと鉄分とがチョウザメの赤ワインソースとよく合います。

  大阪にはイタリア郷土料理を再現できる料理人が本当に増えましたね。小寺シェフのスペシャリテであるラヴィオローネも食べにいかないと。


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