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20年振りの文楽鑑賞 初春文楽公演

  約20年振りに国立文楽劇場にて文楽を鑑賞してきました。ハンドキャリーワイン会で御馴染みのKさんが文楽をこよなく愛する人でそれこそ文楽協会から感謝状を贈られても不思議ではない位に普及活動に励んでおられます。そのKさんの音頭で総勢15人の団体にて初春(はつはる)文楽公演鑑賞に仲間入りしたのです。

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 (左)文楽劇場の前はしょっちゅう通っていますがまさか再び中に入る時が訪れるとは。
 (右)昼の第一部の演目は、「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」「関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)」「釣女(つりおんな)」です。20年前はインターネットも普及しておらず予習するのも困難だったしそもそも予習しようという意欲にも乏しかったですが今回はあらすじを予習して行きました。あらすじを知らなくても有料イヤホンガイドで同時解説してくれるそうで今回はあえてイヤホンガイド無しにて挑みました。

  11時からの開演前にKさんの人脈で舞台裏見学をさせてもらいます。案内して下さったのは三代吉田蓑助さんの弟子でこの道約40年の吉田蓑二郎さん。

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↑第一部と第二部で使う人形がズラリと整列しています。

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↑実演しながら説明して下さる蓑二郎さん。文楽の人形遣いの最大の特徴は1体の人形を3人で操ること。主遣い(おもづかい)が左手で人形の首の胴串を持って支え、右手で人形の右手を操作。左遣い(ひだりづかい)が人形の左手を操作。そして足遣い(あしづかい)が人形の両足を操作するのですが女性の人形には足が付いておらず着物の裾を持って足があるように巧みに操作するのです。足遣い→左遣い→主遣いの順番で序列が上がっていき、主遣いだけが紋付き袴姿で顔を隠さないでいる出遣い(でづかい)で左遣いと足遣いは黒衣(くろご)で顔を隠しています。熟練の主遣いである蓑二郎さんは「二日酔いの時とかは顔を見られないで済む黒衣の方がええんですけどね」と冗談飛ばして笑かしてくれました。主遣いは人形の背丈等に合わせて舞台下駄と呼ばれる高さ20㎝~50㎝程の高下駄を履き分けます。

  我々の席は何と中央座席の前から5列目という絶好の席。舞台上の字幕を見るには首が少し辛いものの人形の細かな動きを見るには最高です。
  新版歌祭文は上の巻と下の巻とで構成され、上の巻はさらに「座摩社(ざまやしろ)の段」と「野崎村の段」とで構成されます。今回は上の段だけの上演ですがそれでもぶっ通しで2時間あります。
 <あらすじ要約>
 大坂にある油屋の丁稚「久松」は主家の娘である「お染」と身分違いの恋をしています。お染に片思いの質屋の「佐四郎」はお染に好いてもらいたくて座摩神社にてお百度参りをしているところに、久松と同じ油屋の下男の「小助」が表れて山伏と組んでまんまと佐四郎から金子を巻き上げてしまいます。そして小助の策略にハメられた久松はお染の義母「お勝」の命で小助に連行されて育ての親である「久作」のいる野崎村に帰ることに。久作は金子を渡して小助を追っ払い、これを幸いに実の娘で久松のことが好きな「おみつ」と久松とを夫婦にしようとしますがそこにお染が現れます。久作は久松とお染とに道ならぬ恋は止めるよう諭し、久松とおみつの祝言を押し進めますが何と花嫁になるはずのおみつは自分が身を引けばと考えて髪を下ろして尼になってしまったのです。そこにお染を迎えに来たお勝が現れ、外から話は全て聞いていた、おみつの想いを尊重して久松が油屋に帰ることを許すと言います。久松は駕籠に乗って、お勝とお染は舟に乗って大坂へと戻るところで終幕。

  お染とお勝とが乗った舟の船頭が舟の上で体を拭いていて川に落ちてしまい、バタフライのような豪快な泳ぎで舟に辿り着くという笑いを誘うシーンで終わるので何となくこの後は久松とお染との幸せな展開を期待してしまいますが最終的に二人は心中して話が終わります。やるせないのはおみつですね。まだ若いのに剃髪してしまって久松のことを一途に想いながら老親の面倒を見て残りの人生を過ごすのだから。。。

  さて、新版歌祭文が終わって次の関取千両幟の開演まで30分間の昼食休憩があり、この時間を使って再びKさんの人脈で重要無形文化財保持者(人間国宝)の三代吉田蓑助さんと記念写真を撮ってもらえることに。

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↑たぶん人間国宝と一緒に写真撮影するのはこれが最初で最後でしょうね。Kさんの人脈のスゴさにただただ唖然とするのみですわ。。。

  関取千両幟は三代吉田蓑助さんと同じ人間国宝である八代豊竹嶋大夫(とよたけしまたゆう)の引退公演です。八代豊竹嶋大夫は昭和30年に一度退座して13年のブランクを経て昭和43年に複座したという異色の経歴の持ち主で現役の大夫で唯一の人間国宝ですから引退によって現役の人間国宝の大夫は不在となります。関取千両幟は全9段の作品で今回は「猪名川の段」と「相撲場の段」の2段の上演。そして大きな特徴が段と段との合間に三味線の曲弾きがあること。人間国宝の鶴澤寛治さんの孫でまだ二十代後半と若い鶴澤寛太郎さんによる演奏です(ちなみにこの鶴澤寛太郎さんは大のイタリア好きとして大阪イタリアン界でも有名人物です)。
<あらすじ要約>
  中心人物は猪名川と鉄ヶ嶽という二人の力士と猪名川の女房おとわ。猪名川の贔屓筋の若旦那が遊女を身請けするために必要な金200両を今日中に工面しなければ他の客に身請けされてしまうが猪名川には金を工面するアテが無くて困っているところに鉄ヶ嶽は自分こそがその他の客であると告げ、今日の自分と猪名川との取り組みで負けてくれるなら身請けを諦めなくもないと八百長を仄めかして去って行きます。大一番で勝ちを譲らなければならない苦境に男泣きする猪名川を見ておとわはある決心をします。いざ本番になって懸賞金200両が掛かっていることを知った猪名川は全力の相撲で鉄ヶ嶽を破って懸賞金を手に入れますが何とその懸賞金はおとわが自分の身を売って工面したものなのでした・・・

  八代豊竹嶋大夫が猪名川の役ではなく女房おとわの役であることを最初は不思議に思いましたが結末を見て成程なぁと思いました。しかし、猪名川は力士としての矜持と贔屓筋の若旦那に対する面目とを保つことはできたものの大事な女房おとわを失ってしまった訳で果たしてこれでいいのかなとも思います。

  釣女は最もシンプルであらすじを予習していなくても楽しめる内容です。
<あらすじ要約>
  独身の大名が同じく独身の太郎冠者を引き連れて美しい妻を授かりたいとの願掛けのために四宮の恵比寿神社に参詣します。そして西門の階段にいる女を妻とすべしとのお告げの夢を二人とも見て西門に行ってみると釣り棹が落ちていました。この釣り棹で妻を釣れということだなと悟った大名が釣り糸を垂らすと美女が引っかかり大名は大喜びでその場で祝言を挙げます。太郎冠者は自分も美女を釣りあげようと釣り糸を垂らすと顔を被衣で隠した女性が引っかかります。きっと美女に違いないと大喜びの太郎冠者は女性に美辞麗句を贈りながら顔を見てみると驚くべき醜女!太郎冠者の美辞麗句を聞いてすっかり太郎冠者に惚れ込んで離れようとしない醜女を捨てて太郎冠者は大名の新妻を連れて逃げ出し、それを大名と醜女が追いかけて話は終わり。

  約20年振りの文楽を堪能しました。Kさんの文楽鑑賞企画は昼食抜きで鑑賞後に近くのお店で食事会を行うのが慣例とのことで南船場のイタリア料理店「La Cantina Shu(ラ・カンティーナ・シュウ)」へと移動します。実はこちらのお店は文楽関係者も通うお店で今回の15人分のチケットも上川修平オーナーシェフが手配して下さったのです。そして通常は日曜定休なのですが貸切特別営業にておまかせコース料理とそれに合わせたおまかせワインをいただきます。

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 (左)ストゥッツキーノ・ミストはプロシュット・クルード&子持ちワカサギのフリット&自家製タラコをのせたパターテの3種盛り。おもしろいのがローストしたジャガイモの上にのった自家製タラコで市販品と比べて内側がかなりレアに近いです。
 (右)フランスのシャンパーニュ地方のヴーヴ・オーフレイ「シャンパーニュ・ブリュットNV」。最近よく見かける3000円を下回るお手頃シャンパーニュで、泡はプロセッコを予想していたのでこれは嬉しい誤算。

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 (左)石川県能登半島産天然ブリのグリリアータ。グリルの焼き目はしっかり付いていますが中はレア状でタタキに近い火入れです。Kさんが石川県の出身なのを知った上で石川県産の天然ブリを仕入れたのかと思いましたが上川オーナーシェフに尋ねたら全くの偶然でした(爆)。
 (右)イタリアのエミリア・ロマーニャ州の レ・ロッケ・マラスティアーネ「アンティカ・マリネリア・ルビコーネ・ビアンコ2012」。サンジョヴェーゼで造った白ワイン、いわゆるヴィニフィカート・イン・ビアンコです。

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 (左)北海道根室産タラ白子のムニャイエ。熟練の技によるしっとり火入れ。
 (右)イタリアのロンバルディア州のプロヴァンツァ「カ・マイオル モラン2014」。ガルダ湖周辺のトレッビアーノ・ディ・ルガーナ100%の白ワイン。

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 (左)牛肉ラグーのスパゲッティー。先日に同店で食べた煮込みが美味しかったのでKさんはセコンド・ピアットは煮込み料理でと希望を言っていたそうですがプリモ・ピアットとして登場しました。
 (右)チリのアコンカグア・ヴァレーのカリテラ「アルボレダ ピノ・ノワール2012」。唐突にチリのピノ・ノワールが登場しましたが実はこの日の一番の掘り出し物がこれ。カリテラはチリのトップワイナリーである「エラスリス」とアメリカの「ロバート・モンダヴィ」とのジョイントで始まったワイナリーで標高の高い冷涼なエリアで育ったブドウを使用しているのでチリのワインとしてはアルコール分低い目で果実味のボリュームよりもタンニンと酸味のバランスの良さを感じます。 

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 (左)牛肉のビステッカ。下に敷いてあるのは里芋版ドフィノワのような感じです。
 (右)プーリア州のネロステッラ「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア」。プリミティーヴォは私の数少ない苦手品種なのですがこれは甘っ濃っくなくてミディアムでビステッカとなかなかのアッビナメントでした。

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 (左)Kさんのイタリア土産のヴィン・サントを効かせたパネットーネ。パネットーネて大して美味しくもないのでわざわざ買ってまで食べる気は全くしないのですがこれは抜群に美味しいです。Kさんの天然ハイセンスはいつもながらお見事。
 (右)フランスのブルゴーニュ地方ボージョレー地区のバラック・ド・ラ・ペリエール「ボージョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー2015文楽エチケット」。これもKさんの私物で今日開けずしていつ開けるんだという感じで登場(笑)。

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 (左)締めはカッフェ・エスプレッソで。
 (右)最後に上川オーナーシェフからの挨拶が。2005年8月にオープンして競合店の多い南船場で10年以上続くその熟練の腕前は確かなモノでした。

  食事会の中で私が幹事になって某店での食事会を3月に開催するという話になってエライコッチャです。まぁまだ日があるのでじっくりと企画を練ることにしますが、その食事会のレポートはまた後日に。

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