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合同誕生祝い会2016@ETXOLA

  昨年に引き続いて今年も「最強の同志」ことN御夫妻との合同での誕生祝い会がバスク料理店「ETXOLA(エチョラ)」で催されました。昨年同様に今年も新年早々から満席の店内でサーヴィスは平山オーナーソムリエとまなみんソムリエール。ただし昨年と大きく違う点があります、料理長が山本シェフから清水シェフに変わっている点です。

<コース料理>
1.マッシュルームのフランと黒トリュフのソース&フォアグラのテッリーナ
2.ピミエントス・デル・ピキージョのアイスクリームをのせたオマールのタルタル
3.スペイン産ホロホロ鳥とレンズ豆の煮込み
4.広島産カキのアロス
5.徳島産ブリのビスカイヤ風
6.熟成牛ウチヒラ肉の炭火焼き
7.ポストレ

<ワインリスト>
1.パゴ・デ・タルシス「ウニコ・ブラン・デ・ネグレNV」※N夫妻持ち込み
2.ボデガス・ゴルカ・イサギレ「チャコリ42 by エネコ・アチャ 2013」※N夫妻持ち込み
3.ボデガス・イ・ヴィニェードス・アルタス「サンタ・クルス・デ・アルタス ガルナッチャ2010」
4.カン・ラフォルス・デルス・カウス「チャレッロ・パイラル2007」
5.クネ「ヴィーニャ・レアル グラン・レゼルヴァ2007」
6.ゴザルベス・オルティ「クベル・パシエンシア2004」
7.ボデガス・サン・イシドロ「グラン・レゼルヴァ1993」※私の持ち込み

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 (左)一口おつまみはどちらもマッシュルームとフォアグラの濃厚な味を凝縮させたもの。このアルミホイルをクシャクシャにしたような形状の器は錫製です。
 (右)ウニコ・ブラン・デ・ネグレはヴァレンシア州ウティエル・レケーナで造られている数少ない泡でしかも黒ブドウ品種のボバル100%のためカヴァを名乗ることはできません。N夫妻の持ち込みですがこれはスペイン土産ではなくワイナリー和泉屋が輸入しています。黒ブドウ由来の濃い目の色調、精細な泡立ち、骨格はかなりしっかりとしていて濃厚な味の一口おつまみともバッチリ合います。

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 (左)昨年9月の新生ETXOLA第一弾メーカーズ・ディナーでも登場した料理ですがあの時は大人数の分を同時に提供するためにどうしてもピキージョ種赤ピーマンのアイスクリームを冷やし過ぎにせざるを得ず思うように溶けてくれませんでした。今回はアイスクリームの溶け具合も完璧でこの料理の100%の状態を味わうことができました。
 (右)N夫妻が昨年にバスクのビルバオ郊外にあるレストラン「Azurmendi(アスルメンディ)」に行った際に購入してきたチャコリ。Azurmendiはミシュランで三ツ星を獲得、「2015年度世界ベストレストラン50」で世界19位にランクイン、「OAD(Opinionated About Dining)」で世界1位に認定されているレストランでN夫妻の話を聞いているととにかく物凄いレストランなのです。食事の前にレストラン周辺の農園と庭を案内してくれてそこで色々な食材の説明を聞きながらピクニック気分を楽しみます。次に厨房を通り抜けて客席へ向かう際にシェフのエネコ・アチャ氏を始めとする厨房スタッフが挨拶をしてくれます。ソムリエは「もみあげ」がスゴイ特徴的な人だそうです(爆)。そのAzurmendi専用のチャコリでレストランでオーダーするかお土産に購入しない限りは呑めないのがこのチャコリ42なのです。ここ数年で日本でもチャコリの知名度が随分と上がってきましたが一般的な微発泡性フレッシュ系チャコリではなく発泡していない熟成系チャコリですのでグラスもブルゴーニュワイン用の大振りなグラスが用いられます。いや、まさに極上のブルゴーニュのシャルドネとも遜色無い出来なのですよ。

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 (左)フランス産ホロホロ鳥はよく食べますがスペイン産ホロホロ鳥は初めて食べました、実に美味です。そしてチョリソーの風味を効かせたレンズ豆の煮込みもまた美味なり。
 (右)ボデガス・イ・ヴィニェードス・アルタスはリオハ・アラべサのボデガス・アルタディのオーナーであるホアン・カルロス・ロペス氏がナヴァーラのガルナッチャの可能性を追求するために1996年に創立したボデガで、昨年5月のボデガス・アルタディのメーカーズ・ディナーでも登場したガルナッチャのヴィンテージ違い。元々ローヌ系品種があまり好きでない私はガルナッチャについても特に好意的ではないのですが樹齢80~100年以上のガルナッチャを新樽率100%のフレンチバリックで12ヵ月以上熟成させたこのワインは別格的に美味しいです!ホロホロ鳥とレンズ豆煮込みとの相性も完璧です。

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 (左)カキのアロスと聞いて何となくカキの炊き込みご飯のように濃い目の味付けを予想してしまいましたがその対極にある極めてシンプルであっさりとした味付け。でもこれだけシンプルにあっさり仕上げる方がむしろ調理技術が要りますよね。
 (右)平山オーナーがETXOLAオープン以来セラーの中で秘蔵していたとっておきの白ワイン。ぺネデスの土着品種でカヴァに使用されるチャレッロの持つポテンシャルを極限まで引き出した複雑味に溢れるスーパーな白ワインです。有機栽培の樹齢60年以上のチャレッロを陽に焼けて金褐色になった時点で収穫して栗の樹製の小樽で発酵&熟成。

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 (左)ブリの下にブイヨンで炊いた大根が隠れていてまさにスペイン風ブリ大根。パプリカとトマトと玉ねぎとニンニクとで作る甘辛いようなサルサ・ビスカイヤはコースの中で赤ワインと魚料理とを合わせるのに最適なソース。
 (右)クネのメーカーズ・ディナーでは登場しなかったヴィーニャ・レアルのグラン・レゼルヴァが登場。テンプラニーリョ95%とグラシアーノ5%のブレンド。インポーターの三国ワイン株式会社のHPでは牛赤身肉や鴨胸肉、仔羊肉と合うと書いてありますが熟成したエレガントなテンプラニーリョには魚料理が合うといのはETXOLAファンには御馴染みの事実。

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 (左)メインは牛腿肉の一部であるウチヒラ肉をシンプルに炭火焼きにして。
 (右)テンプラニーリョを主体にカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーとをブレンドしたクベル・パシエンシアはパワーとエレガントさとを併せ持った優良赤ワインなのですがインポーターの株式会社ヴィントナーズが取り扱いを終了したので現品限りとなっているのが惜しまれます。

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 (左)まなみんソムリエールによるバースデー仕様のポストレ盛り合わせ。
 (右)私からN夫妻への誕生日プレゼントの熟成赤ワインを何故か「今ここで開けちゃおう」という流れになって一緒に呑むことに。上述した通りローヌ系品種が好きでない私はモナストレル(ローヌで言うところのムール・ヴェードル)も個人的に好きではないのですがモナストレル100%で20年以上熟成すると一体どんなワインになっているのか気になってこれを選びました。実はさらに熟成した1987年ヴィンテージも入手できたのですが何となく1993年ヴィンテージが飲み頃ギリギリな気がして1993年ヴィンテージの方を選び、その選択は正しかったと思います。意外なまでに綺麗でエレガントなワインになっていました。

 いつもながら清水シェフの料理は美味しく綺麗にまとまっています。同年代でもズバ抜けた技量の持ち主であることは疑いようがありません。そこにもう少し大胆さというかワイルドな要素が加わったらさらに奥行きが広がってますますおもしろいんではないかなとも思う訳です。N夫妻の持ち込みワインはどちらも美味しかったですしそれ以上に「おもしろい」ワインでした。そして平山オーナーの渾身のワインセレクトも流石。最高の夜をありがとうございました!


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