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六甲道にて雷鳥コースで祝う誕生日前夜祭

  関西イタリアン界で最も研究熱心な料理人の一人であることに間違い無いのが六甲道「ABBRACCIO&BACIO(アッブラッチォ・エ・バッチォ)」中田オーナーシェフ。9月の初訪問は、研究に研究を重ねた知識と技法によって作り出される料理の数々にまさに衝撃と感動のひと時となりました。その初訪問の時のハンドキャリーワイン会の主催者であるTさんの誕生日前夜祭が再びABBRACCIO&BACIOにて開催されることとなりました。
  料理は中田シェフにおまかせのコース料理、ワインは中書島「Semplice(センプリチェ)」でのランチ会でも秘蔵ワインを持って来て下さる名コレクターMさんのこれまた秘蔵ワインと御崎公園「Trattoria Sassa(トラットリア・サッサ)」の超常連にしてグラッパとカリフォルニアワインをこよなく愛するS御夫妻からの甘口ワイン、そして中田シェフのセレクトワインをいただきます。

<おまかせコース料理>
1.魚介のムースとズッパに鯛の子の塩漬けを添えて
2.塩包み焼きフォアグラとカボスのソルベ
3.タラ白子のフリット
4.ポルケッタ
5.トリッパ・アッラ・フィオレンティーナに焼きポレンタ添え
6.坂越カキの自家製タリオリーニ
7.スコットランド産雷鳥のアッロースト
8.唐辛子入りトルタ・ディ・チョコラートと熟し柿のソルべ

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 (左)ほぼ魚介そのものと言っていい程に魚介の味が濃いムースを同じく魚介出汁のズッパに浮かべて。添えられた鯛の子の塩漬けは日本酒の熱燗とも相性抜群だろうと思ったら中田シェフは日本酒も大好きとのこと。
 (右)カンパーニア州のフィオーレ・ロマーノ「ファランギーナ・ポンペイアーノ・フリッツァンテ2013」。中田シェフお薦めの微発泡ワインで乾杯!フィオーレ・ロマーノはワインの自社瓶詰めを始めたのは1995年とまだ歴史が浅いもののブドウ園としての歴史は100年以上あり、地元愛を込めてエチケッタにはヴェズーヴィオ火山とそこから出土するアンフォラを描いてあります。ファランギーナ100%なので特有のトロピカルなニュアンスを予想していたら予想に反して穏やかかつ爽やかなアロマですっきりドライです。

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 (左)フォアグラの塩包み焼きは中田シェフのスペシャリテの一つ。
 (右)フォアグラを酸味が超鋭角なカボスのソルベと一緒に一口で食べます。フォアグラに甘口ワインのジュレを合わせる前菜は食べたことありますがこういう尖った酸味と合わせるアプローチは初めてです。

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 (左)フリットと言うよりも達人の揚げる天ぷらのようなしっとり感のあるタラ白子。添えられているのは、手前から反時計回りにジェノヴェーゼ&ペペローニ&サンマの肝&熟成日本酒の塩。
 (右)ピエモンテ州トルトーナのカシーナ・イ・カルピーニ「コッリ・トルトネージ ティモラッソ2013」。株式会社アズマコーポレーションの新着ワインの中で特に気になっていたワインを中田シェフが仕入れてくれていました。ティモラッソはトルトーナの土着品種でワイン自体の生産本数が非常に少なくて日本でなかなか見かけることができず、見かけてもかなり高価です。しかしそれだけの価値のあるワインです。個人的にはティモラッソともう一つロッセーゼ・ビアンコという土着品種こそがピエモンテ最上の長期熟成型白ワインになるブドウ品種だと思っています。ピエモンテの土着品種の辛口白ワインと言うとガヴィとロエロ・アルネイスが有名ですがティモラッソとロッセーゼ・ビアンコの前では霞んでしまいますよ。このカシーナ・イ・カルピーニのフラッグシップワインである「ブレッザ・デステーテ コッリ・トルトネージ ティモラッソ」は上代6千円程と高価なのですがスタンダードなコッリ・トルトネージだとその半額以下なのです。希少なティモラッソがそんな値段で買えると知れば気にならない訳がありません。両方を試飲したことがある中田シェフ曰く「ブレッザ・デステーテはガッチガチに硬くて開くまで時間が掛かるので8人で分けて飲むには適していません。今飲むにはコッリ・トルトネージの方ですがそれでも結構硬いです」。大き目のグラスで温度を上げながらゆっくり呑むことになりましたが期待以上の美味しさ!確かに硬いです、白いネッビオーロと言っていい程に長期熟成のポテンシャルを持ったワインです。

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 (左)これまた中田シェフのスペシャリテの一つのポルケッタ。
 (右)スペイン料理のコチニージョ(=仔豚の丸焼き)と共通する皮目がパリパリっと香ばしくトロ~リとした皮下脂肪とのコントラストが絶妙!他店のポルケッタとは全然違います!!添えられているのは引き割りの豆をブロードとパンチェッタの皮とで炊いたもの。

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 (左)トリッパもまたこれまでに無い程に上品で洗練されています。下処理を怠ると臭味が出るトリッパが料理人によってはここまで上品で洗練された料理になり得ることを知りました。
 (右)フランスのシャンパーニュ地方ディジー村のアラン・ベルナール「シャンパーニュ・ブリュット ロゼ・ド・セニエNV」。肉料理にも合うシャンパーニュとしてMさんが持って来てくれ、これはもうロゼのシャンパーニュと言うよりも発泡している赤ワインとしか言いようの無い強烈な果実味と骨格!軽い前菜や魚料理ならシャンパーニュに負けてしまいます、合わせるのは肉ですよ肉、という訳でトリッパとバッチリ。

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 (左)中田シェフが最も美味しいと思う坂越産のカキとルッコラとフレッシュトマトのタリオリーニにリコッタ・サラータを振り掛けて。カキの産地による味の違いに詳しくないのですが坂越産カキは味が凝縮されていてメチャクチャ美味しいですね。私が生ガキ食べられないことを知っている中田シェフから随分と気を遣っていただきましたが、ハイ、加熱したカキなら大丈夫で美味しくいただきました。
 (右)自家酵母のパーネ。ソースを残さず拭うための必需品です。

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↑フランスのローヌ地方のギガル「エルミタージュ1990」「エルミタージュ1991」。Mさんが雷鳥に合わせるワインとして事前にお店に運び込んでいたとっておき古酒2本。大のシラー好きで「ローヌ卿」の異名を持つHさんもいてるのでこれ以上のワインは無いですよね。Mさんが抜栓するのを横で見ていると意外なことにコルクが綺麗なままなのです。20年以上も熟成しているとコルクもフカフカになっているはずでこんなに綺麗なコルクということはリコルクしたんだろうという話になりました。
  1991年ヴィンテージは柔らかく甘美でスモーキーフレーヴァーが心地良し。ブルゴーニュ好きのローヌ嫌いな人でもこのワインなら好んで飲めるはず。1990年ヴィンテージはこれぞ偉大なるローヌの古酒という威厳とタンニンがあってまだまだ熟成しますね。醤油煎餅の醤油が焦げたような匂いが堪りません。

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 (左)この日のために1ヵ月前から熟成させていたスコットランド産の雷鳥。ワイルドな匂いが立ち昇ってきます。鳩や蝦夷鹿、イノシシはよく食べますが雷鳥となるとかってあった四天王寺「Petit Souple(プティ・スープル)」で食べて以来7年振りとなります。
 (右)シャントレルとブラックトランペットとマディラのクリームソースを纏った雷鳥さまのおな~り~。その身はとてつもなく鉄分に満ち溢れ、エルミタージュ1990と合わせるとワインのタンニンが甘く感じる程です。

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 (左)唐辛子がしっかりと効いた大人のチョコレートケーキ。Tさんのプレートはもちろん「Buon Compleanno(ブォン・コンプレアンノ=お誕生日おめでとう)」のチョコ文字入りです。
 (右)ドイツのラインヘッセン地方の「オストフォーヘナー・キルシュベルク・トロッケンベーレン・アウスレーゼ1989」。オルテガ100%のベルリンの壁崩壊の年の極甘口ワインです。

  仕事でフランスとイタリアによく行くKさんのイタリア土産がこれまた珍品です。

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 (左)タバコの箱?
 (中央)開けてみるとタバコではなく何かアンプルのような小瓶が10本入っています。
 (右)何と5mlサイズの携帯用飲み切りグラッパなのです!アルコール分は50%もあるのでこれ位の量で丁度良いかもしれません。中身はちゃんと美味しいグラッパです。

  先日は中田シェフが大阪市内まで出張して来て料理を作るというワイン会に参加しましたがやはり中田シェフの料理は中田シェフの城であるABBRACCIO&BACIOで食べるのがベストですよね。とは言いつつ12月にまた中田シェフが大阪市内まで出張して料理を作るイベント企画が進んでいるそうで、そこのお店は厨房設備も整っていますし外部から料理人を招くことにも慣れているお店なので先日のワイン会のようにオペレーション不具合の問題は無いはずです。

  美味なる物の追及に心血を注いでおられるTさんの誕生日前夜祭なだけに料理もワインもメンバーもそしてイタリア土産までもが並外れた濃い~モノ&ヒト揃いとなりました。Tさん、改めましてお誕生日おめでとうございます。

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