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中田シェフ×ドンナフガータの会@Wine Bar小塚

  六甲道「ABBRACCIO&BACIO(アッブラッチォ・エ・バッチォ)」中田オーナーシェフを招いてシチリア州の超有名生産者ドンナフガータのワインとそれに合わせた料理を楽しむ会に参加してきました。会場は西天満にて9/5に復活オープンした「Wine Bar小塚」です。

 ドンナフガータのワインについてはこのブログでもこれまでに「ヴィニャ・ディ・ガブリ」「ラ・フーガ」「タンクレディ」「アンゲリ」「ベン・リエ」等を紹介していますがここで改めてカンティーナの紹介を。
  マルサラの生産者の家に生まれたジャコモ・ラロ氏とガブリエラ夫人によってシチリア島コンテッサ・エンテリーナの地で1983年に創設されたカンティーナで、19世紀初頭にブルボン朝の王フェルナンデス4世の妃マリア・カロリーナ王妃がナポレオン軍の侵攻を恐れてナポリ宮廷からコンテッサ・エンテリーナへ逃げてきたという歴史に因んで「ドンナフガータ(逃げてきた女)」と名付けられました。
  ドンナフガータのワインは関西以外のエリアでは有限会社クリオ・インターナショナルが、関西エリアでは有限会社カリテ・エ・プリが輸入販売しています。そのような事情もあってカリテ・エ・プリは自社のネットショップでの販売と親会社である株式会社かめいあんじゅが運営する「Bistrot d'Anjou(ビストロ・ダ・アンジュ)」「SANT-ANGELO(サンタ・アンジェロ)」等での提供のみに販路を制限していたのですが数年前から他の飲食店にも卸すようになって現在では大阪市内の至るところで呑めるようになっています。
  ドンナフガータのワインの種類は年々増えていて、私が知る限りでも以下の20種類があります。同じワインでもヴィンテージによって使用するブドウ品種やブレンド比率が大きく変わるのも特徴的です。

【スプマンテ(泡)】
 ドンナフガータ・ブリュット
【ビアンコ(白ワイン)】
 アンシリア、リゲア、ダマリーノ、プリオ、ポレーナ、スルスル、ラ・フーガ、ヴィニャ・ディ・ガブリ、キアランダ
【ロザート(ロゼ)】
 ルメラ
【ロッソ(赤ワイン)】
 セダーラ、シェラザーデ、アンゲリ、タンクレディ、ミッレ・エ・ウナ・ノッテ
【ドルチェ(甘口)&グラッパ】
 カビール、ベン・リエ、ミッレ・エ・ウナ・ノッテ・グラッパ、ベン・リエ・グラッパ
 
  今回はWine Bar小塚のみかソムリエールが以下の5種類をセレクト。

<ワインリスト>
1.ドンナフガータ・ブリュットNV
2.プリオ2014
3.ルメラ2014
4.シェラザーデ2013
5.タンクレディ2008マグナムボトル

 ドンナフガータ・ブリュットはシャルドネとピノ・ノワールを使ってメトード・クラシコ(瓶内二次発酵方式)で醸造したスプマンテ。すっきりドライな仕上がりでクオリティーの高さは流石ドンナフガータといったところですが正直シチリアのスプマンテで5000円台という上代設定はかなり強気と言わざるを得ません。
  プリオはこの2014年ヴィンテージがファースト・ヴィンテージというドンナフガータの最新作。カタラット100%でステンレスタンクでの発酵&熟成。白い花のアロマティックな香りとレモン等の柑橘類のニュアンス。ドンナフガータお得意のキレイにまとまった白ワインですね。
  ルメラはシラーとネロ・ダーヴォラとピノ・ノワールとタナというかなり珍しい組み合わせで造ったロゼワインでピノ・ノワール以外の3品種がしっかりタイプのワインになる品種なのでロゼワインとしてはかなり重厚感あってジューシーです。
  シェラザーデはネロ・ダーヴォラ100%でステンレスタンク発酵とセメントタンク熟成。エチケッタに千一夜物語(アラビアンナイト)の主人公シェヘラザードをイメージした女性が描かれていて、ワイン自体もくぐもったスモーキーフレーヴァーがあってオリエンタルな印象を漂わせています。
  タンクレディはジュゼッペ・ランペドゥーサの長編小説「山猫」に登場する若者タンクレディの名前をワイン名に冠し、数々の賞を受賞してドンナフガータを世界的に有名にした看板ワイン。ヴィンテージごとに若干の違いはあるもののネロ・ダーヴォラとカベルネ・ソーヴィニヨンとタナが基本の3品種です。これこそドンナフガータの真骨頂と言うべき端正にまとまった造りで評論家が高得点付けるのも納得です。

  改めて感じたことは、ドンナフガータのワインはどれも綺麗かつ端正にまとまった造りで、決して外さない安定した造りです。これだけワインの種類が増えてもそのどれもが安定して美味しいというのはやっぱりスゴイなぁと。

  中田シェフとその盟友の門戸厄神「Aranjuez(アランフェス)」山崎オーナーシェフがヘルプとして加わってWine Bar小塚のコンパクトな厨房設備でコース料理を仕上げて行きます。

<コース料理>
1.テッリーナ・ディ“ブーダン・ノワール”
2.カキのオイル煮とカポナータ風インサラータ 自家製ブドウ酵母のパーネ・シチリアーノ添え
3.パスタ・コン・鮎
4.カヴァティエッリ・アル・ペスト・アッラ・トラパネーゼ
5.アイスランド産仔羊腿肉のマルサラ煮込みに焼きポレンタ添え
6.中田シェフからの締めの一皿
7.カンノーロ

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 (左)みかソムリエールのたっての希望でコースに入った中田シェフのスペシャリテ。中田シェフ曰く「サルシッチャ状にしてしまうと細長いのですぐに火が通り過ぎてしまい、テリーヌ状にして湯煎で火入れすることで火の入り方を調整しています」。確かにこの素晴らしく滑らかな食感はサルシッチャ状では出せないですよね。今回の参加者の大部分が初めて中田シェフの料理を食べるので最初の一皿目は特に重要であり、これを食べて全員がこの後の料理への期待感を高めたはず。
 (右)オリーヴのペーストを混ぜ込んだカポナータの上にオイル煮にして旨味を凝縮させたカキをのせ、ハードタイプのリコッタを削り掛けてドライケッパーを散りばめて。オリーヴのペーストが効いたカポナータは甘味が無くてまさにワインと一緒に食べるためのカポナータ。

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 (左)シチリアの名物パスタであるパスタ・コン・サルデ(イワシとウイキョウと松の実とレーズンのパスタ)をイワシの代わりに鮎で再現。鮎をエキストラヴァージンオリーヴオイルとひまわり油とのブレンド油に浸してじっくりコンフィ、そこにウイキョウと松の実と味付けした焼きパン粉を合わせてあります。レーズンは日本人には馴染みが薄いので入れてないとのこと。中田シェフは自分で作れるものは全て自家製するのをモットーにしているのでお店では乾麺パスタは一切使わずこのパスタ・コン・鮎にも自家製スパゲッティーニを使用しています。日本特有の素材である鮎を使っているのに完全にシチリア料理として成立しているのがmolt bene!
 (右)ペスト・アッラ・トラパネーゼもまたシチリアの名物料理。アーモンドとトマトとバジルで作ったペーストをパスタのサルサにしたり魚介と和えて前菜として食べたりします。中田シェフのペスト・アッラ・トラパネーゼはフレッシュトマトを使っていて、生のホタテ貝柱と国産カルドンチェッリとともに自家製カヴァティエッリに絡めてあります。

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 (左)中田シェフが世界最高の仔羊肉だと絶賛するのがアイスランド産の仔羊肉。お店では背肉をアッローストして提供しますがワインバーの厨房設備でアッローストをするのは困難であることと、上述の通りドンナフガータが元々はマルサラの生産者であることに因んで腿肉のマルサラ煮込みに決まりました。仔羊肉自体の質の高さもさることながらこれだけ仔羊肉の旨味を集約・凝縮させつつソースはモチャッとせず鋭敏にキレているところが中田シェフの力量なのですよね。
 (中央)中田シェフからの締めの一皿は・・・サバ寿司!?実はこれ、リゾット・ネロ(イカスミのリゾット)の上にサバのマリナータをのせてあるのです。見た目は完全にサバ寿司ですが食べてみてもやはりサバ寿司です、それもメチャクチャ美味しいサバ寿司。
 (右)中田シェフ的解釈のカンノーロ。シチリア名物ドルチェのカンノーロを知っている人が見たらビックリするスタイルです。

  マグナムボトル以外の各ワインを2本ずつで参加者14人でシェアというのは理想的な人数ですがイスを詰め詰めにしないといけないので身動きが取りにくく、やはり12人が限度かな~。カトラリーが足りなかったりと他にもお店のオペレーションに不満な点が多々あって、中田シェフの練りに練られたコース料理とドンナフガータのワインに助けられた部分が大きいワイン会だったというのが正直な感想。来年には第2回目として某フレンチシェフとのコラボワイン会も企画されているそうなので今回の反省点が第2回目にしっかり活かされていることを願います、と今後への期待を込めてやや厳しい目の結びとしておきます。

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