fc2ブログ

覚醒と確信のフランチャコルタ専門店

  「DOCGフランチャコルタ」。イタリアのロンバルディア州フランチャコルタ地方でシャルドネ&ピノ・ネロ&ピノ・ビアンコの3品種の全部又はいずれかを使用してメトード・クラシコ(瓶内二次発酵方式)によって造られるスプマンテのことで「イタリアのシャンパーニュ」と紹介されることも多いです。
  とはいえフランチャコルタは日本ではまだまだ微妙な扱いをされているのではないでしょうか。先ず、シャンパーニュと比べて知名度で大きく後れを取っています。今や3000円を下回るシャンパーニュも珍しくなく、シャンパーニュとフランチャコルタを並べてどちらを選ぶかとなると同価格帯かもしくはシャンパーニュの方が安い価格であれば知名度で勝るシャンパーニュの方をほとんどの人が選ぶと思います。次に、瓶内二次発酵方式という手間暇がかかっている分それ相応の価格となるのでイタリア料理店でグラスワインで売るには1杯1000円以上するのは確実で、同じ瓶内二次発酵方式で低価格を実現しているロータリのロータリ・ブリュットという強力なライバルの前に分が悪いです。そして、イタリアワイン専門を謳っているイタリア料理店でも泡物に関しては例外的にシャンパーニュを推しているお店が少なくありません。
  正直、私もフランチャコルタに対してそれ程強い関心を持っている訳ではありませんでした。「べッラヴィスタ」「カ・デル・ボスコ」「フェルゲッティーナ」「ヴィッラ」「ウベルティ」「レ・マルケジーネ」等のフランチャコルタを呑んでその品質の高さは認識しながらも「フランチャコルタでなければならない!」という強い存在意義をイマイチ感じられないのです。なので曽根崎にフランチャコルタ専門という超マニアックなお店があると聞いても是が非でも行ってみたいという気持ちになかなかなりませんでした。今回、そのフランチャコルタ専門店が昼間も営業しているという情報を小耳に挟んで、軽い気持ちでのぞきに行ってみました。そしてフランチャコルタに覚醒することになったのです!

  本場タイそのまんまのタイ料理が食べられると評判のタイ料理店「タイヤータイ」のすぐ裏っかわにひっそりとあるそのお店の店名は「Osteria Ottanta Sette87(オステリア オッタンタ・セッテ)」。和泉市に本店を置くフランチャコルタ専門インポーターの「FRATERRI TOKUYAMA合同会社」を母体とし、ワインはフランチャコルタのみで「フランチャコルタのことしか分かりません」と言い切る潔さ。代表でイタリア在住歴13年という悳山シェフはロンバルディア州イゼオで「Osteria MELONE」というお店を経営していたこともあり大阪で唯一のロンバルディア料理を出すお店でもある超ド硬派なお店です。この日は悳山シェフはおらず相棒の浅井さんお一人での営業でした。
  現在、「サン・クリストーフォロ」「ブレダソーレ」「カモッシ」「コルテフジア」「ラ・トッレ」の5つのカンティーナのフランチャコルタを自社で独占輸入して87で提供している他に通信販売と飲食店向け業務卸しも行っているそうです。新梅田食堂街にある「Wine...etc attic あてぃっく」でもカモッシのフランチャコルタが置いてありましたね。
  この日グラスワイン用に開いていたフランチャコルタ4種類を全ていただいてみました↓

14450881260.jpeg 14450881420.jpeg
 (左)ブレダソーレ「フランチャコルタ・ブリュットNV」。フランチャコルタを飲んだことが無い人にもおススメという87のスタンダードなフランチャコルタがこれです。シャルドネ&ピノ・ネロ&ピノ・ビアンコの3品種をブレンドし、20ヵ月の瓶内二次発酵の後に澱引きしてさらに4ヵ月間熟成。最初にこれを呑んで見事にやられました!今まで呑んできたフランチャコルタには無かったトロリとした蜜感がすごくあって、フランチャコルタ単独で呑んでも満足できる存在感と、チーズを使った前菜やパスタ、鶏肉や豚肉の料理ともよく合いそうな食中酒としての魅力も強く感じます。
 (右)コルテフジア「フランチャコルタ・ロゼ・エクストラ・ブリュットNV」。入荷し立ての新商品でテクニカルデータは不明ですがボディーがかなりしっかりしてます。

14450881670.jpeg 14450882040.jpeg
 (左)カモッシ「フランチャコルタ・エクストラ・ブリュットNV」。シャルドネとピノ・ネロをブレンドし、30~36ヵ月の瓶内二次発酵の後に澱引きしてさらに8ヵ月間の熟成。超辛口でキレ味鋭し。
 (右)コルテフジア「フランチャコルタ・サテンNV」。サテンは白ブドウ100%で造られるいわゆるブラン・ド・ブランであってなおかつ瓶内の気圧が4.5気圧未満のキュヴェにのみ名乗ることが認められているフランチャコルタ特有のカテゴリー。コルテフジアのサテンはシャルドネ100%で30ヵ月の瓶内二次発酵の後に澱引きしてさらに4ヵ月間の熟成。通常サテンは白ブドウのみ使用で瓶内気圧も低い目であることから女性的だと表現されますがコルテフジアのサテンはシャルドネ100%とは思えない位にがっしりどっしりとしたボディーで男性的。

  浅井さん曰く「食中酒としてのフランチャコルタ」を推していてイタリア料理店だけでなく和食店にも人気があるそうですがそれに納得する点があります。シャンパーニュから強く感じる酵母香(イースト香とかトースト香とも言います)をほとんど感じないのです。瓶内二次発酵方式ならではのあの強い酵母香はシャンパーニュを呑んでいるという満足感を与えてくれるものですがあまり強いと食事の妨げにもなり、ましてや繊細な和食と合わせるとなると邪魔になってしまいます。今回呑んだ4種類のどれも和食と合うだろうと思いましたが特にコルテフジアのサテンと鴨肉や西京味噌に漬け込んだ魚の焼き物とのアッビナメントはかなりのモノになるだろうと夢想してしまい、和食と合うスパークリングワインとしてのポテンシャルはシャンパーニュに引けを取らないどころかむしろ優れているとの確信を得ました。

14450882220.jpeg
↑アテとして出てきたのが、小麦粉とセモリナ粉と天然酵母を原材料として毎朝自家製しているという平ぺったいパン。ピエモンテ州の棒状パンのグリッシーニとプーリア州の指輪状パンのタラッリを足して2で割ったようですねと言うと「まさにそれなんです!僕達はこれをリングエッテと呼んでます」との浅井さんの談。塩の効き具合が良くてアテとして最高なんです。

  これまでのフランチャコルタの認識を改める初訪問、まさにフランチャコルタ覚醒とそのポテンシャルへの確信となる初訪問でした。


スポンサーサイト



COMMENTS

COMMENT FORM

TRACKBACK


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)