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BRAVURA×巨匠の愛弟子のコラボチルコロ

  今年に入ってから毎月異なるゲストシェフを招聘してのコラボイベントとなっているチルコロ@LA VINERIA BRAVURA(ラ・ヴィネリア・ブラヴーラ)。基本的に顔見知りのシェフがゲストの時にしか参加しないので3月の「Pink flamingo」吉田シェフ4月の「Con Vino」米屋シェフの会以降しばらく参加していなかったのですが久し振りに知っているシェフが登場。元「LE AI(ル・アイ)心斎橋本店」の森田シェフです。
 
  LE AI心斎橋本店は店舗ビルの取り壊しのために昨年5月に閉店、森田シェフはかって4年半勤めた東京銀座「LA BETTOLA da Ochiai(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ)」に戻って師匠の落合務オーナーシェフを今年4月までお手伝いをしていましたが現在は大阪での営業再開に向けて準備中。という訳で森田シェフの料理をいただくことのできる機会は今のところ今回のチルコロしか無いのです。LE AIの頃の華やかな盛り付けの料理が出るのか、日本に本物のイタリア料理を普及した巨匠:落合シェフのようなシンプルかつド直球な料理が出るのか、はたまたその両方のミックス的な料理が出るのか。その答えはこちら↓

<コース料理>
1.アンティパスト・ミスト
2.サンマとフィノッキオとフィーコのカザレッチョ
3.米澤豚肩ロース肉のグリリアータにノーチェとアッチューガのサルサ、ニラの花とセレクトの野菜を添えて
4.ティラミス・ディ・リモーネ

  高岡ソムリエからは特にLA BETTOLAの料理を出してほしい等のリクエストはしておらず、森田シェフが「今、表現したい料理」を作ってもらったとのこと。

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 (左)アンティパスト・ミストの説明をする森田シェフ。
 (右)アンティパスト・ミストは手前から時計回りに以下の7種類。
 ①コリアンダーを効かせたカポナータをのせたカツオのカルパッチョ
 ②鶏白肝のフェガティーニ
 ③フルーツトマトとナスのテッリーナ
 ④パルミジャーノのカタラーナ
 ⑤広島県久井町の梶谷農園のハーブ
 ⑥明石ダコのグリリアータ
 ⑦ズッカのミント&ヴィネガーのベットラ風マリナータ 

  ポイントはハーブとその使い方。梶谷農園のハーブは使いたくてもなかなか卸してもらえない程に料理人に大人気なだけにハーブそのものがメチャクチャ美味しいです。カポナータには一口食べてすぐにコリアンダーが入っているのが分かる位にコリアンダーを効かせてあり、私はコリアンダー大好きなので嬉しいのですけど苦手な人なら食べられないかも。ズッカ(=カボチャ)のマリネにもミントを効かせてありますがこのレシピはLA BETTOLAのレシピだそうです。パルミジャーノのカタラーナ(=ブリュレ)はドルチェではなくワインのアテとして成立しています。香ばしくグリルしてあり食感コリコリの明石ダコは前菜盛り合わせの中の一品の枠を超えた存在感アリ。

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 (左)パスタを盛り付ける森田シェフ。森田シェフ自身も「作り過ぎた」と認める程の大量のパスタですが全て参加者の胃袋の中へと消えて行きました(笑)。
 (右)このパスタのベースになっているのはシチリア郷土料理「パスタ・コン・サルデ」。サルデ(=イワシ)&フィノッキオ(=ウイキョウ)&ウヴェッタ(=レーズン)&ピノーリ(=松の実)が入ったソースに穴開きロングパスタのブカティーニを合わせるのが定番ですが今回は森田シェフ流のアレンジで。森田シェフが個人的にイワシよりも好きな素材であるサンマを使い、サンマの肝もアンチョビと炒めてペースト状にして入れてあるのでサンマの風味が非常に濃厚。以前はレーズンを入れていたけど残すお客さんも少なくなかったのでレーズンではなくフィーコ(=ドライイチジク)を使うようになったそうです。このドライイチジクが溶け込んで粒々のプチプチした食感と甘味がアクセントに効いています。仕上げには砕いたピスタッキオ(=ピスタチオ)とディルを。各素材がそれぞれ主張し合いつつ全体として見事に一つに調和しているソースに断面S字形のショートパスタのカザレッチョが絶妙に絡みます!

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 (左)パスタもてんこ盛りでしたがセコンド・ピアットの豚肩ロース肉も一人前の量が多いですね。ノーチェ(=クルミ)とアッチューガ(=アンチョビ)のソースというのも初めて聞きました。森田シェフは「豚肉それ自体に味がのっているのでソースが無くても十分に美味しかったかも」と言いますが、アッローストしてからバターで炒めたクルミとアンチョビのソースが豚肉の味を引き立て、さらにちょこっと添えられたニラの花がすごいインパクトあります。このちょこっとの量で薬味としての役割を十二分に果たしていて使い過ぎるとメインの素材を喰ってしまいかねない程の威力ありまくりのアブナイ代物ですな。コントルノ(=付け合わせ)の野菜も有名飲食店御用達の八百屋「セレクト」の野菜なので焼いただけでも味濃し!
 (右)LA BETTOLAでも評判のドルチェだというレモンのティラミス。クリーミーなマスカルポーネの上にレモン果汁と卵黄とバターで作ったソース(カスタードクリームの原型のようなソースだそうです)が掛かっていて、しっかり食べた後でもサッパリと食べられる仕上がりです。

<ワインリスト>
1.フェデリチャーネ・モンテレオーネ「フレグレオ ファランギーナ・ブリュット」
2.テヌーテ・フェッロチント「ドルチェドルメ アリアニコ・ロゼ」
3.クズマーノ「インツォリア2014」
4.クズマーノ「ネロ・ダーヴォラ2014」
5.グルフィ「ロッソイブレオ2013」
6.ジルダ「マルヴァジア・フリッツァンテ・ドルチェ」

  1~5までのワインが南イタリアで6が中部イタリアです。これは高岡ソムリエが森田シェフの料理から南イタリアのイメージを感じてのセレクトですが森田シェフ自身もイタリア各州の中でシチリアが好きとのこと。1&2をアンティパスト・ミストに、3&4をパスタに、5をセコンド・ピアットに、6をドルチェに合わせます。

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 (左)カンパーニア州のフェデリチャーネ・モンテレオーネがファランギーナ100%使用のシャルマー方式+12ヵ月のシュール・リー製法で造るフレグレオ。苦味の奥にほのかな甘味があり、温度が上がるに連れてトロッとした甘味になってきます。高岡ソムリエはこの甘さを桃に例えましたが、個人的には子どもの頃によく飲んだ不二家の缶ジュース「ネクターピーチ」を連想させる甘さかなぁと。
 (中央)カラブリア州の今や押しも押されぬ代表的生産者テヌーテ・フェッロチントがアリアニコ100%で造るロザートがドルチェドルメ。タンニン豊かな赤ワインとなるアリアニコが原料なだけにアリアニコ由来のタンニンを感じることができ、ロザートとしてはコクがあるタイプです。
 (右)シチリア州の有名生産者クズマーノのカジュアル白ワインシリーズからインツォリア。

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 (左)同じくクズマーノのカジュアル赤ワインシリーズからネロ・ダーヴォラ。
 (中央)シチリア州のグルフィの赤ワインの中で樽を使用せずステンレスタンクでの発酵&熟成を行うロッソイブレオ。シチリア島の土壌がフランスのブルゴーニュ地方の土壌と似ていることからブルゴーニュ的なシチリアワインを目指しているグルフィのワインなだけに完成度が非常に高く、同じネロ・ダーヴォラ100%のシチリアワインでもクズマーノのネロ・ダーヴォラとはベクトルが全く違います。
 (右)エミリア・ロマーニャ州のジルダがマルヴァジア100%で造る微発泡性甘口ワイン。ピエモンテ州のモスカート・ダスティと同じく糖分とアルコールをコントロールしてアルコール発酵を途中で停止しているのでアルコール分も7%と低い目。

  アンティパスト・ミストは肉・魚・野菜が色々盛り込まれるのでどれか一品にピンポイントでワインを合わせると他の前菜とは合わないということになりかねず、どんな料理とも無難に合うワインを選ぶのがベターだと考えます。そういう意味でスプマンテとロザートはどちらも万能性を有するワインでフレグレオもドルチェドルメも障り無くイケてます。かねがね南イタリアワインはワイン単体で呑むよりも料理と一緒に食中酒として呑む方が力を発揮するワインが多いと感じていますがクズマーノの白赤ワインはどちらもその典型だなと。失礼ながらワイン単体で呑むと凡庸なんですよ。肝まで入れたサンマの風味満開のパスタなのでネロ・ダーヴォラの方が合うのは納得行くとして、白ワインだと生臭さが際立ってしまって合わないように思われますがこのインツォリアはサンマの生臭さを出させずサラ~っと流してくれるのです。ロッソイブレオは上述の通りワイン単体での完成度が高くて料理とのアッビナメント抜きでも十二分に楽しめるワイン。

  森田シェフが「今、表現したい料理」とは、LE AIの頃の料理スタイルとLA BETTOLAの料理スタイルのミックスだと感じました。巧みなハーブ使い、郷土パスタの自分なりの解釈に基づく再構築にLE AIの頃のスタイルを感じ、豚肉の味をシンプルに活かしつつさらに引き出すための調理法にLA BETTOLA的なスタイルを感じました(と言いつつLA BETTOLAに行ったこと無いのであくまで想像に基づく個人の感想ですが・・・)。
  これ程の腕前の料理人がフリーな状態のままというのはあまりに勿体無い話なので早く良い物件が見つかって営業再開となってほしいです。


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