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BRAVURA×サルデーニャ料理人のコラボチルコロ

  昨年10月をもってこーじシェフが和歌山での独立開業のために退職してタク店長がシェフも兼任している状況が続いている「LA VINERIA BRAVURA(ラ・ヴィネリア・ブラヴ-ラ)」。そのこーじシェフのお店「Caratello(カラテッロ)」のオープンが3/16に決まりました。未だ和歌山県に行ったことの無い私の和歌山デビューのきっかけになりそうです。

  さて、これまでこーじシェフがイタリア各州の郷土料理を骨太に再現していた定期イベント「チルコロ」(チルコロについてはこちらを参照)についても動きがあり、今年はゲストシェフを招聘してのコラボチルコロとなっています。
  1月のゲストシェフが高岡ソムリエのかっての仲間である元「Principessa」オーナーの岩原信久シェフ、2月のゲストシェフが「PONTE VECCHIO」出身で昨年末までトスカーナ州とエミリア・ロマーニャ州でバリバリ修行していた岩村美沙シェフ。私は岩原シェフとも岩村シェフとも面識が無いので参加しなかったのですが、3月のゲストシェフが新町「Pink flamingo(ピンク・フラミンゴ)」のよっし~さんこと吉田シェフと聞いて参加を決意しました。普段はハム職人の顔のよっし~さんが隠し持つもう一つの顔がサルデーニャ料理人の顔であり、此度のコラボチルコロではそのサルデーニャ料理人の顔を御披露いただけるからです。普段Pink flamingoで販売している自家製のポルケッタやパンチェッタ、インヴォルティーニ等の抜群の美味しさからしてよっし~さんの料理の腕前の確かさは十二分に分かっていますからそのよっし~さんが作るサルデーニャ料理とはいかなるものなのかをこの目と舌で確かめたいのです。

<コース料理>
1.アンティパスト・ミスト・アッラ・サルダ
2.パーネ・フラッタウ
3.チッチョネス・アル・ラグー・サルド・エ・フレーグラ
4.ペコラ・ボッリータ

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↑料理の説明をするよっし~さん。よっし~さんは2005年夏にトスカーナ州フィレンツェに渡り、翌2006年春からサルデーニャ島カリアリの「LUIGI POMATA」で修行。ここでサルデーニャの魅力にすっかりハマって2007年秋に帰国するも2008年と2009年の2年続けて夏場のみサルデーニャ島に戻ってさらに修行。
  今回のコース料理のテーマは「羊」、そして凝ったリストランテ料理ではなく現地の家庭で普通に食べられている素朴で無駄の無い料理です。

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 (左)サルデーニャ風前菜盛り合わせはパーネ・カラサウ&パーネ・グッティアウ&ペコリーノ・サルド&ペコリーノを混ぜ込んだリコッタ&オリーヴァ&ポモドリーニ&カーヴォロ。
 (中央)パーネ・フラッタウ。基本形のパーネ・カラサウとそれにオリーヴ・オイルと塩を垂らして焼いたパーネ・グッティアウは2年前に開催されたイベント「恋するサルデーニャ」でも登場したので知っていますがパーネ・フラッタウは初めてです。水又はブロードで柔らかくしたパーネ・カラサウの上にサルサ・ポモドーロとペコリーノを塗り重ねて仕上げに真ん中にポーチドエッグをのせる。ポーチドエッグをグチャグチャに潰しながら食べるこの料理、何に似ているかと言うと薄焼きのローマ風ピッツァ生地で作ったピッツァ・ビスマルクでしょうか。
 (右)これがパーネ・カラサウです。

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 (左)2種類のパスタを盛り付けるよっし~さんとタク店長。
 (中央)仔羊ラグーの自家製チッチョネスとフレーグラの2種盛り。サルデーニャ方言でニョケッティ(小さなニョッキ)をチッチョネスと言い、同じくフレーゴラ(あられのような小粒パスタ)もフレーグラと言います。仔羊の茹で汁にバジルを加えてフレーグラを茹でているのでフレーグラもあっさりとした見た目よりも風味豊か。
 (右)これが茹でる前のフレーグラです。

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 (左)仔羊を盛り付けるよっし~さんとコントルノを添えるタク店長。
 (右)仔羊の煮込みというよりまさに「茹で仔羊」。素朴ながらも滋味溢れる仔羊肉の美味しさ。サルデーニャの塩を付けて食べるとより仔羊肉の味が引き立ちます。骨付きの部位は脛の上の方の部分とのこと。最初に一つの寸胴で仔羊肉を茹で、途中で繊維質の多い部位の肉をラグー用に別鍋に移し、茹で汁でフレーグラを茹でるという時間も素材も無駄無く効率良く作業を進めていくのが家庭を守るマンマの料理的です。

<ワインリスト>
1.カンティーナ・デイッダ「マルツァーニ・ブリュット」
2.サンタディ「グロッタ・ロッサ2012」
3.サンタディ「ヴィッラ・ソライス」
4.テヌータ・デットーリ「テノレス2009」
5.テヌータ・デットーリ「レノス・ビアンコNV」

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 (左)元々スプマンテの歴史の無いサルデーニャで、メトード・クラシコ(=瓶内二次発酵方式)のスプマンテを造っている唯一の存在なのが1998年創立のカンティーナ・デイッダ。土着品種ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノとヌラーグスを50%ずつ使用してメトード・クラシコで仕上げた、ある意味超珍ワインです。シェリーのオロロソと見紛うばかりのワインとなるヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを使っているだけに色調も濃くて「スプマンテじゃないみたい」との声が上がったのも頷けます。
 (中央)5種類のワインの内3種類が珍ワインという今会の中である意味ホッとする存在なのがサンタディのワイン。グロッタ・ロッサはカリニャーノ(南フランスで言うカリニャン)100%使用。写真ありませんがヴィッラ・ソライスはヴェルメンティーノ85%とヌラーグス15%のブレンド。このヴィッラ・ソライスが非常によく出来た白ワインで向かいの席に座っていた女性が「難しいことは置いといてヴェルメンティーノが美味しいということは覚えた」と言っていました(笑)。
 (右)今会のワインリストの最大の目玉にして意外性があるのがこの2本。「Ombra」や「TAVERNETTA da KITAYAMA」で何度も呑んだこの自然派ワイン2本を、自然派ワインをあまり扱っていないBRAVURAで呑むことになるとは想像もしてなかったからです。テノレスはカンノナウをセメントタンク内で24ヵ月も熟成させ、まるでデザートワインのような甘さです(実際にTAVERNETTA da KITAYAMAではフォルマッジョと合わせるディジェスティーヴォとしてサーヴされたことがあります)。レノス・ビアンコはヴェルメンティーノ70%にモスカート30%をブレンドしてマセラシオン(=果皮浸漬)を経てセメントタンク内で24ヵ月以上熟成させた複数ヴィンテージのキュヴェをブレンド。一般的に白ワインのレノス・ビアンコが最後に出るのはおかしいように見えますがこの白ワインの持つ濃密さが他のどのワインよりも仔羊肉と合うのです。何しろ、ペコラ・ボッリータにサルデーニャの塩を付けて食べレノス・ビアンコと合わせてみたmicoソムリエールがそのあまりのアッビナメント・ペルフェットさに快哉を叫んだ程ですから。

  チルコロは毎回参加の御馴染みさんのためのイベントであり、好き勝手に自分のペースで食べて呑む私向きのイベントではないと敬遠していましたが今会は参加して本当に良かったです。素材を捏ね繰り回した技巧に走った料理よりも現地で普通に食べられているシンプルの極みな滋味溢れる料理こそ私が心から食べたいと願う料理だからです。

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