スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Ombraコース料理の神髄

  3月の「郷土料理会⑩」の後も頻繁に通っている「Ombra(オンブラ)」ですが、ここのところはフラリと行って料理はあまり食べないでワインばかり呑むというヴィネリア使いが続いているので、今回は気合を入れて予約制のコース料理を予約してじっくりしっかりと食べに行ってきました。

  こだわりのイタリア料理店はどんどん増えていますが相変わらずアラカルト全盛で、コース料理で自身の料理の世界観を表現しようという気骨あるシェフは極々少数派です。そんな少数派の北口シェフのコース料理を堪能するために食べたい料理の希望とかは一切言わずに全ておまかせです。一皿毎に合わせるワインもおまかせでワイン・エキスパート保持者のカメリエーラKさんがサーヴするワインを黙っていただきます。

DSC_4372.jpg DSC_4371.jpg
 (左)ファリナータと生シラス。ファリナータはリグーリア州の郷土料理で、ヒヨコ豆の粉を練ってオーブンで焼いた薄焼きパンというかクレープのようなもの。たまたま一昨夜にリグーリア大好き「グラッパ女王」が料理もワインもリグーリア州縛りの食事会をここで開催した名残で食べられたという訳ですな(笑)。シラスを食べるのは日本特有だと思ってましたがリグーリア沿海部では日本のシラスや白魚によく似たビアンケッティという稚魚が獲れ、生食したり茹でて食べたりファリナータの具に入れたりと色々な食べ方があるようです。滑らかな食感のファリナータだけで食べても生シラスをのせて食べても美味です。
 (右)ピエモンテ州でビオディナミを実践しているラ・ライア「ガヴィ2012」。旨味・甘味・酸味・ミネラルのバランスが抜群で口内に爽快感が広がります。呑んで感じるイメージは「大人のラムネ」ですね、ラムネと言ってしまうと安っぽくなってしまうかもしれませんが私の語彙では他に適当な言葉が浮かびません(汗)。生シラスとは南イタリアの白ワインの方が合うのではと思いましたが全くの杞憂、海の無いピエモンテ州の白ワインと生シラスとが違和感無く合っていますよ。

DSC_4374.jpgDSC_4373.jpgDSC_4375.jpg
 (左)ズッキーニ・リピエーニにプレ・ディ・ズッキーニと有頭海老を添えて。リピエーニ=詰め物と言うと岸里時代に食べたカラマーリ・リピエーニを思い出しますね、いつかまた食べたいな。花ズッキーニの中に魚介のムースが詰めてあるとの説明でしたが、食べてみるとそんな生易しいものではありません。イカなどを細かく細かく刻んで詰めてあります、もの凄く手間暇の掛かっている料理ですよ!添えられたプレ・ディ・ズッキーニも非常に甘味があるのでズッキーニに何か別の素材を混ぜてあるのではないかと北口シェフに質問してみましたがズッキーニだけとの返答。有頭海老の頭から出る味噌もまた旨し。
 (中央)ヴェネト州のテヌータ・カ・デル・ヴェント「カノーソ ソアーヴェ・クラシコ」。オープン時からのOmbra定番ソアーヴェですが何度呑んでも美味しい、このソアーヴェは本当によく出来ていますね。
 (右)自家製フォカッチャ。

DSC_4378.jpgDSC_4379.jpgDSC_4376.jpg
 (左)プリモ・ピアットその1はコルゼッティ・スタンパーティにウサギ肉のラグーとオリーヴのソース。コルゼッティは郷土料理会⑨でも登場したリグーリア州の名物パスタで正式名称はコルゼッティ・スタンパーティ。モチモチした食感のコルゼッティは濃い目のソースとよく合うのですが酸味の効いたキレ味鋭いウサギ肉ラグーとも抜群に合いますね。
 (中央)この木製の器具スタンパでパスタ生地を円形状に打ち抜きます。
 (右)フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のフランコ・テルピン「クイント・クアルト ピノ・グリージョ2012」。昨年に「帽子屋BARコッポレッタ」の6周年ウィークの際にリボッラ・ジャッラを呑んで忘れ得ぬ生産者となったフランコ・テルピン。このピノ・グリージョもマセラシオン=果皮浸漬による色素抽出と木樽熟成を行っていて濃い~色調同様にしっかりしたボディの滋味溢れる白ワインなので温度高い目で大きめ目のブルゴーニュグラスでサーヴするのがピッタリ。ウサギ肉や豚肉、鶏肉を使う白いラグーと合わせるのに相応しい白ワインですね。

DSC_4381.jpg DSC_4380.jpg
 (左)プリモ・ピアットその2はクレスペッラ。リコッタとプレ・ディ・バルバビエトラ=ビーツのピューレをクレープ生地で巻いて茹で、セージバターのソースで食べるという北口シェフの得意料理の一つですが今回はアフミカート=燻製したリコッタを上に振り掛けてあり、岸里時代に食べたクレスペッラとはまた全然異なる印象です。
 (右)フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のエミリオ・ブルフォン「チャノロス」。エミリオ・ブルフォンのワインがこのブログで登場するのはBRAVURA1周年の時以来ですから約2年振りですかね。その時の記事でも書いたようにエミリオ・ブルフォンは絶滅寸前の稀少土着品種の栽培とワイン醸造に心血を注いでいる生産者で、以前はチャノーリエと呼ばれていた赤ワインが今はチャノロスに変わっています。優しいチャーミングなこの赤ワインならクレスペッラともバッチシです。

DSC_4383.jpg DSC_4382.jpg
 (左)プリモ・ピアットその3はビゴリ・アル・ラグー・ディ・アナトラに菊菜添え。店の奥からキュッキュッという異音が聞こえてくると思ったら北口シェフが他の予約客に提供するために専用器具トルキオを使ってヴェネト州名物パスタのビゴリを製麺していて、私もコースに追加してもらいました。トルキオはハンドルの付いた筒状の器具で、筒の中にパスタ生地を詰めてハンドルを回してトコロテン的に捻り出して製麺し、ハンドルを回すのにかなりの力が必要になるそうです。ポレンタ粉を混ぜたビゴリは非常にコシがあり、ザラッとした表面に鴨のラグーがよく絡みます。
 (右)ヴェネト州のラルコ「ロッソ・デル・ヴェロネーゼ2009」。今は亡き巨匠ジュゼッペ・クインタレッリの弟子ルーカ・フェドゥリーゴ氏が立ち上げたラルコの赤ワインの中ではカジュアルクラスな赤ワインですがそれでも十二分に素晴らしいワインです。ヴェネト州の郷土パスタに最も合うのはヴェネト州の赤ワインに決まってますね、ビゴリとロッソ・デル・ヴェロネーゼとは完璧なアッビナメントです!

DSC_4385.jpg DSC_4384.jpg
 (左)セコンド・ピアットは肉料理を予想していたらまさかのマグロ頬肉のグリーリアの登場です。タタキのように表面を香ばしく加熱して中身はレアに仕上がっています。
 (右)シチリア島の北の海に位置するエオリア諸島の中の一つサリーナ島のカラヴァリオ「ネロ・デゥ・ムンチ コリント・ネロ2012」。このブログに登場するのがこれで3回目になる、私の大好きな赤ワインです。今年初めにボトルで購入して3日間かけて呑んでみました。第一印象はほのかに甘く優しくチャーミングでありエレガント。そしてミネラル。2日目、3日目になると質感をグッと増してきて大地に根差した力強さ、しっかりした軸を感じます。揺るがない強さと言ったらいいでしょうか。この赤ワインと魚料理とを合わせるのは全くの予想外でしたが合わせてみて納得、これまた素晴らしいアッビナメントです。

DSC_4389.jpg DSC_4391.jpg
 (左)ココナッツのムースと柑橘ソース。イタリアンでココナッツというのは意外な食材ですが、北口シェフがリグーリア州での修行時代に現地でココナッツが使われていたのが記憶に残っていてその記憶を具現化したドルチェだとのこと。
 (右)ヴィーノ・ドルチェは2種類。左がマルケ州のカンティーナ・デイ・コッリ・リパンニ「アニマ・ムンディ オッフィーダ パッセリーナ・パッシート」、右がリグーリア州のボナンニ・フェッレーガラ「シャケトラ」。

 生半可なワイン・バーで呑むよりもハイ・センスなセレクトのワインが多い故についついヴィネリア使いしてしまいますが、やはりコース料理を食べてこそのOmbra、北口シェフであると再認識。とはいえ、オープンから半年が経って北口シェフの頭の中には次なる構想があるそうで、予約制コース料理の他にアラカルトも充実させてタヴェルナ=食堂としても利用してもらえるようにしたいとか。タヴェルナ構想の完全実現と予約制コース料理のさらなる充実のためには料理人が北口シェフだけでは足りない訳ですから新戦力の加入が予定されているはずです。さてさて、どうなるのか楽しみですね。

スポンサーサイト

COMMENTS

COMMENT FORM

TRACKBACK


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。