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レ・マッキオーレ来阪 故人の遺志を継ぐワイン

  これまで国内外の数多くの生産者とお会いしてきましたが、イタリアの生産者で最もお会いしてみたいと願い続けてきたのがトスカーナ州ボルゲリの「アジエンダ・アグリコーラ レ・マッキオーレ」オーナーのチンツィア・カンポルミ女史。今回ついにその願いが実現しました。チンツィアさんとその長男エリアさんがエージェントである「闘うワイン商」川頭さん&ジョヴァンナ夫人と共に来阪、大阪でワインメーカーズディナーが2日間催されることとなったのです。1日目の会場が「Cantinetta Barbera(カンティネッタ・バルベーラ)」、2日目の会場が「ETXOLA(エチョラ)」で私は2日目の方に参加しました。私の席は何とチンツィアさんの右隣でした!
  バスク料理店であるETXOLAで何故イタリアの生産者のメーカーズディナーが?との疑問もありますでしょうが、主催者である「ニシノ酒店」西野嘉高組長が絶大な信頼を置いているお店の一つであり、スペイン研修旅行から帰国したばかりの山本シェフの料理を食べるというタイムリーな魅力の前ではそのような些細な疑問は気にしない、気にしない(笑)。

  ここでレ・マッキオーレについて解説。トスカーナ州の沿海部ボルゲリ地区にて故エウジェニオ&チンツィアのカンポルミ夫妻が1983年に設立。当時既に「サッシカイア」というスーパートスカーナワインがボルゲリの地から誕生していたにも関わらずボルゲリの地元民でさえボルゲリに対してワイン銘醸地の認識を持っておらず、サッシカイアはトスカーナ州内の他の場所で造られているものと信じている人がほとんどだったとか。商人の家に生まれた故エウジェニオさんは自身が経営していたバールで提供するワインを自分の手で造ってみたくなり、ボルゲリの可能性を信じてワイン造りに取り組むことを決意した時に一族から総反対を受け、文字通り夫婦2人だけでのスタートとなったそうです。
  レ・マッキオーレのワインの三本柱「パレオ・ロッソ」「スクリオ」「メッソリオ」。これらはいずれも国際品種かつ単一品種100%で造られています。ボルゲリの地に適したブドウ品種が何であるかを手探りで探している中で、沿海部で寒暖差が少なく日照量の多い肥沃な土地では最高のサンジョヴェーゼを生み出すことは難しく、テロワールを最大限に発揮できるのはフランス由来の国際品種であると確信。1991年にファーストヴィンテージであるパレオ・ロッソ1989をリリース、そして有名醸造家ルカ・ダットーマと共に造ったパレオ・ロッソ1992が「ヴィニタリー1995」でサッシカイアやオルネッライアを上回る高評価を受けたことで一躍有名に。なお、この時点ではまだパレオ・ロッソは複数品種のブレンドです。その後リリースしたメルロー100%のメッソリオとシラー100%のスクリオも極めて高い評価を得ていることから2001年についにパレオ・ロッソをカベルネ・フラン100%で造ることを決意。しかし翌2002年にエウジェニオさんの早過ぎる死によってパレオ・ロッソ2001はエウジェニオさんが手掛けた最初で最後のカベルネ・フラン100%のパレオ・ロッソとなってしまいました。大黒柱を失ったレ・マッキオーレを買収したいという話が押しかけてきたもののチンツィアさんはこれらを全て拒否。亡き夫の遺志を引き継いでオーナーとなり、レ・マッキオーレの名声をより輝かしいものとして現在に至っています。

  レ・マッキオーレのワインは、パレオ・ビアンコ、ボルゲリ・ロッソ、パレオ・ロッソ、スクリオ、メッソリオの白ワイン1種類と赤ワイン4種類の合計5種類。今回はボルゲリ・ロッソ以外の4種類が登場しました。
  なお、ボルゲリ・ロッソについても少し説明を。1998年ファーストヴィンテージから2003年ラストヴィンテージまでリリースされていたマッキオーレ・ロッソに代わる存在として2004年ヴィンテージから登場。マッキオーレ・ロッソは当初サンジョヴェーゼを主体とした赤ワインでしたが徐々にサンジョヴェーゼの比率が下がっていき、ボルゲリ・ロッソも2004年ヴィンテージはサンジョヴェーゼが30%含まれていたものの翌2005年ヴィンテージには15%に半減、その後もどんどん下がっていき2009年ヴィンテージからはついにメルロー&カベルネ・フラン&シラーのブレンドになっています。これは上述の通りボルゲリはサンジョヴェーゼの栽培地に適していないとのチンツィアさんの考えによるものです。

≪ワインリスト≫
1.パレオ・ビアンコ2011
2.パレオ・ロッソ2009
3.パレオ・ロッソ2006
4.スクリオ2009
5.スクリオ2006
6.メッソリオ2009
7.メッソリオ2006
~ボーナスワイン~
 メッソリオ2005
 メッソリオ2004
 メッソリオ2003

  当初予定されていたワインは上記1~7までの7種類。超高額会費にも関わらず満員御礼のキャンセル待ち状態となったことから西野組長からのボーナスワインとしてメッソリオの2003年&2004年&2005年ヴィンテージが登場。もちろんインポーターの株式会社モトックスにも在庫の残っていない稀少品です。なので各1本ずつを皆で少しずつテイスティングすることとなりました。
 唯一の白ワインであるパレオ・ビアンコはソーヴィニヨン70%とシャルドネ30%のブレンド。このブレンド比率については不動であるのかをチンツィアさんに質問してみたところ「シャルドネが例年よりも多く出来た年にシャルドネが1%位多くなる可能性はあるが基本的にこの比率は変わらない」とのことでした。さらにチンツィアさんは「ボルゲリは白ブドウにとっても温か過ぎるので素晴らしい白ワインを造るのは難しい。パレオ・ビアンコ用の白ブドウは数回に分けて収穫を行い、最初に収穫した酸味のあるブドウと後に収穫したブドウとをブレンドしてバランスを取る」と言います。確かにパレオ・ビアンコをもってイタリア最上の白ワインと言うのは難しいですが、ソーヴィニヨンらしい若草やハーブの爽快な香りが鼻に抜けていき口内に適度な酸味が広がるこの白ワインは極めてクオリティーの高い白ワインだと思います。
  レ・マッキオーレのフラッグシップワインであるパレオ・ロッソ。上代価格だけで比較するとスクリオが1.7倍、メッソリオが2.5倍も高いのにパレオ・ロッソこそが故エウジェニオさんの遺志とチンツィアさんの意志を表現するワインとしてワイナリーの顔に位置付けられています。パレオ=雑草のことで、ファーストヴィンテージの年に畑に大量に生えていた雑草を処理するのが大変だったことに由来しているそうです。チンツィアさんはカベルネ・フランについて「コンスタントにバランス取れてエレガントなワインを造ることのできる品種」と評していました。2000年ヴィンテージまでのパレオ・ロッソにはカベルネ・ソーヴィニヨンも入っていましたがボルゲリのカベルネ・ソーヴィニヨンは熟成によって酸が失われてしまうという理由でカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインが造られることは一度も無く、カベルネ・ソーヴィニヨンは全てカベルネ・フランに接ぎ木したそうです。ワタクシ個人的にカベルネ・フラン100%の赤ワインは好きではないのですがこのパレオ・ロッソはその例外なのです。嫌な青っぽさが無くて「赤い果実」を強く感じながら鉄分も豊か。ファーストヴィンテージから数えて20周年ヴィンテージとなる2009年ヴィンテージは口内に広がっていく長い余韻が印象的。2006年ヴィンテージは非常に柔らかいタッチ。
 全5種類のワインの中で最も生産本数が少ないのがスクリオ(現在のシラーの栽培量では4000本の生産が限度)。スクリオ=純粋という意味で、その名の通りピュアでエレガントな印象のシラーです。ブラインドテイスティングでシラーだと当てられる自信は全くありません。チンツィアさんは「エウジェニオがシラーを好きだった。シラーもボルゲリに適した品種ではないのでバランスを取るのが難しい。世界中のシラーとレ・マッキオーレのシラーとは性格が異なる」と言っていました、まさにレ・マッキオーレならではのシラーのワインです。
 メッソリオ=五穀豊穣という意味で、最も骨格のしっかりした豊かなワインだと思います。2006年ヴィンテージなどまるで果実をガブッとかじったような豊かな果実味と甘味を感じました。

DSC_3313.jpg
↑ボーナスワインのメッソリオ2003年&2004年&2005年ヴィンテージ。この量を3人で分けてテイスティングしました。2口程のテイスティングだったのでヴィンテージごとの差をじっくりと感じ取ることは難しかったですが第一印象で2004年ヴィンテージが最も好みでした(後で知ったのですが2004年ヴィンテージはワイン・スペクテーター誌で100点満点を取ったワインだそうです)。

 レ・マッキオーレのワインに合わせて平山オーナーソムリエ&山本シェフが考えたスペシャルコース料理。

≪コース料理≫
1.魚介のスープ
2.トロサ産黒インゲン豆の煮込みと豚の血テリーヌ
3.フレッシュポルチーニのソテーをのせたキノコご飯
4.牛テールの赤ワイン煮込み
5.マロングラッセのガトー・バスク

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(左)メニューには単に魚介のスープとしか書かれていませんがそんな生易しい料理ではないことは見た目にも実際に食べてみてもすぐに解ります。特大のハマグリ、アワビのスライス、貝柱がトッピングされていてスープも濃厚な魚介の旨味に溢れています。この濃厚な魚介の旨味はソテーした甲殻類を潰して漉しているのだと思い平山オーナーソムリエに確認すると「伊勢海老を丸ごと潰して漉してます」とのこと。甲殻類は甲殻類でもまさか伊勢海老とは!(驚愕)
(中央)黒インゲン豆も豚の血テリーヌも黒茶色なので見た目的にちょっとお汁粉っぽいですね。カベルネ・フランの鉄分と抜群に合いますし、上にのったキャベツのピューレとバスク産唐辛子も存在感発揮しています。
(右)珍しいスペイン産フレッシュポルチーニをのせたキノコご飯がいつもよりもニンニクの風味をしっかり効かせているのは赤ワイン仕様という訳ですね。

DSC_3312.jpg DSC_3314.jpg
(左)メイン料理は山本シェフお得意の炭火焼きを予想していたので煮込み料理なのは意外でしたが、メッソリオが非常にしっかりとした骨格のワインだったので赤ワイン煮込みが最適であることを食べて認識しました。牛テールは一度煮込んでから網脂で包んでさらに加熱するという手の込み様。
(右)ETXOLA名物デザートのガトー・バスクも通常仕様の「イクスカちゃんのガトー・バスク」ではなく中身をマロン・グラッセにした濃厚バージョン。

  日本での一週間の滞在中に東京・名古屋・大阪で連日のメーカーズディナーやセミナーをこなしてこの夜が最後のイベントだったチンツィアさんは相当にお疲れな様子。本当にお疲れ様でした。

  チンツィアさんとエリアさんのサイン入りパレオ・ロッソ2006に、ジョヴァンナさん&西野組長&モトックス担当者ワイドルさん&ETXOLA山本シェフ&ETXOLAまなみんソムリエール(つい先日にソムリエ試験に合格!)&参加者代表で貴公子殿のサインも書いてもらって世界で1本だけの寄せ書きパレオ・ロッソの誕生です(爆)。楽しい時間を作り出してくれた方々、その時間を共有した方々との想い出の1本です(川頭さんと平山オーナーソムリエのサインもらい忘れてますけど汗)。


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