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サンドロ・ファイ来阪 ヴァルテッリーナの新たな可能性

  キアヴェンナスカというブドウ品種を御存知な方はかなりのイタリアワイン好きなお方でしょう。イタリア・ピエモンテ州を、いや、イタリア全土を代表する偉大なワインであるバローロとバルバレスコの原料となるネッビオーロ種はロンバルディア州ではキアヴェンナスカの名で栽培されています。今回そのキアヴェンナスカ種のワインを造る生産者を囲んでのワインメーカーズディナーが「TAVERNETTA da KITAYAMA(タヴェルネッタ・ダ・キタヤマ)」で開催されました。

 主賓は、ロンバルディア州ヴァルテッリーナにある「サンドロ・ファイ」次期当主マルコ・ファイ氏。弱冠15歳で特待生として醸造学校に進学し、35歳にしてキャリア20年近いという若き鬼才です。
  ヴァルテッリーナはロンバルディア州の最北部の険しい山間部に位置していて、渓谷部の斜度50~60度の斜面(急斜面と言うよりもほぼ崖に近い)を切り崩して開墾した南向きのブドウ畑は段々畑になっていて一日中日光を浴びることができる反面、機械を進入させることができないので全ての作業を人力で行わなければならないそうです。そのことについてマルコさんは「小さい頃から見てきた光景なので自分にとっては特別ではなく普通」と言います。
  ヴァルテッリーナでは白ワインは全く造られておらず、マルコさんは白ワインが飲みたくなったらアルト・アディジェ州やヴァッレ・ダオスタ州、ドイツ、フランスの白ワインを飲んでいるそうです(中でもリースリングとシャルドネがお好きとのこと)。

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↑マルコさんの通訳を務めるは、エージェントである「闘うワイン商」こと川頭さんのジョヴァンナ夫人。ご夫妻にお会いするのは昨年のヴィエ・ディ・ロマンスのメーカーズディナー以来です。

<ワインリスト>
1.フェルゲッティーナ「フランチャコルタ・ブリュットNV」
2.サンドロ・ファイ「ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ コスタ・バッサ2009」
3.サンドロ・ファイ「ラ・ファイア2009」
4.サンドロ・ファイ「ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ カルテリア2009」

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 (左)サンドロ・ファイのワインは当然ながら赤ワインだけなので乾杯用にインポーターのモトックス(東大阪市の誇り!)が取り扱っているフェルゲッティーナのフランチャコルタが用意されていました。サンドロ・ファイとフェルゲッティーナとが友好関係にあることも大きな理由のようです。
 (右)サンドロ・ファイが造る赤ワインは全部で4種類。最上級のスフォルツァートは正規輸入されていないので今回呑んだのも3種類です。

  キアヴェンナスカについてジョヴァンナさんは「ピエモンテ州のネッビオーロよりも優しく、パワフルなワインにはならない。ピノ・ノワールよりもタンニンがあってネッビオーロよりかはタンニンが少ない。これはピエモンテ州の土壌がアルカリ性土壌で粘土質なのに対しヴァルテッリーナの土壌は酸性土壌で砂質であることに由来する。同じタイプの土壌はイタリア全土でもフリウリの一部とシチリア島のエトナ火山付近にしか存在しない」と説明していました。
  標高450m以下の複数の畑で採れるキアヴェンナスカだけで造るのが「コスタ・バッサ」。この辺りは夏の間は湿度が高くて冬の間はメチャクチャ寒いエリアで、そこで成長するキアヴェンナスカのワインは酸度が穏やかで飲みやすいワインになります。典型的なスミレの香りがしますね。
  標高450~600mのエリアに単一畑(伊語コントラーダ、仏語クリュ)の「ラ・ファイア」と「カルテリア」があります。ラ・ファイアがキアヴェンナスカ100%ではなくメルローとシラーがブレンドされている理由についてマルコさん曰く「ラ・ファイアの中に法律で保護されていて伐採できない森があり、その付近の畑ではキアヴェンナスカが綺麗に熟さない。しかしメルローを植えるには適している。また、ヴァルテッリーナはフランスの北ローヌ地方コート・ロティと同じ緯度でありシラーの栽培にも適している」とのこと。このワイン、メルローの特徴がすごく出ています。もちろん良い方向での特徴ですよ。ちなみにコスタ・バッサのように大樽で熟成させないでフランス産バリックで熟成させる理由は、大樽に入れるのに十分な収穫量が無いためだそうで、樽由来のカカオやヴァニラの香りをつけたくないので新樽率は20%に抑えているとのこと。
  カルテリアはキアヴェンナスカ100%でフランス産バリックで12ヵ月熟成。これこそキアヴェンナスカの頂点に立つワインと言っても過言ではないかもしれません!素晴らしい、ネッビオーロとは異なる魅力が見事に表現されています。
  標高600m以上のエリアは皮が厚いブドウが育ち、皮が厚いと陰干ししてもカビが生えないので陰干し(スフォルツァート)に最適なのだそうですがスフォルツァートが正規輸入されていないというのが実に残念です。

 大阪でも屈指のイタリア郷土料理スペシャリストである北山シェフ渾身のロンバルディア郷土料理のフルコース。

<コース料理>
1.シャット&ゴルゴンゾーラのクレマとポレンタ・クロッカンテ&空豆のトルティーノ
2.グリーンアスパラガスのスフォルマートに仔牛胸腺肉のサルタート
3.カゾンチェッリ・セージバターソース
4.サフランのリゾット・カルチョフィのフリット添え
5.ピレネー産仔豚ロース肉のアッローストにモリーユ茸ピューレ添え
6.トルタ・ザッピオーザ

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 (左)ストゥッツィキー二は3種盛り。その中でも出色なのが左手前のシャット。ヴァルテッリーナ方言で「カエル」を意味するシャットを簡単に言うと蕎麦粉のチーズ入り揚げ団子なのですが、これこそヴァルテッリーナの風土の特徴を表した料理なのです。ヴァルテッリーナは寒くて土地が痩せていて小麦の栽培には適していないので蕎麦の栽培が盛んなのだそう。グラーノ・サラチェーノ(蕎麦粉)につなぎで小麦粉を少量混ぜて炭酸水とグラッパとオイルで練って、その中にヴァルテッリーナ・カゼーラというチーズを入れて揚げるのが本来ですが今回はヴァッレ・ダオスタ名産のフォンティーナで代用されています。空豆のトルティーヌに使っている空豆はイタリア原種を尼崎で栽培したものだとか!
 (右)アンティパストには贅沢にもサマートリュフが添えられています!ミラノ風アスパラガスで知られるようにロンバルディア州はアスパラガスの産地としても有名で、今回北山シェフはアスパラガスをスフォルマート(湯煎蒸し)にしてきはりました。サルタートというのはソテーのイタリア語版です。

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  (左)プリモ・ピアット一皿目はブレシア地方の名物料理のカゾンチェッリ。いわゆるラヴィオリなのですが見た目が中華のワンタンにそっくりですね。
 (右)そしてミラノの名物料理としてあまりに有名なサフランのリゾット。上にのっているカルチョフィはCAS冷凍という通常の冷凍よりも大幅に鮮度の低下を抑えられる最新技術で日本に輸送されてきたものだそうです。

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 (左)セコンドピアットはスペイン・ピレネー名産の乳飲み仔豚のアッロースト。美味しいので産地とか細かいことは気にしない気にしない。
 (右)そしてドルチェは「砂のような」という意味の言葉ザッピオーザを冠したトルタ。その名前の通り口の中で砂のように溶けていくのです。

  トルタ・ザッピオーザを食べていると食後酒が呑みたくなってきましたのでマルコさんの締めの挨拶が終わるのを待ってから魚見ソムリエお薦めのディジェスティーヴォを別注しました。

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↑トスカーナ州のグレヴェペーザ「カステルグレーヴェ ヴィン・サント・デル・キァンティ・クラシコ」(左)とピエモンテ州のエリオ・アルターレ「グラッパ・ディ・バローロ」(右)。

  本当のことを言うと北山シェフの料理が目当てでの参加でしたがサンドロ・ファイのワインを呑んで、特にカルテリアというキアヴェンナスカの傑作ワインを呑んでヴァルテッリーナの新たな可能性に感銘を受けました。最後は体育会的なノリと勢いで皆で集合写真まで撮って大団円。モトックスのTさんも司会進行お疲れ様でした!


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