郷土料理会⑥ BRAVURA周年前祝い トスカーナ尽くし
「イタリア郷土料理とワイン愛好会」でかねてより実現したかったトスカーナ尽くしの会をとうとう実現させる時が来ました。その会場に選んだのは本町の「LA VINERIA BRAVURA(ラ・ヴィネリア・ブラヴーラ)」です。大好きな同店でいつかイベントを開催したい、それもこーじシェフがトスカーナ州での修行経験あるのでトスカーナ尽くしの会にしたいなと以前から考えていたのです。また、同店が4/25で2周年ということで前祝い的な意味もありましていつもよりも人数の多い8人での開催となりました。
ワインはもちろん全てトスカーナ産です。乾杯するのに泡は欠かせません。しかしながら日本国内に流通しているトスカーナ産のスプマンテは種類も数も少ないので一度はスプマンテ無しでいきなり白ワインから始めようかと弱気になりかけましたがトスカーナ産スプマンテを見つけ出してきましたよ。
<ワインリスト>
1.サンジェルヴァジオ「ローザ サンジョヴェーゼ・ロザート・スプマンテNV」※
2.イル・パラジョーネ「イドラ ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」
3.フォントディ「メリッジオ」
4.ソラティオーネ「チフー」
5.ポッジョ・トンド「キァンティ・リゼルヴァ2008」
6.ヴァルデッレコルティ「キァンティ・クラシコ・リゼルヴァ2007」※
7.テヌータ・セッテ・ポンティ「ポッジョ・アル・ルポ2005」※
8.バローネ・リカーゾリ「カステッロ・ディ・ブローリオ ヴィン・サント・デル・キァンティ・クラシコ2005」
※印のワインが私の持ち込みワインで、その他がタク店長と事前に何度も打ち合わせをして決めたお店ワインです。最後の〆のヴィン・サントだけはセレクトをタク店長にお任せしていて、当日までどんなヴィン・サントが出るのか私も知りませんでした。

サンジェルヴァジオはトスカーナのワイン産地としては新興のピサ地域で創立時より自然派ワインの生産者として知られていて有名醸造家ルカ・ダットーマ氏のコンサルを受けているそうです。サンジョヴェーゼ100%で造るロゼ泡というのはかなりの珍品ですがすっきりドライな飲み口で造りは流石なモノでした。
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはイタリア白ワインの中で2番目に古くDOCGに認定されたワインで、生産者によってピンキリあるワインですが私の大好きなインポーターでありBRAVURAとも縁の深いインポーターである和歌山の株式会社仙石の取り扱っているイル・パラジョーネのものに決定しました。この白ワインは皆さんから随分と気に入っていただけました。
メリッジオはキァンティ・クラシコの名門フォントディがあえてフランス系品種ソーヴィニヨン・ブラン100%で造っている白ワインで以前にBRAVURAでグラスワインで呑んで気に入っていたワインなのです。トスカーナ産ソーヴィニヨン・ブランと思えない位にソーヴィニヨン・ブランらしさ全開です。
タク店長の発案でワインリスト入りしたチフーは、インポーターのエトリヴァンが東日本復興支援ワインとして2016年に東日本が復興していることを願ってボトル裏に再生を意味するイタリア語「リナシタ」「雨ニモマケズ」「2016」をエッチングしたワインです。チフーは「(かって)~だった」というような意味らしく、かってトスカーナ州で普通に造られていた赤ワインは黒ブドウのサンジョヴェーゼに白ブドウも混ぜて樽なんて使わずに醸造していた軽~い赤ワインで、そんな赤ワインを良質のブドウと現代醸造設備とで再現した赤ワインがチフーなのだそうです。白ワインから赤ワインへの橋渡し的な位置付けで呑むのに最適のスムースに呑める赤ワインでした。
キァンティ・クラシコと比べて軽く見られることの多いキァンティの中でも別格のキァンティ・リゼルヴァなのがこのポッジョ・トンドのキァンティ・リゼルヴァ。世界各国に顧客を持つ醸造コンサルタントのアルベルト・アントニーニ氏がトスカーナにある実家で造っているワインがポッジョ・トンドです。micoソムリエールの提言でボルドーグラスでサーヴされましたがこれがドンピシャのグラスセレクト!次のヴァルデッレコルティのキァンティ・クラシコ・リゼルヴァをこれまたmicoソムリエールの提言でブルゴーニュグラスでサーヴされたのですがポッジョ・トンドとヴァルデッレコルティのそれぞれのスタイルの違いが見事にくっきりと表現されました。ポッジョ・トンドは非常にパワーと重厚感のあるスタイルでヴァルデッレコルティはエレガントで綺麗なスタイル。どちらのワインも素晴らしくて甲乙つけられません。
テヌータ・セッテ・ポンティにはオレーノというメルロー&サンジョヴェーゼ&カベルネ・ソーヴィニヨンによるスーパーワインがあるのですが、このポッジョ・アル・ルポはカベルネ・ソーヴィニヨン&アリカンテ&プティ・ヴェルドというオレーノとはまた異なる組み合わせで、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率がかなり高いため赤ワインのラストに持ってきました。もちろんボルドーグラスでのサーヴです。トスカーナの地で生まれるカベルネ・ソーヴィニヨンがいかにクオリティーの高いものなのかがこの一本で十二分に感じられました。
料理は最初に予算を決めて後は全てこーじシェフにおまかせしていました。なので私も開会30分前に初めてコースの内容を知った次第です。BRAVURAシェフ着任以前から高岡ソムリエの企画「チルコロ」で毎月イタリア各州の郷土料理を再現し、昨年11月のアンドレア・オベルトのメーカーズディナーでもその腕前を十二分に披露しているこーじシェフも得意中の得意なトスカーナ料理とあっていつも以上に気合い入りまくりな御様子。

(左)前菜の一皿目は、ファーヴェとペコリーノ・トスカーノ・フレスコ&サラーメ・フィノッキオーナの2種盛り。トスカーナ州のあるイタリア中部以南では羊がさかんに飼われていて羊乳のチーズであるペコリーノが名産です。春の若草を食べた羊の良質の乳から作るペコリーノを1ヵ月前後の短期熟成で出荷したのがフレスコで、春の旬の素材であるファーヴェ(空豆)と一緒に食べるのがこの時期の定番組み合わせなんだとか。「これがペコリーノ!?」と驚くフレッシュ&マイルドさに、山羊乳や羊乳のチーズが苦手な方もこのフレスコなら食べられてホッと安堵しました。サラーメ・フィノッキオーナは野生フィノッキオ(=ウイキョウ)の実が入ったトスカーナ名産のサラミです。
(右)前菜の二皿目は、ポレンタのフリット&トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ&クロスティーニ・ディ・フェガティーニ&アスパラガスのフリッタータ&フンギのマリナータの盛り合わせ。トウモロコシ粉であるポレンタはトスカーナ州に限らずイタリア北部中部の各州の郷土料理でも見かけますがフリットにしたものは今回初めてです。トリッパ・アッラ・フィオレンティーナはお馴染みのトリッパ(牛の第2胃袋)と白インゲン豆のフィレンツェ風トマト煮込み。クロスティーニ・ディ・フェガティーニの鶏レバーペーストはあえて滑らかにし過ぎずに荒い食感も残すというのがこーじシェフのレシピ。

(左)パスタ・エ・ファジョーリ、直訳すると「パスタと豆」なショートパスタ入り豆スープです。もうこれ以上無い位に濃厚に豆マメしてます。トスカーナ州と豆とは切っても切れない関係にあることを端的に表している郷土料理です。
(右)パッパルデッレ・アル・ラグー・ディ・アナトラ。パッパルデッレはトスカーナ名物の手打ち幅広パスタで、チンギアーレ(=イノシシ肉)やアナトラ(=鴨肉)の煮込みソースを絡めて食べます。こーじシェフ手打ちのパッパルデッレはとにかくそのフワッとした柔らかな食感と鴨肉ラグーソースの肉肉しさが堪りません!

↑レアに焼き上げたタリアータ・ディ・マンツォ。塊で焼いたマンツォ(=牛肉)を食べやすい厚さにスライスしてルッコラや薄切りパルミジャーノを添えたトスカーナの定番肉料理です。重厚なポッジョ・アル・ルポを受け止めるに相応しいパワーのある肉料理に大満足!

(左)フォルマッジョはペコリーノ・トスカーノ・グラン・リゼルヴァに栗の蜂蜜かけ。前菜一皿目のペコリーノ・トスカーノ・フレスコがフレッシュなものだったのに対し、このグラン・リゼルヴァは最低180日間熟成された最高級品です。
(右)〆のヴィン・サントは食後酒コレクターであるタク店長も久しぶりに開けるという極上のヴィン・サントです。キァンティの生みの親と言われるリカーゾリ男爵家が造るトップ・キュヴェのカステッロ・ディ・ブローリオの名を冠したこのヴィン・サントの美味しさにはもはや感動さえ覚えました。
自分の主催する会で8人というのは過去最多人数でして上手く進行できるのか不安で最初はかなり緊張していました。ワインが進むに連れて酔っ払って緊張は解けましたが進行もすっかりお店任せで自分もいち参加者として楽しんでました(あかんやん!)。こんな拙い主催者の会にご参加いただいた7人の方々に感謝申し上げます。そしてBRAVURAさん、3年目もヨロシクお願い致します!
ワインはもちろん全てトスカーナ産です。乾杯するのに泡は欠かせません。しかしながら日本国内に流通しているトスカーナ産のスプマンテは種類も数も少ないので一度はスプマンテ無しでいきなり白ワインから始めようかと弱気になりかけましたがトスカーナ産スプマンテを見つけ出してきましたよ。
<ワインリスト>
1.サンジェルヴァジオ「ローザ サンジョヴェーゼ・ロザート・スプマンテNV」※
2.イル・パラジョーネ「イドラ ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」
3.フォントディ「メリッジオ」
4.ソラティオーネ「チフー」
5.ポッジョ・トンド「キァンティ・リゼルヴァ2008」
6.ヴァルデッレコルティ「キァンティ・クラシコ・リゼルヴァ2007」※
7.テヌータ・セッテ・ポンティ「ポッジョ・アル・ルポ2005」※
8.バローネ・リカーゾリ「カステッロ・ディ・ブローリオ ヴィン・サント・デル・キァンティ・クラシコ2005」
※印のワインが私の持ち込みワインで、その他がタク店長と事前に何度も打ち合わせをして決めたお店ワインです。最後の〆のヴィン・サントだけはセレクトをタク店長にお任せしていて、当日までどんなヴィン・サントが出るのか私も知りませんでした。


サンジェルヴァジオはトスカーナのワイン産地としては新興のピサ地域で創立時より自然派ワインの生産者として知られていて有名醸造家ルカ・ダットーマ氏のコンサルを受けているそうです。サンジョヴェーゼ100%で造るロゼ泡というのはかなりの珍品ですがすっきりドライな飲み口で造りは流石なモノでした。
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはイタリア白ワインの中で2番目に古くDOCGに認定されたワインで、生産者によってピンキリあるワインですが私の大好きなインポーターでありBRAVURAとも縁の深いインポーターである和歌山の株式会社仙石の取り扱っているイル・パラジョーネのものに決定しました。この白ワインは皆さんから随分と気に入っていただけました。
メリッジオはキァンティ・クラシコの名門フォントディがあえてフランス系品種ソーヴィニヨン・ブラン100%で造っている白ワインで以前にBRAVURAでグラスワインで呑んで気に入っていたワインなのです。トスカーナ産ソーヴィニヨン・ブランと思えない位にソーヴィニヨン・ブランらしさ全開です。
タク店長の発案でワインリスト入りしたチフーは、インポーターのエトリヴァンが東日本復興支援ワインとして2016年に東日本が復興していることを願ってボトル裏に再生を意味するイタリア語「リナシタ」「雨ニモマケズ」「2016」をエッチングしたワインです。チフーは「(かって)~だった」というような意味らしく、かってトスカーナ州で普通に造られていた赤ワインは黒ブドウのサンジョヴェーゼに白ブドウも混ぜて樽なんて使わずに醸造していた軽~い赤ワインで、そんな赤ワインを良質のブドウと現代醸造設備とで再現した赤ワインがチフーなのだそうです。白ワインから赤ワインへの橋渡し的な位置付けで呑むのに最適のスムースに呑める赤ワインでした。
キァンティ・クラシコと比べて軽く見られることの多いキァンティの中でも別格のキァンティ・リゼルヴァなのがこのポッジョ・トンドのキァンティ・リゼルヴァ。世界各国に顧客を持つ醸造コンサルタントのアルベルト・アントニーニ氏がトスカーナにある実家で造っているワインがポッジョ・トンドです。micoソムリエールの提言でボルドーグラスでサーヴされましたがこれがドンピシャのグラスセレクト!次のヴァルデッレコルティのキァンティ・クラシコ・リゼルヴァをこれまたmicoソムリエールの提言でブルゴーニュグラスでサーヴされたのですがポッジョ・トンドとヴァルデッレコルティのそれぞれのスタイルの違いが見事にくっきりと表現されました。ポッジョ・トンドは非常にパワーと重厚感のあるスタイルでヴァルデッレコルティはエレガントで綺麗なスタイル。どちらのワインも素晴らしくて甲乙つけられません。
テヌータ・セッテ・ポンティにはオレーノというメルロー&サンジョヴェーゼ&カベルネ・ソーヴィニヨンによるスーパーワインがあるのですが、このポッジョ・アル・ルポはカベルネ・ソーヴィニヨン&アリカンテ&プティ・ヴェルドというオレーノとはまた異なる組み合わせで、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率がかなり高いため赤ワインのラストに持ってきました。もちろんボルドーグラスでのサーヴです。トスカーナの地で生まれるカベルネ・ソーヴィニヨンがいかにクオリティーの高いものなのかがこの一本で十二分に感じられました。
料理は最初に予算を決めて後は全てこーじシェフにおまかせしていました。なので私も開会30分前に初めてコースの内容を知った次第です。BRAVURAシェフ着任以前から高岡ソムリエの企画「チルコロ」で毎月イタリア各州の郷土料理を再現し、昨年11月のアンドレア・オベルトのメーカーズディナーでもその腕前を十二分に披露しているこーじシェフも得意中の得意なトスカーナ料理とあっていつも以上に気合い入りまくりな御様子。


(左)前菜の一皿目は、ファーヴェとペコリーノ・トスカーノ・フレスコ&サラーメ・フィノッキオーナの2種盛り。トスカーナ州のあるイタリア中部以南では羊がさかんに飼われていて羊乳のチーズであるペコリーノが名産です。春の若草を食べた羊の良質の乳から作るペコリーノを1ヵ月前後の短期熟成で出荷したのがフレスコで、春の旬の素材であるファーヴェ(空豆)と一緒に食べるのがこの時期の定番組み合わせなんだとか。「これがペコリーノ!?」と驚くフレッシュ&マイルドさに、山羊乳や羊乳のチーズが苦手な方もこのフレスコなら食べられてホッと安堵しました。サラーメ・フィノッキオーナは野生フィノッキオ(=ウイキョウ)の実が入ったトスカーナ名産のサラミです。
(右)前菜の二皿目は、ポレンタのフリット&トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ&クロスティーニ・ディ・フェガティーニ&アスパラガスのフリッタータ&フンギのマリナータの盛り合わせ。トウモロコシ粉であるポレンタはトスカーナ州に限らずイタリア北部中部の各州の郷土料理でも見かけますがフリットにしたものは今回初めてです。トリッパ・アッラ・フィオレンティーナはお馴染みのトリッパ(牛の第2胃袋)と白インゲン豆のフィレンツェ風トマト煮込み。クロスティーニ・ディ・フェガティーニの鶏レバーペーストはあえて滑らかにし過ぎずに荒い食感も残すというのがこーじシェフのレシピ。


(左)パスタ・エ・ファジョーリ、直訳すると「パスタと豆」なショートパスタ入り豆スープです。もうこれ以上無い位に濃厚に豆マメしてます。トスカーナ州と豆とは切っても切れない関係にあることを端的に表している郷土料理です。
(右)パッパルデッレ・アル・ラグー・ディ・アナトラ。パッパルデッレはトスカーナ名物の手打ち幅広パスタで、チンギアーレ(=イノシシ肉)やアナトラ(=鴨肉)の煮込みソースを絡めて食べます。こーじシェフ手打ちのパッパルデッレはとにかくそのフワッとした柔らかな食感と鴨肉ラグーソースの肉肉しさが堪りません!

↑レアに焼き上げたタリアータ・ディ・マンツォ。塊で焼いたマンツォ(=牛肉)を食べやすい厚さにスライスしてルッコラや薄切りパルミジャーノを添えたトスカーナの定番肉料理です。重厚なポッジョ・アル・ルポを受け止めるに相応しいパワーのある肉料理に大満足!


(左)フォルマッジョはペコリーノ・トスカーノ・グラン・リゼルヴァに栗の蜂蜜かけ。前菜一皿目のペコリーノ・トスカーノ・フレスコがフレッシュなものだったのに対し、このグラン・リゼルヴァは最低180日間熟成された最高級品です。
(右)〆のヴィン・サントは食後酒コレクターであるタク店長も久しぶりに開けるという極上のヴィン・サントです。キァンティの生みの親と言われるリカーゾリ男爵家が造るトップ・キュヴェのカステッロ・ディ・ブローリオの名を冠したこのヴィン・サントの美味しさにはもはや感動さえ覚えました。
自分の主催する会で8人というのは過去最多人数でして上手く進行できるのか不安で最初はかなり緊張していました。ワインが進むに連れて酔っ払って緊張は解けましたが進行もすっかりお店任せで自分もいち参加者として楽しんでました(あかんやん!)。こんな拙い主催者の会にご参加いただいた7人の方々に感謝申し上げます。そしてBRAVURAさん、3年目もヨロシクお願い致します!
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