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日出鮓とブルゴーニュワインの神髄

  日曜の昼間に自宅から約2時間かけてやって来たは京都市左京区の松ヶ崎。この地に来ることは2ヵ月以上も前から決まっていたのです。6月にとあるワイン会に参加したら「あら、あなたはあの時の」と声を掛けられ、ふと顔を見たら3月に北新地でのワイン会でお会いした女性でした。そして「あなた、ブルゴーニュワインは飲まないの?」と聞かれ、「好きですよ」と答えたら「9月に京都のお寿司屋さんでワイン会するんだけど一人足りないの。あなた来ない?」となり、あれよあれよと京都のお寿司屋さんでのワイン会に参加することに。
  参加を即決した最大の理由は会場が「日出鮓(ひでずし)」であったからです。関西で寿司とワインと言えば真っ先に店名が挙がるお店ですからね。
  「日出鮓」若主人の大谷さんはソムリエ資格を保有し、入り口横の部屋はワインセラーになっています。ワインリストを見せていただいたら、レア物のブルゴーニュワインがズラリと。しかも価格が良心的どころか良心的過ぎる位の価格なのです。チラホラとカリフォルニアやNZのピノ・ノワールも交じっているので若主人に質問してみたら、以前に仕入れた分のラスト数本をリストアップしているだけであって売切れたら新たに仕入れずにリストから消すおつもりのようです。
  主催者は東心斎橋のワインバー「Amphora(アンフォラ)」のオーナーソムリエ竹中氏。竹中ソムリエも上述の女性もその他の参加者もブルゴーニュワイン大好き!という方々ばかりで、会話の内容がもう異次元ですよ。アンリ・ジャイエやコント・ラフォン、コシュ・デュリ、ルロワ、ジョルジュ・ルーミエとかの名前がポンポン飛び出てくる。とんでもない場に来てしまったと思いました。

<ワインリスト>
1.ラルマンディエ・ベルニエ「プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン」
2.フランソワ・ジョバール「ムルソー1992」
3.エティエンヌ・ソゼ「ピュリニー・モンラッシェ1990」
4.シモン・ビーズ「サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ レ・ヴェルジュレス1990」
5.プスドール「ヴォルネイ プルミエ・クリュ クロ・ドーディニャック1985」

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  ワインセレクトは大谷さんにお任せでワインセラーから秘蔵ワインを出していただいています。5種類のワインを各2本ずつで計10本、参加者が11名なので一人あたり1本近い量を飲める訳です。
  ブルゴーニュワインは熟成によってその真価を発揮する、それも10年位の熟成ではまだまだ早いということを認識させられました。こんな熟成ワインを飲んでしまったら2000年代のブルゴーニュワインは飲めなくなってしまいます。特にシモン・ビーズのワインに陶酔しました。陶酔、まさにこの表現しかあり得ない。
  しかし、さらに驚くことはこのクラスのワインでさえ日出鮓ではフツーのラインであって、もっと途方もないワインがセラーに秘蔵されているようです。

日出鮓の炊き合わせ日出鮓の八寸日出鮓の洋風茶碗蒸し日出鮓の甘鯛の揚げ物日出鮓のカレイ昆布〆握り日出鮓のシマアジのスモーク握り日出鮓の甘エビ昆布〆握り日出鮓のヅケマグロ握り日出鮓の中トロ握り日出鮓のコハダ握り日出鮓のアナゴ握り日出鮓のカンピョウ巻き日出鮓の玉

  大谷さんは、尋ねられたことにはきちんと答えて下さいますがご自分からワインや料理について語ることはされません。それが故に東京からやって来た有名グルメブロガーが「放置された」とか怒ってブログで貶しているという話を聞きましたが、その人はただの勘違いさんでしょう。料理を食べれば、ワインサーヴを見れば大谷さんが職人としての目の前の仕事にひたむきに取り組んでおられることがすぐに判るはず。料理人としてもソムリエとしても一流の職人さんとお見受けしました。
  常連さんが「普段は手間が掛かるのでなかなか作らない料理よ」と教えて下さったのが、チーズ入りの茶碗蒸し。普通の茶碗蒸しよりも硬くて焼きプリンに似た食感です。この茶碗蒸しは白ワインに合わせるために生み出されたもので、チーズ入りなので単独で食べると塩分が少しキツイのですけど熟成シャルドネと一緒に食べると最高のマリアージュが生まれます。また、甘鯛の揚げ物に添えられた里芋の天ぷらも、揚げる前にコンフィしてあるという手間暇の掛かったもので、その得も言われぬ滑らかな食感に里芋で生まれて初めて感動しました。この里芋の天ぷらもなかなか作らないスペシャル料理だそうです。
  さて、肝心の寿司ですがシャリは二種類あります。赤酢のシャリと米酢のシャリ。赤酢のシャリは酸味があって炊き加減もかなり硬い目ですがこの酸味と炊き加減が赤ワインに合っています。ワインに合う寿司とはこういう寿司を言うのですね。

  最初に会費を聞いた時は内心「高ッ!」と思いましたが、これだけのワインと料理とでその会費なら安いですよ。お誘い下さった常連さんが「この店はワイン好きの聖地、変な人達に荒らされたくない」と仰るのもむべなるかな。まさに「日出鮓」とブルゴーニュワインの神髄を見ました。



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