(食)ましかでAのワイン会
昨年11/30までワインバー「Kiff POURRITURE NOBLE(キフ プリテュール・ノーブル)」を営業し、現在は「(食)ましか」の酒販部門である「(酒)ましか」を担当しているRICOさん。そのRICOさんが大好きで昨年にドメーヌにも訪問したのがフランスのロワール地方のプイィ・フュメの生産者アレクサンドル・バン。全てのワインのエチケットに大きくAの文字が書かれていることから「Aのワイン」と私達の間で呼んでいるアレクサンドル・バンのワインを飲む会をRICOさんと一緒に(食)ましかにて開催しました。
とはいえ実は(食)ましかにちゃんと行ったことが無かったので事前にどんな感じなのか知っておくために先ずは下見を。現三代目となる今尾オーナーシニアソムリエ(元「passion et nature心斎橋店」初代店長)の祖父が始めた印鑑屋を始祖とし、二代目の母親が持ち帰りサンドウィッチ店を始めた後に初代の祖母がタバコの販売を始め、2011年に今尾オーナーがイタリアン居酒屋を始めたことで三世代同居営業となる異色のお店では低価格かつスピーディーに高品質なサーヴィスを提供することができるよう他店には無い独自のシステムを導入しています。
・料理もドリンクも全て店内入ってすぐの注文カウンターにてオーダー(追加オーダーの度に席から注文カウンターまで移動)。
・グラスワインは自動サーバーにてセルフサーヴィス。
・酒販免許を有しているのでボトルワインは小売り価格+1000円という破格値。
・ワイン以外のドリンクも全て冷蔵庫からセルフサーヴィス。
・料理は全てアラカルトで調理できた料理から順次サーヴ(提供スピードかなり速い)。
・店外で喫煙する客にはタバコの販売もする。
ポテトサラダから唐揚げやサバきずし、パスタ、チャーハン、炭火焼きまで幅広いメニューを取り仕切る料理長の横山シェフは任侠風のイカツイ風貌に反して「PONTE VECCHIO」出身でかって淀屋橋にあった「OTTIMISTA(オッティミスタ)」の料理長も務めた人物。「TAVERNETTA da KITAYAMA」北山オーナーシェフや元「BUN da BUN!!」出水シェフの後輩に当たります。その実力が如何無く発揮されている料理がこちら↓

↑サマートリュフとアサリのバタークリームソースのタヤリン。ピエモンテ郷土パスタであるタヤリンは打つ人によって驚く程スタイルが異なり、横山シェフのタヤリンもまた独特なタヤリンです。ブランド卵「龍のたまご」の卵黄をたっぷりと入れてあるので非常に濃い黄色をしていて極細ながらも凄くコシがあります。バタークリームソースが濃厚ヘヴィーなので並の極細パスタだとソースの重みに負けてブチっと切れてしまいかねないのですがこのコシのあるタヤリンはソースの重みに負けるどころか余裕で持ち上げています。それにしてもカツオ節のように大量に振り掛けられたサマートリュフの量もスゴイこと。。。
さて、お店のシステムや雰囲気も分かったところでいよいよワイン会当日です。今回はRICOさんにもいち参加者として参加してもらいつつ(食)ましかの一員としてもワインとそれに合う料理を薦めてもらい一緒に飲んで食べる形でスタート。

(左)先ずはスピードメニューからエスカベッシュとサバきずしと軽く燻製したもち豚パテ。サバきずしにはリンゴと玉ねぎで作ったソースがかかっていてこのソースがワインとサバきずしとを繋ぐ仲人みたいな役割を果たしてくれています。もち豚パテに添えられているのも粒マスタードではなく山一醤油の「あけがらし」というところが他に無いユニークさ。
(右)鶏肝のしっとり煮。今まで食べたことの無い鶏肝のしっとりレアな火入れ。

(左)淡路島サーモンのレアソテーにフレンチキャビアとアスパラ・ソヴァージュ添え。淡路島サーモンとはその名の通り淡路島で養殖されているサクラマスのブランドでフレンチキャビアはフランスのピレネー山脈の麓で養殖されたニジマスの卵のことです。
(右)ちくわの磯部揚げ。RICOさんお薦めの「ワインに合う磯部揚げ」は練り物屋と磯部揚げとは一線を画しています。

(左)空豆のフリットにペコリーノ。イタリアではこの時季は空豆とペコリーノとはド定番の組み合わせ。思った以上にフリットの衣がゴツくて食べ応えがありワインを欲します。
(右)手長ダコとフレッシュトマトのプッタネスカ風スパゲッティーニ。イカスミでも入っているかのような黒っぽいソースは黒オリーヴのコクが効いています。

(左)豚頬肉コンフィとラザーニャ。表面カリっと香ばしく中身ジューシーな豚頬肉が食欲を刺激します。
(右)なにわ黒牛の炭火焼き。
さて、ワインですがAのワインことアレクサンドル・バンの白ワインを主軸にしてその前後のワインをどうするかをRICOさんと相談。その結果決まった4本のうちオーストラリアのBKワインズ「ピノ・ノワール・ロゼ」の写真をまさかの取り忘れ。ジューシーで食中酒にもピッタリで淡路島サーモンとのマリアージュはドンピシャでした。



(左)日本の山梨県のドメーヌ・オヤマダ「祝スパークリング」。(酒)ましかでは大阪のワインショップでは入手できないレアな日本ワインも豊富に揃っているので最初に日本ワインを開けたいと思っていたらRICOさんがバッチシなのを薦めてくれました。デラウェアを主体に甲州をブレンドしたこの泡には皆さん喜んでいただけました。
(中央)フランスのロワール地方プイィ・フュメのアレクサンドル・バン「プイィ・フュメ・スプリング2012」。アレクサンドル・バンは現在は土壌違いのソーヴィニヨン・ブランしか造っておらずそしてそのソーヴィニヨン・ブランは他の生産者のソーヴィニヨン・ブランと大きく異なります(なお、以前は赤ワインも造っていて(酒)ましかに1本だけマグナムボトルの赤ワインが残っているそうです)。このスプリングは2013年ヴィンテージからラ・レヴェというワイン名に変わっていてアレクサンドル・バンのソーヴィニヨン・ブランの中では最もフレッシュなタイプ。とはいえ、ブラインドで飲んだらこれがプイィ・フュメだとは分からずアルザスのワインと答えてしまうでしょう。それ程までに蜜感があって、でもフレッシュな透明感との両立がなされている稀有なる白ワイン。
(右)イタリアのサルデーニャ州のパーネ・ヴィーノ「ペッジョ・ウーノ2012」。アレクサンドル・バンの後だと並の赤ワインでは力不足となるところで抜群の赤ワインを薦めてくれたRICOさんGood job!モニカとカリニャーノとカンノナウのブレンドなのですがとにかく一口呑んだ瞬間にそれまでの酔いが吹っ飛ぶ程の鮮烈さ。とても万人受けするワインではありませんが私は好きです。

(左)大のタバコ嫌いの私がタバコの陳列棚の前でワインを呑んでいるという不思議さ・・・爆笑。
(右)決して5人で十分な広さのテーブルではないのですがその分距離感が近くて一体感と親近感に溢れるひと時となりました。
17時オープンと同時にお客がやって来る人気店なだけにオペレーションに不備があると大混乱となってしまいかねないところそうならないように注文カウンターに張り付いて店内全体に目配りしているのが蔡店長。その気配りと視野の広さは強豪サッカークラブチームを中盤の底から支えるボランチのようです。横山シェフというストライカーが思う存分躍動できるのもこの名ボランチの存在あってのことのはず。料理とワインの美味しさだけでなく蔡店長の働き振りにも感銘を受けたましか会は大成功にて幕を閉じました。
とはいえ実は(食)ましかにちゃんと行ったことが無かったので事前にどんな感じなのか知っておくために先ずは下見を。現三代目となる今尾オーナーシニアソムリエ(元「passion et nature心斎橋店」初代店長)の祖父が始めた印鑑屋を始祖とし、二代目の母親が持ち帰りサンドウィッチ店を始めた後に初代の祖母がタバコの販売を始め、2011年に今尾オーナーがイタリアン居酒屋を始めたことで三世代同居営業となる異色のお店では低価格かつスピーディーに高品質なサーヴィスを提供することができるよう他店には無い独自のシステムを導入しています。
・料理もドリンクも全て店内入ってすぐの注文カウンターにてオーダー(追加オーダーの度に席から注文カウンターまで移動)。
・グラスワインは自動サーバーにてセルフサーヴィス。
・酒販免許を有しているのでボトルワインは小売り価格+1000円という破格値。
・ワイン以外のドリンクも全て冷蔵庫からセルフサーヴィス。
・料理は全てアラカルトで調理できた料理から順次サーヴ(提供スピードかなり速い)。
・店外で喫煙する客にはタバコの販売もする。
ポテトサラダから唐揚げやサバきずし、パスタ、チャーハン、炭火焼きまで幅広いメニューを取り仕切る料理長の横山シェフは任侠風のイカツイ風貌に反して「PONTE VECCHIO」出身でかって淀屋橋にあった「OTTIMISTA(オッティミスタ)」の料理長も務めた人物。「TAVERNETTA da KITAYAMA」北山オーナーシェフや元「BUN da BUN!!」出水シェフの後輩に当たります。その実力が如何無く発揮されている料理がこちら↓

↑サマートリュフとアサリのバタークリームソースのタヤリン。ピエモンテ郷土パスタであるタヤリンは打つ人によって驚く程スタイルが異なり、横山シェフのタヤリンもまた独特なタヤリンです。ブランド卵「龍のたまご」の卵黄をたっぷりと入れてあるので非常に濃い黄色をしていて極細ながらも凄くコシがあります。バタークリームソースが濃厚ヘヴィーなので並の極細パスタだとソースの重みに負けてブチっと切れてしまいかねないのですがこのコシのあるタヤリンはソースの重みに負けるどころか余裕で持ち上げています。それにしてもカツオ節のように大量に振り掛けられたサマートリュフの量もスゴイこと。。。
さて、お店のシステムや雰囲気も分かったところでいよいよワイン会当日です。今回はRICOさんにもいち参加者として参加してもらいつつ(食)ましかの一員としてもワインとそれに合う料理を薦めてもらい一緒に飲んで食べる形でスタート。


(左)先ずはスピードメニューからエスカベッシュとサバきずしと軽く燻製したもち豚パテ。サバきずしにはリンゴと玉ねぎで作ったソースがかかっていてこのソースがワインとサバきずしとを繋ぐ仲人みたいな役割を果たしてくれています。もち豚パテに添えられているのも粒マスタードではなく山一醤油の「あけがらし」というところが他に無いユニークさ。
(右)鶏肝のしっとり煮。今まで食べたことの無い鶏肝のしっとりレアな火入れ。


(左)淡路島サーモンのレアソテーにフレンチキャビアとアスパラ・ソヴァージュ添え。淡路島サーモンとはその名の通り淡路島で養殖されているサクラマスのブランドでフレンチキャビアはフランスのピレネー山脈の麓で養殖されたニジマスの卵のことです。
(右)ちくわの磯部揚げ。RICOさんお薦めの「ワインに合う磯部揚げ」は練り物屋と磯部揚げとは一線を画しています。


(左)空豆のフリットにペコリーノ。イタリアではこの時季は空豆とペコリーノとはド定番の組み合わせ。思った以上にフリットの衣がゴツくて食べ応えがありワインを欲します。
(右)手長ダコとフレッシュトマトのプッタネスカ風スパゲッティーニ。イカスミでも入っているかのような黒っぽいソースは黒オリーヴのコクが効いています。


(左)豚頬肉コンフィとラザーニャ。表面カリっと香ばしく中身ジューシーな豚頬肉が食欲を刺激します。
(右)なにわ黒牛の炭火焼き。
さて、ワインですがAのワインことアレクサンドル・バンの白ワインを主軸にしてその前後のワインをどうするかをRICOさんと相談。その結果決まった4本のうちオーストラリアのBKワインズ「ピノ・ノワール・ロゼ」の写真をまさかの取り忘れ。ジューシーで食中酒にもピッタリで淡路島サーモンとのマリアージュはドンピシャでした。



(左)日本の山梨県のドメーヌ・オヤマダ「祝スパークリング」。(酒)ましかでは大阪のワインショップでは入手できないレアな日本ワインも豊富に揃っているので最初に日本ワインを開けたいと思っていたらRICOさんがバッチシなのを薦めてくれました。デラウェアを主体に甲州をブレンドしたこの泡には皆さん喜んでいただけました。
(中央)フランスのロワール地方プイィ・フュメのアレクサンドル・バン「プイィ・フュメ・スプリング2012」。アレクサンドル・バンは現在は土壌違いのソーヴィニヨン・ブランしか造っておらずそしてそのソーヴィニヨン・ブランは他の生産者のソーヴィニヨン・ブランと大きく異なります(なお、以前は赤ワインも造っていて(酒)ましかに1本だけマグナムボトルの赤ワインが残っているそうです)。このスプリングは2013年ヴィンテージからラ・レヴェというワイン名に変わっていてアレクサンドル・バンのソーヴィニヨン・ブランの中では最もフレッシュなタイプ。とはいえ、ブラインドで飲んだらこれがプイィ・フュメだとは分からずアルザスのワインと答えてしまうでしょう。それ程までに蜜感があって、でもフレッシュな透明感との両立がなされている稀有なる白ワイン。
(右)イタリアのサルデーニャ州のパーネ・ヴィーノ「ペッジョ・ウーノ2012」。アレクサンドル・バンの後だと並の赤ワインでは力不足となるところで抜群の赤ワインを薦めてくれたRICOさんGood job!モニカとカリニャーノとカンノナウのブレンドなのですがとにかく一口呑んだ瞬間にそれまでの酔いが吹っ飛ぶ程の鮮烈さ。とても万人受けするワインではありませんが私は好きです。


(左)大のタバコ嫌いの私がタバコの陳列棚の前でワインを呑んでいるという不思議さ・・・爆笑。
(右)決して5人で十分な広さのテーブルではないのですがその分距離感が近くて一体感と親近感に溢れるひと時となりました。
17時オープンと同時にお客がやって来る人気店なだけにオペレーションに不備があると大混乱となってしまいかねないところそうならないように注文カウンターに張り付いて店内全体に目配りしているのが蔡店長。その気配りと視野の広さは強豪サッカークラブチームを中盤の底から支えるボランチのようです。横山シェフというストライカーが思う存分躍動できるのもこの名ボランチの存在あってのことのはず。料理とワインの美味しさだけでなく蔡店長の働き振りにも感銘を受けたましか会は大成功にて幕を閉じました。
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AMA-LURランチ会
4日前に「AMA-LUR会」を開催したばかりですが今度はとあるV.I.Pをお迎えしてのランチ会です。ランチコースも一番上の中村シェフおまかせコースで予約していました。

(左)アペリティーヴォ盛り合わせはハモン&チョリソー&ピコス・デ・パン&アルカパロン&ペピニージョ&ジビーフのパテ&ウサギのパテ。
(右)魚介と春野菜の前菜。タプナードで和えた春野菜を2切れのマリネしたイワシで巻き、その上に炙ったホタテ貝柱をのせてあります。見た目に美しく春の訪れも感じられる一皿。

(左)ソパ・デ・ペスカード・ドノスティア。分かり易く言うとドノスティア風のブイヤベースみたいな魚介スープでこれだけ魚介の旨味を出すためには大量の魚介を煮詰めて濾してあることは明らかです。
(右)チピロネス・エン・ス・ティンタ。香味野菜を詰めたチピロネス(=小イカ)をコクのあるイカスミのサルサで煮込み、バターライスを添えてあります。

(左)アリカンテのベルナベ・ナヴァーロ「ラ・ヴィーニャ・デ・シモン」。今回はワインセレクトも一任されていましたので最初の泡と炭火焼き料理に合わせる赤ワインはグラスにしてナチュールの白ワインをボトルで開ける計画を立てていました。となればV.I.Pも中村シェフも私も共通して好きなマセラシオン(=マセレーション、果皮浸漬、醸し)をした白ワインでしょう。最近ではこのタイプの白ワインをオレンジワインと呼ぶ風潮がありますが私はこのオレンジワインという言い方があまり好きではなくてあくまでマセラシオンした白ワインだと認識しています。スペインのナチュールの生産者で一番好きなべルナべ・ナヴァーロが造るこのワインは樹齢70年のメルセゲラという聞いたことも無い土着品種100%でフレンチオークでの樽発酵も行っています。最初は冷えているのでやや閉じた印象ですがクーラーで冷やさず温度を徐々に上げていくとハーブやスパイス、熟したフルーツ、紅茶のニュアンスが複雑に入り混じった得も言われぬ魅力が出てきます。
(右)愛農ナチュラルポーク肩ロース肉の炭火焼きにブルーチーズのサルサを添えて。昨年9月の会で参加者一同驚嘆した愛農ナチュラルポークとの再会です。脂身が結構あるのですが脂が甘くてサラッと全くしつこくなくてペロリと食べられてしまいます。やはり素晴らしい豚肉ですね。

(左)ゴシュアスとピスタチオのエラード。ゴシュアスは4日前にも食べたのでその美味しさも記憶に鮮明ですがピスタチオのエラード(=アイスクリーム)の滑らかさも特筆モノです。
(右)〆は中村シェフからのサーヴィスでパチャラン。
今回も中村シェフには随分と張り切っていただいたようで(汗)。でも美味しいバスク郷土料理とスペインのナチュールを味わいながらV.I.Pと色々な話ができて非常に有意義なひと時を過ごすことができました。
ちなみにAMA-LURは4/11でオープン4周年を迎えられ、その前日の4/10には周年イベントとして一日限りのバル営業をします。中村シェフのバル料理も見逃せませんね!


(左)アペリティーヴォ盛り合わせはハモン&チョリソー&ピコス・デ・パン&アルカパロン&ペピニージョ&ジビーフのパテ&ウサギのパテ。
(右)魚介と春野菜の前菜。タプナードで和えた春野菜を2切れのマリネしたイワシで巻き、その上に炙ったホタテ貝柱をのせてあります。見た目に美しく春の訪れも感じられる一皿。


(左)ソパ・デ・ペスカード・ドノスティア。分かり易く言うとドノスティア風のブイヤベースみたいな魚介スープでこれだけ魚介の旨味を出すためには大量の魚介を煮詰めて濾してあることは明らかです。
(右)チピロネス・エン・ス・ティンタ。香味野菜を詰めたチピロネス(=小イカ)をコクのあるイカスミのサルサで煮込み、バターライスを添えてあります。


(左)アリカンテのベルナベ・ナヴァーロ「ラ・ヴィーニャ・デ・シモン」。今回はワインセレクトも一任されていましたので最初の泡と炭火焼き料理に合わせる赤ワインはグラスにしてナチュールの白ワインをボトルで開ける計画を立てていました。となればV.I.Pも中村シェフも私も共通して好きなマセラシオン(=マセレーション、果皮浸漬、醸し)をした白ワインでしょう。最近ではこのタイプの白ワインをオレンジワインと呼ぶ風潮がありますが私はこのオレンジワインという言い方があまり好きではなくてあくまでマセラシオンした白ワインだと認識しています。スペインのナチュールの生産者で一番好きなべルナべ・ナヴァーロが造るこのワインは樹齢70年のメルセゲラという聞いたことも無い土着品種100%でフレンチオークでの樽発酵も行っています。最初は冷えているのでやや閉じた印象ですがクーラーで冷やさず温度を徐々に上げていくとハーブやスパイス、熟したフルーツ、紅茶のニュアンスが複雑に入り混じった得も言われぬ魅力が出てきます。
(右)愛農ナチュラルポーク肩ロース肉の炭火焼きにブルーチーズのサルサを添えて。昨年9月の会で参加者一同驚嘆した愛農ナチュラルポークとの再会です。脂身が結構あるのですが脂が甘くてサラッと全くしつこくなくてペロリと食べられてしまいます。やはり素晴らしい豚肉ですね。


(左)ゴシュアスとピスタチオのエラード。ゴシュアスは4日前にも食べたのでその美味しさも記憶に鮮明ですがピスタチオのエラード(=アイスクリーム)の滑らかさも特筆モノです。
(右)〆は中村シェフからのサーヴィスでパチャラン。
今回も中村シェフには随分と張り切っていただいたようで(汗)。でも美味しいバスク郷土料理とスペインのナチュールを味わいながらV.I.Pと色々な話ができて非常に有意義なひと時を過ごすことができました。
ちなみにAMA-LURは4/11でオープン4周年を迎えられ、その前日の4/10には周年イベントとして一日限りのバル営業をします。中村シェフのバル料理も見逃せませんね!
AMA-LUR会再び ジビーフの地力
先日の20年振りの文楽鑑賞の後の食事会の最中に堂島のバスク料理店「AMA-LUR(アマ・ルール)」でまた食事会を開催してほしいという話が出て前回の7人を上回る10人での食事会を開催する運びとなりました。
開催日の1ヵ月前にランチを食べながら中村シェフと事前打ち合わせ。粗削りながらも若さ溢れるサーヴィスをしてくれていたカマレラOさんが人事異動でグループ他店に移って新たに見るからにベテラン風のカマレロNさんが入っています。



(左)前菜盛り合わせ。中でもイノシシのパテと豚レバー入りパテが秀逸。
(中央)愛農ナチュラルポークのリエットを詰めたマッシュルームを浮かべたジビーフのコンソメ黒トリュフ風味。4日後に開催されるとある豪華コラボイベントに出すスペシャル料理を少しだけ味見させてもらいました。ジビーフとは北海道様似にある駒谷牧場の完全放牧野生牛の肉のことでジビーフを販売している株式会社サカエヤの新保社長がジビエとビーフとを掛け合わせて造った造語です。そのジビーフのコンソメに、同じくサカエヤが販売している愛農ナチュラルポークを合わせたスペシャル過ぎるスープなのです。スープがワインを欲するてことはなかなかないことですが肉の旨味と黒トリュフの香りに溢れたこのスープは堪らなくワインを欲します。
(右)仔羊背肉チョップの炭火焼き。2000円ちょいのランチで骨2本分の仔羊肉が食べられるんですよ。中村シェフから「塊で焼くのとチョップで焼くのとどっちしましょう~?」と聞かれ、仔羊肉チョップの炭火焼きはこれまでに食べたことが無いはずなのでチョップで焼いてもらいました。骨2本分の肉塊を焼いてから半分に切ってレアな断面を楽しむのも良いですが、脂身をフライパンで焼き切ってから炭火で両面こんがり焼いた表面の香ばしさと肉汁溢れるジューシーな内側とのコントラストも魅力的ですよね。
さて、コース料理については苦手素材と予算とを伝えて後は中村シェフにおまかせするだけなのであまり考える必要も無いのですが問題はワインの種類と本数です。私以外の9人が全員女性だということとそんなに量を飲めない方もいるので7本が妥当として何種類にするか。7種類にして1本を10人で分けると一人あたり75mlなので少し物足りず、かと言って同種類を2本ずつにすると種類が少なくなってしまう。ワイン会をする上で理想的な人数というのは6人~8人であって10人というのはやりにくい人数なんですよね・・・その辺に頭を悩ませつつ最初の乾杯用の泡と最後の肉料理に合わせる赤ワインとをそれぞれ1種類2本ずつにして合計5種類7本でのワインセレクトをお願いしました。
<おまかせコース料理>
1.イワシのエンパナーダ
2.ハマグリとギサンテ・ラグリマのソパ ハモン風味
3.伝助アナゴのカダイフ包み 美食クラブ‘ラネロ’風
4.メバルのスケ
5.ジビーフのソトヒラ肉の炭火焼き
6.古都華を散りばめたゴシュアス

(左)アぺリティーヴォのイワシのエンパナーダはイワシのほぐし身入りのパイです。1名だけ青魚アレルギーの方がいらっしゃるのでその方だけ別内容で用意してもらっていて何とマテ貝のエンパナーダ。ちょっとちょっとイワシよりマテ貝の方が美味しそうじゃあーりませんか!?(笑)
(右)ハマグリとハモンの出汁のスープに浮かぶはハマグリの身とギサンテ・ラグリマ。日本語で「涙豆」と訳されるギサンテ・ラグリマとはバスクのサン・セバスチャン近郊で春の一時期のみに採れるエンドウ豆のことです。まだ若いエンドウ豆の鞘を収穫して手作業で中の小さな小さな涙型をした豆を取り出します。収穫時期の短さ、収穫量の少なさ、手作業の煩雑さから「畑のキャビア」とも言われる高級食材で、サン・セバスチャンのギサンテ・ラグリマを日本で食することは不可能なので国産スナップエンドウ豆で中村シェフがギサンテ・ラグリマ風にアレンジしたそうです。プチプチっとした食感が心地良く、もはやスープの域を超えた逸品!

(左)今朝〆たばかりの1kgサイズの伝助アナゴはちょっとした白身魚並の厚みがあり、パリッパリのカダイフの食感とアナゴの身のジューシーながらも弾力ある食感とのコントラストが絶妙。ラネロ風とはバスクの美食クラブに伝わる伝統レシピで野菜をオリーヴ・オイルで煮込んで乳化させたピペラードぽいソースのことです。
(右)スケとはカタルーニャの伝統的魚介煮込みのことで煮込みソースにアーモンドペーストを加えるのが大きな特徴。メニュー名はメバルのスケですがメバルの切り身だけでなく有頭海老やムール貝やアサリも入って盛り沢山。

(左)焼く前のジビーフのソトヒラ肉を見せてくれるカマレロNさん。
(右)炭火でじっくり焼き上げたソトヒラ肉に山菜のフリットとピミエント・デル・ピキージョのサルサ添え。ジビーフのコンソメは先日の打ち合わせランチにて味見させてもらっていますがジビーフ自体を食べるのはこれが初めて。ソトヒラ肉は腿肉の外側の部位なので噛めば噛む程に旨味のでる部位であることが前提として噛む度に出る旨味が違うのです。旨味の複雑味と言うか、こんな牛肉は未体験です。熟成肉とも全然違う、ジビーフならではの地力、いつまでも噛んでいたくなります。

(左)ゴシュアスとはバスク風ラム酒ケーキのことで表面をフランス菓子のシブーストのようにカラメリゼしてあります。こんなポストレがあるんですね、感激しました。古都華(ことか)というのは奈良のブランドイチゴなのだと奈良県民の参加者が教えてくれました。
(右)カットして切り分けた後。

↑たまたま参加者の中に先週が誕生日だった人がいたのでロウソクを立ててお祝いメッセージも入れてもらってお祝い。
<ワインリスト>
1.カステル・ダージュ「カヴァ アンヌ・マリー・コンテッス ブリュット・ナチューレ・レゼルヴァNV」
2.レサバル「チャコリ・ロサード2014」
3.トーマス・クシネ「マカベオ フィンカ・ラコンス2012」
4.カサ・パルデ「キャバレ・ソーヴィニヨン2012」
5.ボデガス・ピッタカム「ピッタカム・バリッカ2009」

カステル・ダージュはビオロジック農法で育てたチャレッロとマカベオとパレリャーダとでカヴァを醸造しているボデガで現在はビオディナミ農法への転換を進めているという情報もあります。ブリュット・ナチューレなので後口もすっきりとドライ。
泡物が続きますが春らしく微発泡タイプのチャコリのロサード。レサバルはD.O.ゲタリアコ・チャコリーナ内のサラウツにあるボデガで広島県にあるインポーター株式会社キムラの定番チャコリです。色は淡いサーモンピンクなのですが意外とボディがあります。
皆様から絶賛いただいたのがマカベオ100%で造るフィンカ・ラコンス。
昨年に「昼Gianni」でも呑んだカベルネ・ソーヴィニヨンと土着品種トレパットとを畑で混植していて一緒に収穫して醸造した赤ワインであるキャバレ・ソーヴィニヨンがまさかの登場。5種類の中で一番の変化球、ラコンスの後にこのキャバレ・ソーヴィニヨンを呑むとまるで剛速球の後のスローカーブみたいな感覚ですよね。味わいを一言で言うとイチゴのコンフィチュール。それと無濾過・無清澄がここのボデガの大前提なので沈殿物の量が半端無かったです。
ボデガス・ピッタカムはビエルソ土着品種のメンシアに特化していてボデガ名にもなっているピッタカムとは古代ローマ時代に使用されていた37リッター程の容量の土器のことでボデガ建設の際に地中からピッタカムの破片が採掘されたことからボデガ名になったそうです。ジビーフが焼き上がるまで時間が要るので先にこのピッタカム・バリッカをサーヴして口の中のキャバレ・ソーヴィニヨンの印象を消してジビーフに備えてもらいます。色調は濃いですがタンニンは穏やかでヴァニラのような甘い香りと黒い果実系の甘味があり、ジビーフに限らず肉料理と合わせるのにピッタリな赤ワインです。
皆様にお楽しみいただけたようで安堵しました。それにしても中村シェフの料理の引き出しの多さに改めて感服しました。昨年の会にも参加して下さった方が2名いることまでは中村シェフに伝えていなかったので重複する料理が出ても仕方無いなと思っていたら全く重なりませんでした!それどころか見たこと無い、聞いたこと無い、食べたこと無い料理ばかり。そんなに多くはない予算にも関わらず随分と張り切っていただいたみたいです(汗)。また、中村シェフと一緒にワインセレクトを考えてくれたカマレロNさんの加入がメチャクチャ大きいです。店内に落ち着きをもたらし、サーヴィスの質がグンと上がりました。実は来週にもとあるV.I.Pを迎えてのランチ会を企画していてそちらへの期待がいや増します。
開催日の1ヵ月前にランチを食べながら中村シェフと事前打ち合わせ。粗削りながらも若さ溢れるサーヴィスをしてくれていたカマレラOさんが人事異動でグループ他店に移って新たに見るからにベテラン風のカマレロNさんが入っています。



(左)前菜盛り合わせ。中でもイノシシのパテと豚レバー入りパテが秀逸。
(中央)愛農ナチュラルポークのリエットを詰めたマッシュルームを浮かべたジビーフのコンソメ黒トリュフ風味。4日後に開催されるとある豪華コラボイベントに出すスペシャル料理を少しだけ味見させてもらいました。ジビーフとは北海道様似にある駒谷牧場の完全放牧野生牛の肉のことでジビーフを販売している株式会社サカエヤの新保社長がジビエとビーフとを掛け合わせて造った造語です。そのジビーフのコンソメに、同じくサカエヤが販売している愛農ナチュラルポークを合わせたスペシャル過ぎるスープなのです。スープがワインを欲するてことはなかなかないことですが肉の旨味と黒トリュフの香りに溢れたこのスープは堪らなくワインを欲します。
(右)仔羊背肉チョップの炭火焼き。2000円ちょいのランチで骨2本分の仔羊肉が食べられるんですよ。中村シェフから「塊で焼くのとチョップで焼くのとどっちしましょう~?」と聞かれ、仔羊肉チョップの炭火焼きはこれまでに食べたことが無いはずなのでチョップで焼いてもらいました。骨2本分の肉塊を焼いてから半分に切ってレアな断面を楽しむのも良いですが、脂身をフライパンで焼き切ってから炭火で両面こんがり焼いた表面の香ばしさと肉汁溢れるジューシーな内側とのコントラストも魅力的ですよね。
さて、コース料理については苦手素材と予算とを伝えて後は中村シェフにおまかせするだけなのであまり考える必要も無いのですが問題はワインの種類と本数です。私以外の9人が全員女性だということとそんなに量を飲めない方もいるので7本が妥当として何種類にするか。7種類にして1本を10人で分けると一人あたり75mlなので少し物足りず、かと言って同種類を2本ずつにすると種類が少なくなってしまう。ワイン会をする上で理想的な人数というのは6人~8人であって10人というのはやりにくい人数なんですよね・・・その辺に頭を悩ませつつ最初の乾杯用の泡と最後の肉料理に合わせる赤ワインとをそれぞれ1種類2本ずつにして合計5種類7本でのワインセレクトをお願いしました。
<おまかせコース料理>
1.イワシのエンパナーダ
2.ハマグリとギサンテ・ラグリマのソパ ハモン風味
3.伝助アナゴのカダイフ包み 美食クラブ‘ラネロ’風
4.メバルのスケ
5.ジビーフのソトヒラ肉の炭火焼き
6.古都華を散りばめたゴシュアス


(左)アぺリティーヴォのイワシのエンパナーダはイワシのほぐし身入りのパイです。1名だけ青魚アレルギーの方がいらっしゃるのでその方だけ別内容で用意してもらっていて何とマテ貝のエンパナーダ。ちょっとちょっとイワシよりマテ貝の方が美味しそうじゃあーりませんか!?(笑)
(右)ハマグリとハモンの出汁のスープに浮かぶはハマグリの身とギサンテ・ラグリマ。日本語で「涙豆」と訳されるギサンテ・ラグリマとはバスクのサン・セバスチャン近郊で春の一時期のみに採れるエンドウ豆のことです。まだ若いエンドウ豆の鞘を収穫して手作業で中の小さな小さな涙型をした豆を取り出します。収穫時期の短さ、収穫量の少なさ、手作業の煩雑さから「畑のキャビア」とも言われる高級食材で、サン・セバスチャンのギサンテ・ラグリマを日本で食することは不可能なので国産スナップエンドウ豆で中村シェフがギサンテ・ラグリマ風にアレンジしたそうです。プチプチっとした食感が心地良く、もはやスープの域を超えた逸品!


(左)今朝〆たばかりの1kgサイズの伝助アナゴはちょっとした白身魚並の厚みがあり、パリッパリのカダイフの食感とアナゴの身のジューシーながらも弾力ある食感とのコントラストが絶妙。ラネロ風とはバスクの美食クラブに伝わる伝統レシピで野菜をオリーヴ・オイルで煮込んで乳化させたピペラードぽいソースのことです。
(右)スケとはカタルーニャの伝統的魚介煮込みのことで煮込みソースにアーモンドペーストを加えるのが大きな特徴。メニュー名はメバルのスケですがメバルの切り身だけでなく有頭海老やムール貝やアサリも入って盛り沢山。


(左)焼く前のジビーフのソトヒラ肉を見せてくれるカマレロNさん。
(右)炭火でじっくり焼き上げたソトヒラ肉に山菜のフリットとピミエント・デル・ピキージョのサルサ添え。ジビーフのコンソメは先日の打ち合わせランチにて味見させてもらっていますがジビーフ自体を食べるのはこれが初めて。ソトヒラ肉は腿肉の外側の部位なので噛めば噛む程に旨味のでる部位であることが前提として噛む度に出る旨味が違うのです。旨味の複雑味と言うか、こんな牛肉は未体験です。熟成肉とも全然違う、ジビーフならではの地力、いつまでも噛んでいたくなります。


(左)ゴシュアスとはバスク風ラム酒ケーキのことで表面をフランス菓子のシブーストのようにカラメリゼしてあります。こんなポストレがあるんですね、感激しました。古都華(ことか)というのは奈良のブランドイチゴなのだと奈良県民の参加者が教えてくれました。
(右)カットして切り分けた後。

↑たまたま参加者の中に先週が誕生日だった人がいたのでロウソクを立ててお祝いメッセージも入れてもらってお祝い。
<ワインリスト>
1.カステル・ダージュ「カヴァ アンヌ・マリー・コンテッス ブリュット・ナチューレ・レゼルヴァNV」
2.レサバル「チャコリ・ロサード2014」
3.トーマス・クシネ「マカベオ フィンカ・ラコンス2012」
4.カサ・パルデ「キャバレ・ソーヴィニヨン2012」
5.ボデガス・ピッタカム「ピッタカム・バリッカ2009」

カステル・ダージュはビオロジック農法で育てたチャレッロとマカベオとパレリャーダとでカヴァを醸造しているボデガで現在はビオディナミ農法への転換を進めているという情報もあります。ブリュット・ナチューレなので後口もすっきりとドライ。
泡物が続きますが春らしく微発泡タイプのチャコリのロサード。レサバルはD.O.ゲタリアコ・チャコリーナ内のサラウツにあるボデガで広島県にあるインポーター株式会社キムラの定番チャコリです。色は淡いサーモンピンクなのですが意外とボディがあります。
皆様から絶賛いただいたのがマカベオ100%で造るフィンカ・ラコンス。
昨年に「昼Gianni」でも呑んだカベルネ・ソーヴィニヨンと土着品種トレパットとを畑で混植していて一緒に収穫して醸造した赤ワインであるキャバレ・ソーヴィニヨンがまさかの登場。5種類の中で一番の変化球、ラコンスの後にこのキャバレ・ソーヴィニヨンを呑むとまるで剛速球の後のスローカーブみたいな感覚ですよね。味わいを一言で言うとイチゴのコンフィチュール。それと無濾過・無清澄がここのボデガの大前提なので沈殿物の量が半端無かったです。
ボデガス・ピッタカムはビエルソ土着品種のメンシアに特化していてボデガ名にもなっているピッタカムとは古代ローマ時代に使用されていた37リッター程の容量の土器のことでボデガ建設の際に地中からピッタカムの破片が採掘されたことからボデガ名になったそうです。ジビーフが焼き上がるまで時間が要るので先にこのピッタカム・バリッカをサーヴして口の中のキャバレ・ソーヴィニヨンの印象を消してジビーフに備えてもらいます。色調は濃いですがタンニンは穏やかでヴァニラのような甘い香りと黒い果実系の甘味があり、ジビーフに限らず肉料理と合わせるのにピッタリな赤ワインです。
皆様にお楽しみいただけたようで安堵しました。それにしても中村シェフの料理の引き出しの多さに改めて感服しました。昨年の会にも参加して下さった方が2名いることまでは中村シェフに伝えていなかったので重複する料理が出ても仕方無いなと思っていたら全く重なりませんでした!それどころか見たこと無い、聞いたこと無い、食べたこと無い料理ばかり。そんなに多くはない予算にも関わらず随分と張り切っていただいたみたいです(汗)。また、中村シェフと一緒にワインセレクトを考えてくれたカマレロNさんの加入がメチャクチャ大きいです。店内に落ち着きをもたらし、サーヴィスの質がグンと上がりました。実は来週にもとあるV.I.Pを迎えてのランチ会を企画していてそちらへの期待がいや増します。
ピエモンテ尽くし会@BUN da BUN!!
先月の「LE BOIS vinvino食事会」にて偶然にピエモンテ兄貴こと出水シェフと遭遇したことから「BUN da BUN!!(ブンダブン)」でのピエモンテ会開催がとんとん拍子で決まりました。
BUN da BUN!!に行く前に3/4をもって四周年を迎えた京町堀二丁目のイタリアワイン専門店「Enoteca il Soffione(エノテカ イル・ソッフィオーネ)」に立ち寄ります。従前から店内でワインのテイスティングができましたが四周年を期にワインバーの顔をより強調し、ミヨッシーニ氏こと三吉店長の理想とする正真正銘のエノテカへと進化したのです。

↑ピエモンテ州カナーレのアルベルト・オッジェーロ「ロエロ・アルネイス2014」。ロエロ在住の難波恭子さんからの紹介でカンティーナを訪問したミヨッシーニ氏が感銘を受けて初の自社輸入に挑んだワイン。ロエロを代表するカンティーナのマッテオ・コッレッジャとアルベルト・オッジェーロとが近所同士で親しい仲であることからマッテオ・コッレッジャのワインを輸入している株式会社テラヴェールが輸入代行に協力してくれたそうです。
ブドウ農家だった祖父から畑を譲り受けたアルベルト・オッジェーロ氏が無農薬でのブドウ栽培からワイン醸造までほぼ一人で行っている極小カンティーナなので年間生産本数はロエロ・アルネイスが5000本、ロエロ・ロッソが1800本、それぞれのリゼルヴァと合計しても1万本程。エチケッタには祖父の大きな手と自身の小さな手とを重ね合わせて描かれています。ロエロ・アルネイスをテイスティングしましたがピュアでクリアーな果実味と豊富なミネラルが特徴的ですね。
さて、アペリティーヴォを済ませていよいよ本会に入ります。今回は料理もワインもピエモンテ縛り。ピエモンテ兄貴が生み出した世界で唯一のオリジナルパスタ料理「アフリカ」も封印で完全おまかせのピエモンテ料理コースです。なおBUN da BUN!!では普段はコース料理はやっておらず今回は事前に予約した上でのことです。
<おまかせピエモンテ料理コース>
1.アンティパスト・ミスト
2.バツワ&トーマ・ピエモンテ-ゼのクロスティーノ
3.カステルマーニョと蕗の薹のタヤリン
4.アニョロッティ・ダル・プリン
5.フィナンツェーラ
6.チンギアーレのサルシッチャ&牛サガリ肉のタリアータ 焼きポレンタ添え
7.パンナコッタ&トルタ・ディ・ノッチョーラ

(左)アンティパスト・ミストは右手前から時計回りにトンノ入りカポナータ&赤玉ねぎのフリッタータ&インサラータ・ルッサ&マイアーレ・トンナート。BUN da BUN!!定番の前菜4種です。カポナータにトンノ(=ツナ)を入れるのがピエモンテ風でミヨッシーニ氏も「現地でトンノ入りカポナータとアルベルト・オッジェーロのロエロ・アルネイスとを合わせてすごく合った」と言っていました。
(右)サルサ・ヴェルデを添えたバツワとトーマ・ピエモンテ-ゼのクロスティーノ。バツワとは柔らかく似た豚足や豚耳のフリットのことでこれまで隠れメニューでこっそり出していた一口サイズのバツワではなくテリーヌのようなサイズのバツワなので加熱された豚足のゼラチン質のネットリとした食感をより強く堪能できます。

(左)いつものラグーのタヤリンではなくピエモンテ州クーネオ県カステルマーニョ産の牛乳と山羊乳の混乳チーズであるカステルマーニョの風味と蕗の薹の苦味を活かしたタヤリン。もちろん乾燥させないフレッシュなタヤリンならではの芸術的な軽やかさはそのままで。
(右)ほとんどメニューに載せないアニョロッティ・ダル・プリンはサルヴィア(=セージ)とブッロ(=バター)のサルサで。

↑グランドオープンの日からもうすぐ2年、その間に50回は来ていますがフィナンツェーラが出たのはこれが初めてです。フィナンツェーラとは鶏や仔牛等の色々な内臓をマルサラとワインヴィネガーとで煮込んだピエモンテ風煮込み料理なのですが煮込みに使う内臓が日本では簡単に手に入らないモノばかりでそう簡単に仕込めるものではありません。今回のフィナンツェーラには鶏の鶏冠と肝、そして馬の脳味噌と脊髄が入っています。鶏冠の仕入れでも難しいのに馬の脳味噌と脊髄なんてよく仕入れられましたね!鶏冠のプルンプルンした食感、馬脳味噌が溶け込んだ濃厚なソースが絶品でした。

(左)ピエモンテ兄貴の当初のプランには入ってなかったセコンド・ピアットの二皿目。肉肉しいチンギアーレ(=イノシシ)のサルシッチャと牛サガリ肉のタリアータも美味しいのですが土台になっている焼きポレンタが実に地味滋味で染み入る美味。
(右)強面なピエモンテ兄貴ですがその手から作られるドルチェはメチャ美味なのです。
当然ながらワインもピエモンテワインのみ。白ワインは事前に銘柄指定で赤ワインを村上店長にセレクトしてもらいます。

(左)ジョゼッタ・サッフィーリオ「ランゲ・ビアンコ ロッセーゼ・ビアンコ2012」。ピエモンテの土着白ブドウと言うとコルテーゼかアルネイスがド定番ですが熟成ポテンシャルにおいてはティモラッソとこのロッセーゼ・ビアンコが凌駕していると思っています。ティモラッソもロッセーゼ・ビアンコも生産量が極少の超マイナー品種です。ワインの仕入れは村上店長に任せているピエモンテ兄貴が昨年に珍しく仕入れを強く希望したのがジョゼッタ・サッフィーリオのワインでその時に仕入れたロッセーゼ・ビアンコを呑ませてもらって忘れ得ぬインパクトを受けました。残念ながら赤ワインは最新ヴィンテージで傾向が変わってしまってピエモンテ兄貴の好みではなくなったそうなのですがこのロッセーゼ・ビアンコは健在で今回の目玉白ワインとしてリクエストしたのです。柑橘類のニュアンスとミネラルの奥に強い芯を感じ、今呑んでも十二分に美味しいですが熟成後の姿を期待せずにいられません。
(右)G.D.ヴァイラ「ドルチェット・ダルバ2014」。綺麗な赤ワインが好きな村上店長の好みに合致したキレイ系ドルチェットはいつもながらお見事。

(左)パリデ・イアレッティ「ピエトロ ガッティナーラ2010」。かってイタリア全土でもトップクラスの生産者に選出されながら不幸が重なって自死を選んだ父の遺志を受け継ぐパリデ・イアレッティ氏が父の名ピエトロをワイン名に冠したバリック熟成のガッティナーラは素晴らしく美味でフィナンツェーラとのアッビナメントもペルフェット!
(右)マッテオ・コッレッジャ「ロエロ・ロッソ2012」。当初はワインは4人で3本の予定だったのですがセコンド・ピアット二皿目に合わせて追加オーダー。絶対に間違いの無い赤ワインです。
偏固さにかけては大阪イタリアン界でも随一と言っていいかもしれないピエモンテ兄貴ですがその人柄と料理を知れば知る程にハマってしまいます。
BUN da BUN!!に行く前に3/4をもって四周年を迎えた京町堀二丁目のイタリアワイン専門店「Enoteca il Soffione(エノテカ イル・ソッフィオーネ)」に立ち寄ります。従前から店内でワインのテイスティングができましたが四周年を期にワインバーの顔をより強調し、ミヨッシーニ氏こと三吉店長の理想とする正真正銘のエノテカへと進化したのです。

↑ピエモンテ州カナーレのアルベルト・オッジェーロ「ロエロ・アルネイス2014」。ロエロ在住の難波恭子さんからの紹介でカンティーナを訪問したミヨッシーニ氏が感銘を受けて初の自社輸入に挑んだワイン。ロエロを代表するカンティーナのマッテオ・コッレッジャとアルベルト・オッジェーロとが近所同士で親しい仲であることからマッテオ・コッレッジャのワインを輸入している株式会社テラヴェールが輸入代行に協力してくれたそうです。
ブドウ農家だった祖父から畑を譲り受けたアルベルト・オッジェーロ氏が無農薬でのブドウ栽培からワイン醸造までほぼ一人で行っている極小カンティーナなので年間生産本数はロエロ・アルネイスが5000本、ロエロ・ロッソが1800本、それぞれのリゼルヴァと合計しても1万本程。エチケッタには祖父の大きな手と自身の小さな手とを重ね合わせて描かれています。ロエロ・アルネイスをテイスティングしましたがピュアでクリアーな果実味と豊富なミネラルが特徴的ですね。
さて、アペリティーヴォを済ませていよいよ本会に入ります。今回は料理もワインもピエモンテ縛り。ピエモンテ兄貴が生み出した世界で唯一のオリジナルパスタ料理「アフリカ」も封印で完全おまかせのピエモンテ料理コースです。なおBUN da BUN!!では普段はコース料理はやっておらず今回は事前に予約した上でのことです。
<おまかせピエモンテ料理コース>
1.アンティパスト・ミスト
2.バツワ&トーマ・ピエモンテ-ゼのクロスティーノ
3.カステルマーニョと蕗の薹のタヤリン
4.アニョロッティ・ダル・プリン
5.フィナンツェーラ
6.チンギアーレのサルシッチャ&牛サガリ肉のタリアータ 焼きポレンタ添え
7.パンナコッタ&トルタ・ディ・ノッチョーラ


(左)アンティパスト・ミストは右手前から時計回りにトンノ入りカポナータ&赤玉ねぎのフリッタータ&インサラータ・ルッサ&マイアーレ・トンナート。BUN da BUN!!定番の前菜4種です。カポナータにトンノ(=ツナ)を入れるのがピエモンテ風でミヨッシーニ氏も「現地でトンノ入りカポナータとアルベルト・オッジェーロのロエロ・アルネイスとを合わせてすごく合った」と言っていました。
(右)サルサ・ヴェルデを添えたバツワとトーマ・ピエモンテ-ゼのクロスティーノ。バツワとは柔らかく似た豚足や豚耳のフリットのことでこれまで隠れメニューでこっそり出していた一口サイズのバツワではなくテリーヌのようなサイズのバツワなので加熱された豚足のゼラチン質のネットリとした食感をより強く堪能できます。


(左)いつものラグーのタヤリンではなくピエモンテ州クーネオ県カステルマーニョ産の牛乳と山羊乳の混乳チーズであるカステルマーニョの風味と蕗の薹の苦味を活かしたタヤリン。もちろん乾燥させないフレッシュなタヤリンならではの芸術的な軽やかさはそのままで。
(右)ほとんどメニューに載せないアニョロッティ・ダル・プリンはサルヴィア(=セージ)とブッロ(=バター)のサルサで。

↑グランドオープンの日からもうすぐ2年、その間に50回は来ていますがフィナンツェーラが出たのはこれが初めてです。フィナンツェーラとは鶏や仔牛等の色々な内臓をマルサラとワインヴィネガーとで煮込んだピエモンテ風煮込み料理なのですが煮込みに使う内臓が日本では簡単に手に入らないモノばかりでそう簡単に仕込めるものではありません。今回のフィナンツェーラには鶏の鶏冠と肝、そして馬の脳味噌と脊髄が入っています。鶏冠の仕入れでも難しいのに馬の脳味噌と脊髄なんてよく仕入れられましたね!鶏冠のプルンプルンした食感、馬脳味噌が溶け込んだ濃厚なソースが絶品でした。


(左)ピエモンテ兄貴の当初のプランには入ってなかったセコンド・ピアットの二皿目。肉肉しいチンギアーレ(=イノシシ)のサルシッチャと牛サガリ肉のタリアータも美味しいのですが土台になっている焼きポレンタが実に地味滋味で染み入る美味。
(右)強面なピエモンテ兄貴ですがその手から作られるドルチェはメチャ美味なのです。
当然ながらワインもピエモンテワインのみ。白ワインは事前に銘柄指定で赤ワインを村上店長にセレクトしてもらいます。


(左)ジョゼッタ・サッフィーリオ「ランゲ・ビアンコ ロッセーゼ・ビアンコ2012」。ピエモンテの土着白ブドウと言うとコルテーゼかアルネイスがド定番ですが熟成ポテンシャルにおいてはティモラッソとこのロッセーゼ・ビアンコが凌駕していると思っています。ティモラッソもロッセーゼ・ビアンコも生産量が極少の超マイナー品種です。ワインの仕入れは村上店長に任せているピエモンテ兄貴が昨年に珍しく仕入れを強く希望したのがジョゼッタ・サッフィーリオのワインでその時に仕入れたロッセーゼ・ビアンコを呑ませてもらって忘れ得ぬインパクトを受けました。残念ながら赤ワインは最新ヴィンテージで傾向が変わってしまってピエモンテ兄貴の好みではなくなったそうなのですがこのロッセーゼ・ビアンコは健在で今回の目玉白ワインとしてリクエストしたのです。柑橘類のニュアンスとミネラルの奥に強い芯を感じ、今呑んでも十二分に美味しいですが熟成後の姿を期待せずにいられません。
(右)G.D.ヴァイラ「ドルチェット・ダルバ2014」。綺麗な赤ワインが好きな村上店長の好みに合致したキレイ系ドルチェットはいつもながらお見事。


(左)パリデ・イアレッティ「ピエトロ ガッティナーラ2010」。かってイタリア全土でもトップクラスの生産者に選出されながら不幸が重なって自死を選んだ父の遺志を受け継ぐパリデ・イアレッティ氏が父の名ピエトロをワイン名に冠したバリック熟成のガッティナーラは素晴らしく美味でフィナンツェーラとのアッビナメントもペルフェット!
(右)マッテオ・コッレッジャ「ロエロ・ロッソ2012」。当初はワインは4人で3本の予定だったのですがセコンド・ピアット二皿目に合わせて追加オーダー。絶対に間違いの無い赤ワインです。
偏固さにかけては大阪イタリアン界でも随一と言っていいかもしれないピエモンテ兄貴ですがその人柄と料理を知れば知る程にハマってしまいます。
骨太ド直球なLE BOIS vinvino食事会
昨年12月の「昼下がりのマルケ会」のメンバーでの食事会の最中に次回は女性シェフ続きで北浜の「LE BOIS vinvino(ル・ボワ ヴァンヴィーノ)」にて開催するという話になりました。
先ずはいつもの通り簡単な打ち合わせを兼ねてランチに行ってきました。火曜~土曜の昼間はLE BOISとして従来と変わらないランチ営業をしていますが通し営業の日曜と祝日限定で12時~15時の時間帯にLE BOIS vinvinoとしてのランチセットがあるのです。みさシェフが考案したランチセットはアンティパスト&プリモ・ピアット2種類&セコンド・ピアット2種類の中から食べたい料理を組み合わせて皿数によって値段が変わるスタイル。



(左)ストゥッツキーノはズッパ・ディ・ファジョーリ。付き出しなのでクロスティーニとかかなと思っていたらまさかの豆のスープなところがみさシェフらしい。
(中央)アンティパスト・ミスト。セコンド・ピアットとの組み合わせなので若干量を減らしたそうですが減らしてこの量なところがまたみさシェフらしい。
(右)自家製バッカラのピッツァイオーラ。塩漬け干しダラを自家製するところがまたまたみさシェフらしい。ピッツァイオーラ=ピッツァ職人風とはピッツァの基本的な構成要素であるトマトとオレガノとフォルマッジョを使ったソースのことです。
簡単な打ち合わせと言っても既に昨年11月の「郷土料理会⑫」でその実力を見せ付けてもらっているのでただ「みさシェフが作りたい料理を作って下さい」とお願いしただけです。この一言で十分なことは以下をご覧になればお解りになるはず。
マルケ会のメンバー4人から徐々に増えて最終的に7人での開催に。この日は店の奥側の半分で親子で参加できるアイシングシュガーのワークショップが開催されていて一般営業は手前側の半分のみ。それも我々のグループともう一組とで予約が埋まっていて満席状態。ちなみに7人ということは8人ターヴォラで1席空いていることになりますがこの空いた1席が後にスゴイ偶然を起こすことになるのです。

↑ターヴォラ上に置かれた5種類のオリーヴ・オイル。この5種類を料理によって使い分けるそうで付箋にはそのオイルを使う料理名が書かれていて皆さん興味津々。5種類の内4種類がトスカーナ産で1種類だけアブルッツォ産です。
<おまかせコース料理>
1.アフェッタート・ミスト
2.吉田牧場リコッタとモッツァレラとポモドーロのインサラータ
3.自家製ソプレッサータのインサラータ仕立て
4.自家製サルシッチャのグリリアータ
5.リボッリータ
6.トルテッリ・イン・ブロード
7.くり抜きパルミジャーノ・レッジャーノのリゾット
8.鳥取和牛ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ
9.カルネヴァーレの揚げドルチェ

(左)アフェッタート・ミストはプロシュット・クルードとサラーメ・フィノッキオーナと揚げピッツァの3種盛り。
(右)パンはかって靭公園前にあった大人気店で西宮市生瀬にてようやく移転リニューアルオープンした「Boulangerie Takeuchi」のパン。

(左)七等分するとはいえリコッタ丸ごと1個をいっぺんに食べる料理は初めて。ブラウンスイス牛の乳で作ったリコッタは大豆をたっぷり使った特濃の木綿豆腐のような味の詰まった美味しさ。モッツァレラはパウダー状にして振り掛けてあります。
(右)このオイルだけアブルッツォ産です。

(左)みさシェフお得意の自家製ソプレッサータ。薄くスライスしてアランチャ(=オレンジ)と一緒にインサラータ仕立てにするのがいつものスタイルですが今回は野菜を少なくしてソプレッサータもちょっと厚い目にスライスすることでソプレッサータの存在感を増しています。
(右)5種類のオイルの中で最も鮮やかな緑色をしているオイル。
ここで店内にフラッと一人の男性が入ってきます。その顔を見てビックリ、何とピエモンテ兄貴ではないですか!サクッとパスタだけ食べて帰るつもりで寄ったと言うピエモンテ兄貴に店内で唯一空いていた我々のターヴォラの1席に座ってもらいこれによって場がより盛り上がることに。実はこのお店に初めて来た時もピエモンテ兄貴と遭遇したんですよね。

(左)アッローストしたパターテを敷いた自家製のグルグル巻きサルシッチャ。アンティパストの扱いですがこれだけで十分にセコンド・ピアットになり得ますよ。
(右)ピエモンテ兄貴が切り分け役を名乗り出てくれたのでおまかせすることに。メッチャ肉肉しくてジューシー!

(左)フィレンツェ名物料理のリボッリータもてんこ盛り。余って硬くなったパーネと残り物の野菜や豆を美味しく食べるための料理として生まれたので素朴で飽きのこない優しい味で食べていてほっこりした気持ちになります。
(右)リボッリータにはこのオイルを。

(左)パスタを出すことは決めていたけど何を作るかは事前に決めておらずアンティパストを作りながらみさシェフの脳内で閃いたのがトルテッリ・イン・ブロード。超分かり易く説明するとイタリア風スープ餃子です。優しい、でも優しいだけでなく芯の通った味。イン・ブロードには作る人の人柄が表れると私は思っています。と、ここでピエモンテ兄貴が離脱。
(右)続いて運ばれてきたのは巨大なパルミジャーノ・レッジャーノ。

(左)くり抜いたパルミジャーノ・レッジャーノの中にリゾット・ビアンコを入れてかき混ぜます。
(右)リゾットに使うオイルのボトルの写真は撮り忘れましたがパルミジャーノの旨味爆発なリゾット!

(左)インサラータがまた出てきたと思ったらビステッカのコントルノ(=付け合わせ)です。一人前の付け合わせでこの量かいな!
(右)何と1kgもあるビステッカがズドーンと登場。ビステッカは最低でも700g以上でないとオーダーを受けないのがみさシェフのこだわりで7人もいるからこそ実現したのです。

(左)切り分けてみてもこのボリューム。
(右)肉食人ではないけどこの旨さにはハマりそう。でも次にオーダーできるのはいつになることやら。

(左)こんな小柄でキュートな女性が1kgもの肉塊を焼き上げるんですよ。まさに「男前」。
(右)ビステッカにはキァンティ・クラシコの有名生産者であるカステッロ・ディ・アマのオリーヴ・オイルを掛けます。

(左)カルネヴァーレ=謝肉祭の揚げ菓子であるチェンチ。チェンチはトスカーナでの呼び名で他の州ではキアッキエレやフラッペ、スフラッポレと呼ばれたりします。
(右)Kさんのイタリア土産であるパンペタートを切ってもらってジェラートを添えて。
ワインは7人で5本空けました。トスカーナ料理とエミリア・ロマーニャ料理とで構成されたコースなのでワインもトスカーナ産が4本でエミリア・ロマーニャ産が1本。我ながら良いセレクトだったと自画自賛したくなります。

↑乾杯はトスカーナ州のサンジェルヴァジオ「ローザ サンジョヴェーゼ・ロザート・スプマンテNV」でと決めていました。先日の「アントンnightトスカーナ編」でアントンさんはトスカーナ産の良いスプマンテが無かったのでフランチャコルタにしたと言っていましたがこのスプマンテがあるじゃないですか。食中酒としての実力は相当なモノですよ。
続いて阿波座「Vineria Dopo Domani(ヴィネリア・ドッポ・ドマーニ)」で呑んで強烈なインパクトだった同じくトスカーナ州のポデーレ・ラ・チェレッタ「マティス」。ヴェルメンティーノ100%でシュール・リーと一部バリック熟成を採用し、濃い~色調にふさわしい豊かな旨味のある味わいでありながら重たさを感じさせないのです。
赤ワインの1本目はこれまたトスカーナ州のレ・ボンチェ「チンクエ2013」。女性オーナーのジョヴァンナ・モルガンティがキァンティ・クラシコ地区のカステルヌォーヴォ・ベラルデンガにある3haの小さな畑で自然農法で育てたブドウで造ったワイン。サンジョヴェーゼ90%にコロリーノとフォーリアとトンダとマンモロとが合計10%というブレンド。ブドウの活き活きとしたエキス分を感じられるワインでした。
赤ワインの2本目はパルミジャーノ・レッジャーノのリゾットに合わせてエミリア・ロマーニャ州ロマーニャ地方ファエンツァのフランチェスコーニ「リンベッカ サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・スーペリオーレ2009」。大量生産ワイン用の農業指導の仕事に嫌気が差したパオロ・フランチェスコーニ氏が祖父から受け継いだ畑でビオディナミ農法で育てたサンジョヴェーゼ100%。チンクエよりも少し軽いのですがリゾットにはこれ位の方がよく合いました。
そして赤ワインの3本目は以前からずっと気になっていた超変化球ワインをこのメンバーとなら楽しめるのではないかと思ってオーダーしました。何とトスカーナ州サン・ミニアート産テンプラニーリョ100%の赤ワインですよ、ピエトロ・べコンチーニ「イクセ テンプラニーリョ2011」。こんな変わったワインを輸入しているのはトスカーナのマントヴァにあるミシュラン三つ星レストラン「dal Pescatore(ダル・ペスカトーレ)」でソムリエを務めた林基就氏の「Vino Hayashi」です。呑めばはっきりとテンプラニーリョの特徴を感じますがスペインのリオハやリベラ・デル・ドゥエロのテンプラニーリョとは違う個性です。ネタとかキワモノではなく間違い無く美味しいテンプラニーリョなのです。
みさシェフの骨太ド直球な料理をこちらも全力で受け止めました。私が会を開く時のモットーが「三者良し」。近江商人の理念である「三方良し」をもじったもので、主催者はやって良かった、参加者は来てよかった、お店は来てくれて良かったと三者が思える会こそが理想です。そんな三者良しの会になったかなと安堵しながら満腹ではち切れそうなお腹で帰路に着きました。
先ずはいつもの通り簡単な打ち合わせを兼ねてランチに行ってきました。火曜~土曜の昼間はLE BOISとして従来と変わらないランチ営業をしていますが通し営業の日曜と祝日限定で12時~15時の時間帯にLE BOIS vinvinoとしてのランチセットがあるのです。みさシェフが考案したランチセットはアンティパスト&プリモ・ピアット2種類&セコンド・ピアット2種類の中から食べたい料理を組み合わせて皿数によって値段が変わるスタイル。



(左)ストゥッツキーノはズッパ・ディ・ファジョーリ。付き出しなのでクロスティーニとかかなと思っていたらまさかの豆のスープなところがみさシェフらしい。
(中央)アンティパスト・ミスト。セコンド・ピアットとの組み合わせなので若干量を減らしたそうですが減らしてこの量なところがまたみさシェフらしい。
(右)自家製バッカラのピッツァイオーラ。塩漬け干しダラを自家製するところがまたまたみさシェフらしい。ピッツァイオーラ=ピッツァ職人風とはピッツァの基本的な構成要素であるトマトとオレガノとフォルマッジョを使ったソースのことです。
簡単な打ち合わせと言っても既に昨年11月の「郷土料理会⑫」でその実力を見せ付けてもらっているのでただ「みさシェフが作りたい料理を作って下さい」とお願いしただけです。この一言で十分なことは以下をご覧になればお解りになるはず。
マルケ会のメンバー4人から徐々に増えて最終的に7人での開催に。この日は店の奥側の半分で親子で参加できるアイシングシュガーのワークショップが開催されていて一般営業は手前側の半分のみ。それも我々のグループともう一組とで予約が埋まっていて満席状態。ちなみに7人ということは8人ターヴォラで1席空いていることになりますがこの空いた1席が後にスゴイ偶然を起こすことになるのです。


↑ターヴォラ上に置かれた5種類のオリーヴ・オイル。この5種類を料理によって使い分けるそうで付箋にはそのオイルを使う料理名が書かれていて皆さん興味津々。5種類の内4種類がトスカーナ産で1種類だけアブルッツォ産です。
<おまかせコース料理>
1.アフェッタート・ミスト
2.吉田牧場リコッタとモッツァレラとポモドーロのインサラータ
3.自家製ソプレッサータのインサラータ仕立て
4.自家製サルシッチャのグリリアータ
5.リボッリータ
6.トルテッリ・イン・ブロード
7.くり抜きパルミジャーノ・レッジャーノのリゾット
8.鳥取和牛ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ
9.カルネヴァーレの揚げドルチェ


(左)アフェッタート・ミストはプロシュット・クルードとサラーメ・フィノッキオーナと揚げピッツァの3種盛り。
(右)パンはかって靭公園前にあった大人気店で西宮市生瀬にてようやく移転リニューアルオープンした「Boulangerie Takeuchi」のパン。


(左)七等分するとはいえリコッタ丸ごと1個をいっぺんに食べる料理は初めて。ブラウンスイス牛の乳で作ったリコッタは大豆をたっぷり使った特濃の木綿豆腐のような味の詰まった美味しさ。モッツァレラはパウダー状にして振り掛けてあります。
(右)このオイルだけアブルッツォ産です。


(左)みさシェフお得意の自家製ソプレッサータ。薄くスライスしてアランチャ(=オレンジ)と一緒にインサラータ仕立てにするのがいつものスタイルですが今回は野菜を少なくしてソプレッサータもちょっと厚い目にスライスすることでソプレッサータの存在感を増しています。
(右)5種類のオイルの中で最も鮮やかな緑色をしているオイル。
ここで店内にフラッと一人の男性が入ってきます。その顔を見てビックリ、何とピエモンテ兄貴ではないですか!サクッとパスタだけ食べて帰るつもりで寄ったと言うピエモンテ兄貴に店内で唯一空いていた我々のターヴォラの1席に座ってもらいこれによって場がより盛り上がることに。実はこのお店に初めて来た時もピエモンテ兄貴と遭遇したんですよね。


(左)アッローストしたパターテを敷いた自家製のグルグル巻きサルシッチャ。アンティパストの扱いですがこれだけで十分にセコンド・ピアットになり得ますよ。
(右)ピエモンテ兄貴が切り分け役を名乗り出てくれたのでおまかせすることに。メッチャ肉肉しくてジューシー!


(左)フィレンツェ名物料理のリボッリータもてんこ盛り。余って硬くなったパーネと残り物の野菜や豆を美味しく食べるための料理として生まれたので素朴で飽きのこない優しい味で食べていてほっこりした気持ちになります。
(右)リボッリータにはこのオイルを。


(左)パスタを出すことは決めていたけど何を作るかは事前に決めておらずアンティパストを作りながらみさシェフの脳内で閃いたのがトルテッリ・イン・ブロード。超分かり易く説明するとイタリア風スープ餃子です。優しい、でも優しいだけでなく芯の通った味。イン・ブロードには作る人の人柄が表れると私は思っています。と、ここでピエモンテ兄貴が離脱。
(右)続いて運ばれてきたのは巨大なパルミジャーノ・レッジャーノ。


(左)くり抜いたパルミジャーノ・レッジャーノの中にリゾット・ビアンコを入れてかき混ぜます。
(右)リゾットに使うオイルのボトルの写真は撮り忘れましたがパルミジャーノの旨味爆発なリゾット!


(左)インサラータがまた出てきたと思ったらビステッカのコントルノ(=付け合わせ)です。一人前の付け合わせでこの量かいな!
(右)何と1kgもあるビステッカがズドーンと登場。ビステッカは最低でも700g以上でないとオーダーを受けないのがみさシェフのこだわりで7人もいるからこそ実現したのです。


(左)切り分けてみてもこのボリューム。
(右)肉食人ではないけどこの旨さにはハマりそう。でも次にオーダーできるのはいつになることやら。


(左)こんな小柄でキュートな女性が1kgもの肉塊を焼き上げるんですよ。まさに「男前」。
(右)ビステッカにはキァンティ・クラシコの有名生産者であるカステッロ・ディ・アマのオリーヴ・オイルを掛けます。


(左)カルネヴァーレ=謝肉祭の揚げ菓子であるチェンチ。チェンチはトスカーナでの呼び名で他の州ではキアッキエレやフラッペ、スフラッポレと呼ばれたりします。
(右)Kさんのイタリア土産であるパンペタートを切ってもらってジェラートを添えて。
ワインは7人で5本空けました。トスカーナ料理とエミリア・ロマーニャ料理とで構成されたコースなのでワインもトスカーナ産が4本でエミリア・ロマーニャ産が1本。我ながら良いセレクトだったと自画自賛したくなります。

↑乾杯はトスカーナ州のサンジェルヴァジオ「ローザ サンジョヴェーゼ・ロザート・スプマンテNV」でと決めていました。先日の「アントンnightトスカーナ編」でアントンさんはトスカーナ産の良いスプマンテが無かったのでフランチャコルタにしたと言っていましたがこのスプマンテがあるじゃないですか。食中酒としての実力は相当なモノですよ。
続いて阿波座「Vineria Dopo Domani(ヴィネリア・ドッポ・ドマーニ)」で呑んで強烈なインパクトだった同じくトスカーナ州のポデーレ・ラ・チェレッタ「マティス」。ヴェルメンティーノ100%でシュール・リーと一部バリック熟成を採用し、濃い~色調にふさわしい豊かな旨味のある味わいでありながら重たさを感じさせないのです。
赤ワインの1本目はこれまたトスカーナ州のレ・ボンチェ「チンクエ2013」。女性オーナーのジョヴァンナ・モルガンティがキァンティ・クラシコ地区のカステルヌォーヴォ・ベラルデンガにある3haの小さな畑で自然農法で育てたブドウで造ったワイン。サンジョヴェーゼ90%にコロリーノとフォーリアとトンダとマンモロとが合計10%というブレンド。ブドウの活き活きとしたエキス分を感じられるワインでした。
赤ワインの2本目はパルミジャーノ・レッジャーノのリゾットに合わせてエミリア・ロマーニャ州ロマーニャ地方ファエンツァのフランチェスコーニ「リンベッカ サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・スーペリオーレ2009」。大量生産ワイン用の農業指導の仕事に嫌気が差したパオロ・フランチェスコーニ氏が祖父から受け継いだ畑でビオディナミ農法で育てたサンジョヴェーゼ100%。チンクエよりも少し軽いのですがリゾットにはこれ位の方がよく合いました。
そして赤ワインの3本目は以前からずっと気になっていた超変化球ワインをこのメンバーとなら楽しめるのではないかと思ってオーダーしました。何とトスカーナ州サン・ミニアート産テンプラニーリョ100%の赤ワインですよ、ピエトロ・べコンチーニ「イクセ テンプラニーリョ2011」。こんな変わったワインを輸入しているのはトスカーナのマントヴァにあるミシュラン三つ星レストラン「dal Pescatore(ダル・ペスカトーレ)」でソムリエを務めた林基就氏の「Vino Hayashi」です。呑めばはっきりとテンプラニーリョの特徴を感じますがスペインのリオハやリベラ・デル・ドゥエロのテンプラニーリョとは違う個性です。ネタとかキワモノではなく間違い無く美味しいテンプラニーリョなのです。
みさシェフの骨太ド直球な料理をこちらも全力で受け止めました。私が会を開く時のモットーが「三者良し」。近江商人の理念である「三方良し」をもじったもので、主催者はやって良かった、参加者は来てよかった、お店は来てくれて良かったと三者が思える会こそが理想です。そんな三者良しの会になったかなと安堵しながら満腹ではち切れそうなお腹で帰路に着きました。