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踊るソムリエLast Dance @Souple

 四天王寺「Wassy's Dining Souple」のマネージャーでありシニア・ソムリエの藤次さんが1/15をもって同店を退職されました。最終日となる15日のディナー営業は「踊るソムリエ」の異名を持つ藤次さんのSoupleでのラスト・ダンスなのです。
  田代シェフの退職時には卒業イベントが催されましたが今回はあえて普段と変わらないスタイルでの営業です。藤次さんもサーヴィススタッフの皆さんもまるで何事もないかのように普段と変わらぬ仕事に徹しています。この光景を見ていると、休み明けの17日の夜には藤次さんの姿がSoupleのどこにも見えないことが想像できません。

  メイン料理とそれに合わせるワインを中田ソムリエールに相談。彼女は未だ20代ながらSoupleをオープン一年目より支える看板娘さんであり、同じく20代の君島ソムリエとともに17日以降のワインサーヴを担う存在です。

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↑メイン料理はフォアグラと豚足と大根のポトフ。豚足と言うと先代の田代シェフの得意素材というイメージがあり、岩田シェフの豚足を使った料理を食べるの初めてかもしれません。この料理の主役はフォアグラでも豚足でもなくコンソメです。おもしろいのがフォアグラの食感で、フォアグラを煮込むと豚足みたいにプルンプルンになるんですね。
  合わせるワインは赤でもいいのでしょうけどイメージとしては濃密な白ワインですね。中田ソムリエールのお薦めも濃い目の白ワインなので、カリフォルニアのメドロック・エイムズ「シャルドネ2006」とブルゴーニュのドメーヌ・ベルナール・ドラグランジュ「ムルソー2000」を合わせてみました。最初はムルソーだけにするつもりだったのですが、せっかくなのでカリフォルニアの濃いシャルドネとブルゴーニュの濃いシャルドネの飲み比べなどしてみたくなって。

  赤ワインのセレクトは藤次さんにお任せしました、様々なジビエの様々な部位を集めて作ったジビエのオールスターテリーヌに合うように。

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 (左)ジビエのオールスターテリーヌ。
(中央)最初のワインはNZ北島マーティン・ボロのアタ・ランギ「セレブレ2008」。アタ・ランギはマウリ語で「新しい始まり」を意味する言葉らしく、田代シェフの卒業式の時もこのワイナリーのワインが大活躍していましたね。藤次さん曰く「シラーとメルローとカベルネとを使ったこのワインには白蘭や麝香の香りがします。この香りは日本の葬式の香りとよく似ています」、早くも2012年の名言大賞か!?
 (右)2杯目の赤ワインは私の「ピノ・ノワールが飲みたい気分だけどテリーヌとの相性を考えるとボルドーかな」という発言を受けてボルドーのメドック格付け3級「シャトー・ボイド・カントナック1995」がセラーより登場。このボイド・カントナックがボルドーとは思えぬ位に上品かつ繊細な印象でピノ的なニュアンスを感じさえします。

  ここから締めモードに入ります。いつもの私ならグラッパかマールに行くところですが今晩は普段あまりしないことをしてみます。通常は最初に飲むシャンパーニュを締めに持ってくる「締めシャン」です。昨年何度もワインをご一緒したとある人物が大のシャンパーニュとブルゴーニュ好きで「中シャン」「締めシャン」という飲み方があることを教えてもらい、その真似をしてみることに。

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↑ペウ・シモネ「ブリュット・セレクション グラン・クリュNV」。成程、こういうシャンパーニュの楽しみ方もあるのですね、クセになります(笑)。でもこの締めシャンだけでは締まらず、締めシェリーに行きます。藤次さんはべネンシア・ドールの資格も持っていて、べネンシアを振るってモスカテルを注いでもらいました。

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↑べネンシアと呼ばれる柄杓のような棒の先にシェリー酒を注いでクルッと一回転させ、高い位置からグラスに注ぎます。見た目にも華麗な曲芸であると同時にシェリー酒を酸素に触れさせることでシェリー酒の味を引き出すことができるそうです。
 この頃になると、北新地「AGRESTO(アグレスト)」の石川オーナーシェフや谷町四丁目「ミッシェル・ヴァン・ジャポネ」のアランシェフも駆けつけていました。私もテンション↑↑↑で締めスパークリングに。Soupleと言えばやはりカリフォルニアワインでしょう、カリフォルニアのスパークリング「J」で本当に締めです。

  私は3時間程で藤次劇場のラストダンスショーを退席しましたが、その後も閉店までの間に多くの方々が駆けつけたことは容易に想像できます。初めてSoupleを訪れた時から今晩までの4年間、Soupleでの思い出には常に藤次さんが存在していました。しこたま食べて飲んでグラッパとデザートまで行った後にさらにパスタを注文して藤次さんに「えっ!!」と言われたこともありましたね(苦笑)。
  藤次さんは2月オープンを目指して独立準備に取り掛かられます。今後は、若きソムリエ&ソムリエールのSoupleと藤次さんのお店との二つの楽しみがある訳です。でもその前に、藤次さん5年間お疲れ様でした、そしてありがとうございました!

シゲの畑

 7月で閉店した「Petit Souple」の跡店舗にイタリアンのお店がオープンしています。店名はトラットリア「イル・カンポ・ダ・シゲ」です。意味は「シゲの畑」で、JR福島駅前にある「イル・アルバータ」出身のオーナーシェフのシゲさんのお名前に因んでいるようです。
  11月頭にオープンしたことは知っていたのですが初訪問する気になるまで少し時間を要しました。前店Petit Soupleに強い思い入れがあったので、ほぼ居抜きでオープンしたイル・カンポ・ダ・シゲに行くとPetit Soupleを思い起こさずにはいられなくなるからです。今回どうしてもピッツァが食べたくなり、四天王寺界隈でランチピッツァをやっているのが同店だけなので(「Wassy's Dining Souple」も石窯を設置してピッツァを焼いていますが現状ランチではピッツァを提供していません)一大決心して初訪問を果たしました。ちと大袈裟ですかね?
  入口横の、Petit Souple時代はデリの冷蔵ケースが置いてあった所にガス火の石窯が設置されてあり、シゲさんが店奥の厨房と石窯とを往復しています。それよりも驚いたのが、カウンター席の配置の仕方。カウンターの3分の2部分(残りの3分の1部分はネタケースがある部分)を対面式にしてあるのです。斬新なアイディアではありますがそこまでして席数を確保する必要あるのかな・・・


↑ピッツァランチは、本日のピッツァorマルゲリータorクアトロ・フォルマッジョの3種類からチョイス可能で、初めて行くお店ではマルゲリータを注文するようにしています。トマトソースとモッツァレラの両方の質を知ることができるので。縁が膨らんだナポリスタイルですな。
  グラスワインリストを見せてもらうと、白赤ともに4種類ずつ用意されていてどれも1杯500円です。

  ナポリピッツァに関しては私の中で天満橋「ESPOSITO(エスポージト)」が断トツの存在です。でもそうそう食べに行ける訳ではないので近場でピッツァを食べられるお店があると嬉しいです。魚と野菜の仕入れにはかなり気合を入れてはるみたいですし、何よりPetit Soupleの箱を受け継ぐお店なので地元民に愛されるお店になっていってほしいですよね。

パティスリーぷっちオープン

  裏通りとか路地を歩くのが好きで思わぬ発見があったりします。美味しいお店との出会いも少なからずあったりします。1ヵ月程前に「10月中旬リニューアル」の貼り紙が貼られたパティスリーを偶然に見つけ、もう下旬なのでリニューアルオープンしているかなと様子を見に行ったら丁度オープン記念セールをしていました。
  住所は大阪市浪速区下寺で、ライフ下寺店の目の前、有名な寿司屋「まさる」と同じ並びで少し南に行ったところにある「パティスリーぷっち」というお店です。入り口入ってすぐに冷蔵ケースがあり、「昔ながらのチーズケーキ」「シェフ気まぐれショートケーキ」「モンブラン」等が並んでいます。ケーキ1個あたり350円位までで「街のケーキ屋さん」という可愛らしい感じですが、造っているのはパティシエールではなく若いパティシエお二人です。

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↑オープン記念でシュークリームとプリンとが1個100円でした。シュークリームはオーダー毎にクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)を詰めてくれます。カリッとした食感の香ばしいシュー生地の中に、ヴァニラビーンズの黒い粒々が混じったクレーム・パティシエールがたっぷりと。ソフトボール位の大きさで食べ応えもありますし嬉しいですねぇ。プリンの方はクレーム・シャンティ(ホイップクリーム)の下からトロトロっのプリンとキャラメルが。

杉山悟史JAZZ PIANO LIVE in 蕾珈琲

  事務所近くの、隔週でコーヒー豆を購入しております「自家焙煎 蕾-tubomi-珈琲」にて初の店内ライヴが行われました。こう見えてライヴ大好きなので今年も何度かライヴに行っておりますが、ライヴハウスやコンサートホール以外でのライヴは久しぶりです。ちなみにこれまでに行ったレストランやワインバーでのライヴはこちら → その1その2その3
  今回ピアノの演奏を披露して下さったのはJAZZピアニストにしてキーボーディストの杉山悟史さん。公式HPのリンクを貼っておきます http://sound.jp/sugisatoshi/

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↑店内ライヴの様子はこんな感じ。スタンダード曲とオリジナル曲とを織り交ぜて10曲ほど。やはり生音はエエですねェ~、中でもオリジナル曲の「Rise」が特に素晴らしかったです。
 素敵なピアノの旋律とともに楽しむのは自家焙煎コーヒー。

蕾珈琲のコーヒー
 コーヒーについては、以前の一周年の時の記事でも書いた通り、入り口横の焙煎室にて自家焙煎した豆でオーダー毎に淹れたスペシャルティコーヒーです。クッキーも自家製ですよ。

よっしーシェフSouple卒業式

  四天王寺「Wassy's Dining Souple」の二代目シェフとして同店を支え続けてきた田代良子シェフが、8/21を持って同店を退職してスペインに渡られることを聞いたのは今から約3ヵ月前のこと。この3ヵ月の間にも、「Wassy's Dining Souple」と「Petit Souple」との合体、デリ販売コーナーの「Wassy's」内への移転、Soupleでのランチ営業開始等色々な変動があり、ついに本日この日が来てしまいました。
  田代シェフ(以下「よっしーシェフ」)のSoupleでの最後の夜は最高の「卒業式」となりました。よっしーシェフは感謝の気持ちを込めて8年間の集大成となるフルコース料理を作り、苦楽を共にしてきた鷲谷商店スタッフさん達が全力でそれをサポートし、Soupleを愛するお客さん達が心から料理とワインと会話を楽しむ。

<スペシャルコース料理>
1.アミューズ・ブーシュ
2.活オマール海老と夏野菜ラタゥイユのサラダ・二色ソース
3.フランス産フォアグラのムースに白ワインのジュレを添えて
4.白甘鯛のヴァプール 海老のファルスとキャベツのブレゼ
5.シャラン産鴨胸肉ロースト・ローズヒップのソース
6.黒毛和牛フィレ肉ポワレ・マディラとトリュフのソース
7.プレミアムピーチのコンポートに自家製ヴァニラアイス添え

アミューズ・ブッシュ活オマール海老と夏野菜ラタトゥイユのサラダ仏産フォアグラのムースを白ワインのジュレと白甘鯛のヴァプール・海老のファルシシャラン産鴨肉ロースト・ローズヒップのソース黒毛和牛フィレ肉のポワレ・マディラとトリュフのソースプレミアムピーチのコンポートにヴァニラアイス添え

  どの料理もよっしーシェフ渾身の一皿であり、中でも白甘鯛のヴァプールは特に印象に残りました。個人的に白甘鯛が大好きな魚であるというのもあるのですが、白甘鯛で海老のソーセージを巻いてあるのですよ。海老のソーセージと言えばよっしーシェフの十八番料理、海老なのに肉で作るソーセージ以上にジューシーという逸品です。また食べたいと願いつつも流石にフルコースに海老ソーセージは入らないだろうなと諦めていただけにウレシイ不意打ち。パリッパリに揚げた白甘鯛のウロコの食感とソース・アメリケーヌもvery good。

  普段なら月替わりのグラスワインリストと日替わりスペシャルグラスワインを記した黒板があるところ、この日はリストも黒板も無し。アカデミー・デュ・ヴァン講師でもあるワシノリ女将と藤次シニアソムリエを筆頭にソムリエ有資格者であるスタッフさん達がお客さん一人一人の好みを聞き、一皿一皿の料理とワインとの相性を考えながらベストなワインを選んでサーヴするためです。ワインはアメリカ、ニュージーランド等から選りすぐりのワインがズラリ。誤解している人がいるかもしれませんが、「Wassy's」はニューワールドのワイン専門の店ではなくフランスワインでもイタリアワインでもマニア垂涎のワインを保有してはります。でも、このスペシャルな夜を彩るワインはアメリカワインやNZワインこそが相応しいと思います。
  乾杯はシュラムスバーグのブラン・ド・ブラン、今年が初リリースとなるKOYAMAリースリングを味わい、「新しい始まり」を意味するアタ・ランギのワインは獅子奮迅の活躍でソーヴィニヨン・ブランもピノ・グリも抜群に美味しい。赤ワインは怒涛の4連打で。アタ・ランギの「クリムゾン ピノ・ノワール」に始まり、オレゴン州のケン・ライト・セラーズの「ピノ・ノワール グアダルーペ・ヴィンヤード2008」、ワシントン州のダンハム・セラーズのカベルネ・ソーヴィニヨンのマグナム、フランス・ボルドーのシャトー・ラグランジュ2003。流石にKO寸前でいつもは欠かせない食後酒の出番も今宵ばかりは無し。

  卒業式のフィナーレはもちろん主役であるよっしーシェフの締めの挨拶。ここで岩田シェフも登場。これまで「Petit Souple」で腕を振るってきた岩田シェフが9月からは「Wassy's Dining Souple」の総指揮を採るのです。よっしーシェフの卒業はものすごく寂しいものの、「四天王寺の至宝」岩田シェフがより大きなステージでさらなる閃きを発揮しはることを考えるとゾクゾクします。
 
 よっしーシェフ、8年間お疲れ様でした。そしてありがとうございました。私は8年のうちの半分にも満たない3年半しかあなたの料理を食べていませんが一つ一つの料理が心に刻まれています。いずれスペインから日本に戻ってきて、さらに進化したよっしー料理を食べられる時を楽しみにしております。