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甘濃だけでない プーリアよりメンヒル来阪

  プーリア州の赤ワイン、ネグロ・アマーロとプリミティーヴォが苦手だと公言している私ですが例外的にここの赤ワインなら好きだと思えるカンティーナがあります。中世の街並みを残すミネルヴィーノにて2002年に創立した「メンヒル」です。そのメンヒルよりセールス・マネージャーのエリザベス・ルビーノ女史を招いてのパーティーが大阪唯一のプーリア料理店である「La Pignata(ラ・ピニャータ)」にて開催されました。

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↑2階スペースにて大皿ビュッフェ形式のアットホームな感じで。エリザベスさんの乗っている車が渋滞に巻き込まれてしまって到着が開始時間に間に合わないというアクシデントが勃発、一昨年にメンヒルが経営するリストランテに研修に行っていたピカさんの思い出話を聞きながらスタート。

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 (左)思っていたよりも早くエリザベスさんとインポーターのメイワ株式会社の近藤氏が到着してくれて安堵の表情のピカさん。
 (右)今回の通訳は何とかって大阪市内にて「イタリアワインの魔境」を営み、現在は東京の浅草にお店を移転させている合同会社ディアマンティの浅井女史。お会いするの4年半振りですけど通訳としての御仕事はまさしくプロフェッショナルの一言。

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 (左)溝口オーナーシェフ自慢のプーリア料理をいただきます。
 (右)店名にもなっているピニャータという陶器製の壺で乾燥空豆を煮込んだプレ・ディ・ファーヴェはお店の看板メニュー。

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 (左)プーリア風肉巻きのボンベッテ。
 (右)仔羊肉がてんこ盛り~。

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 (左)自家製サルシッチャのオレキエッテ。
 (右)溝口シェフの十八番のポルケッタ。

  サーヴされたのは白ワイン1種類とロゼワイン1種類と赤ワイン3種類。

<ワインリスト>
1.ノヴェメンティ・ビアンコ2014 
2.ノヴェメンティ・ロザート2014
3.クォータ29 プリミティーヴォ2012
4.サリーチェ・サレンティーノ2011
5.ファイン2010

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 (左)香りの強いヴェルデカとシャルドネとを50%ずつブレンドしてバランスを取っているノヴェメンティ・ビアンコ。
 (中央)ネグロ・アマーロ100%で造るノヴェメンティ・ロザート。プリミティーヴォでもロザートを造っていないのか疑問に思いましたがエリザベスさんの話でネグロ・アマーロがメンヒルにとって特別なブドウであることを知り納得しました。
 (右)標高29mという低地の畑だから29がワイン名に付いているそうです。プリミティーヴォ特有の濃厚な甘味がありながら綺麗さと滑らかさも両立している、これこそが私がメンヒルの赤ワインなら呑める理由なのです。

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 (左)サリーチェ・サレンティーノはネグロ・アマーロにマルヴァジア・ネーラをブレンドして大樽で発酵、バリックで熟成。ファースト・インパクトは濃厚ガツンですけどこのワインにもまた他のプーリア赤ワインには無いエレガンスが感じられます。
 (中央)メンヒルにとって特別なブドウであるネグロ・アマーロのポテンシャルをとことん追及した赤ワインがこのファイン。それだけに他の4種類のワインの倍以上の価格がします。FINEは英語のファインの「素晴らしい」という意味とイタリア語のフィーネの「終わり」という意味とのダブル・ミーニングな命名で、最もスタンダードなネグロ・アマーロを「ゼロ0」と命名していることとの対比でまさに「素晴らしいこれ以上は無いネグロ・アマーロの最終形」。ヴェネト州の陰干しブドウで造るアマローネと似た強烈なインパクトがありながらアマローネよりも洗練されています。
 (右)最後は番外編でこの会の2日後に「LA VINERIA BRAVURA」にて開催された業者向け試飲会で出品されていた「アルバネグラ2014」。プリミティーヴォとマルヴァジア・ネーラと何故か突如現れるアレアティコとのブレンドでアレアティコ由来のバラ香が素晴らしく芳醇な赤ワインです。

  カンティーナとしての歴史は浅くても土着ブドウの特性を最重要視しながらそこに他のカンティーナには無い要素を盛り込んだワイン造りをしているメンヒルは今後も要注視の生産者ですよ。

<後日追記>
  先日の御礼がてらLa Pignataに久し振りのランチに行ったら土曜のオープン直後の時間にも関わらずほぼ満席状態!滑り込みで席に座れたので長居せずちゃっちゃと食べて退席。

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 (左)アンティパスト・ミストと食べ放題の自家製フォカッチャ。
 (中央)北海道産ホタテ貝柱とシラスのスパゲッティーニ。
 (右)仔羊のアッローストにペスト・パンテスコ。ペスト・パンテスコはプーリアではなくシチリアの郷土料理でトマトとケイパーとを細かく刻んでニンニクで調味したペーストです。

  この大充実の内容で1800円て破格ですね、もちろん味も抜群。こりゃ周辺の女性客が押し掛けるのも当然です。

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今や幻のルエダ版シェリー‘ドラド’の生産者が来阪

  スペインのルエダと言えば土着品種ヴェルデホで造る白ワインの名産地として有名ですが1970年代まではルエダと言えば酒精強化ワインの名産地だったことはあまり知られていません(私も今回初めて知りました)。ルエダ版シェリーとも言えるこの酒精強化ワインは「ドラド」と呼ばれ、パロミノ単独もしくはヴェルデホとのブレンドで造られていたのですが1970年代以降はステンレスタンクの普及と醸造設備の近代化に伴ってほとんどのボデガがドラドからスティル・ワインへの生産に切り替えていき、今もドラドを生産し続けている数少ないボデガが「デ・アルベルト」なのです。今回、そのデ・アルベルトの輸出マネージャーであるヴァネッサ・ガルシア女史を囲んでのメーカーズ・ディナーがバスクバル「gastroteka bimendi(ガストロテカ・ビメンディ)」にて急遽開催されました。

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↑挨拶をするインポーターの株式会社いろはわいん寺田社長。いろはわいんはフランスワイン専門インポーターだったのがここ数年でスペインワイン、特にチャコリの取扱い量を大幅に増やして今やスペインワイン業界のライジング・スター的な会社となっているのです。

<ワインリスト>
1.ベルデュイ「エスプモーソ・デ・チャコリ サンティ・ビクトリス・エ・サンティ・ヤコビ」
2.デ・アルベルト「モナステリオ・デ・パラスエロス ヴェルデホ・ビウラ」
3.デ・アルベルト「ヴェルデホ」
4.デ・アルベルト「フィンカ・ヴァルデモヤ・ロサード」
5.デ・アルベルト「デ・アルベルト・ドラド」
6.デ・アルベルト「フィンカ・ヴァルデモヤ ティント・クリアンサ2012」
7.デ・アルベルト「サイティナ・ドゥルセ」

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  デ・アルベルトではエスプモーソ(=スパークリング)は造っていないので同じいろはわいん取扱いの瓶内二次発酵方式チャコリにてサルー(=乾杯)!
 モナステリオ・デ・パラスエロスはヴェルデホとビウラ(=マカベオ)とを50%ずつブレンドしたかなりフレッシュな白ワイン。
  ヴェルデホはモナステリオ・デ・パラスエロスと違ってヴェルデホ100%なのでヴェルデホ特有のアロマティックさがより際立っています。樹齢55年~85年のヴェルデホを使用している分ワインに密度が感じられます。ヴェルデホと樽熟成とは親和性があると思っていますがヴァネッサさん曰く「スペインでは樽熟成したヴェルデホは売れないからステンレスタンク熟成しかやっていない」そうでちょっと残念。。。
  フィンカ・ヴァルデモヤはカスティーリャ・イ・レオン産の黒ブドウを使用。テンプラニーリョ100%でマセラシオン・カルボニックにて仕上げるロサードはジューシーでフランボワーズの香りが特徴的。テンプラニーリョ85%にカベルネ・ソーヴィニヨン15%のブレンドのティント・クリアンサはかなりフレッシュでまだまだ若さを感じます。
  本日の目玉である2種類のドラド。生産本数1000本のデ・アルベルト・ドラドはアモンティリャードのような酸化熟成タイプで色々な料理と合わせられそうだし価格的にもお手頃なので自宅用に1本欲しい位ですが残念ながら売切れとのこと。生産本数800本程のサイティナ・ドゥルセはペドロ・ヒメネスやモスカテルのような甘口タイプ。

<コース料理>
1.夏野菜とグレープフルーツのカキ氷にキュウリのガスパチョをかけて
2.ボタン海老とウニのタルト
3.空豆とチョリソーのアロス
4.フォアグラと卵
5.仔羊のプランチャ
6.イチジクのゴシュア

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 (左)グレープフルーツの酸味が効いたカキ氷にキュウリのガスパチョをかけて食べるという見た目にも涼しげな前菜。モナステリオ・デ・パラスエロスにグリーンのニュアンスがあるのでキュウリとの親和性アリ。
 (右)フレッシュながらも密度のあるヴェルデホとネットリしたボタン海老の食感と生ウニのコクとがバッチリ。

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 (左)ここのところアロスを食べる機会が無かったので久々のアロス。チョリソーの辛味が効いています。
 (右)ビルバオにあるバル「La Viña del Ensanche(ラ・ヴィーニャ・デル・エンサンチェ)」の名物料理を再現。私は現地で本物を食べたことが無いので比較しようがありませんが隣席のスペイン命なK子さんが「上手く再現できてるわね」と言っていたので再現度は極めて高いようです。フォアグラに酸化熟成タイプのシェリーを合わせるのが平山オーナーの十八番なのでこの料理にはアモンティリャードのようなデ・アルベルト・ドラドを合わせます。

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 (左)ちょっと揚げパタータが多過ぎな感じの仔羊ちゃん。
 (右)ETXOLAグループでゴシュアを食べるのは初ですね。

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 (左)通訳は木津市場内のスペイン食材とスペインワインの専門店「vinoteca PANENCA(ヴィノテカ・パネンカ)」桝井氏。桝井氏とは以前から縁があって今日も「どうですか?質問無いんですか??」とやたらこっちに振ってきはりました(爆)。
 (右)今夜中に新幹線で移動しないといけないため会の途中でヴァネッサさんは退席。その前に壁にサインして平山オーナーと記念撮影。

  ETXOLA本店ばかり行っていてgastroteka bimeendiに来るのも実に久し振りでしたが本店とはまた違った清水シェフのバル的コース料理を堪能できました。


「たこ焼き」で出会った「小さな林」と「たまねぎ」で再会

  昨年に「たこりき」でタコ焼きを食べていたらたまたま来日プロモーション中の生産者さんがやって来て隣り合うという偶然がありました。その生産者とはオーストラリアのニューサウスウェールズ州アッパーハンターヴァレーで「スモール・フォレスト」というワイナリーを立ち上げたばかりの小林敦子ラドクリフさんです。その小林敦子ラドクリフさんが再び大阪にやって来てメーカーズ・ディナーが開催される、しかも会場は新町「イタリア料理店TAMANEGI」と聞けば是が非でも参加したくなるというもの。

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↑ここで小林さんのスゴイ経歴を紹介。東京農業大学短大部醸造科に進学して日本酒の勉強をし、卒業後は蔵元で日本酒造りをしたいと志すもどこも門戸が開かれておらず断念。焼酎や食品の品質管理の仕事を経て1987年から栃木県の「ココ・ファーム」を手伝うようになり、ここでの醸造経験を活かして「都農ワイン」「シャトー酒折」「安曇野ワイン」「奥出雲ワイン」にもコンサルティングで関わることに。1999年にはフランスとオーストラリアにてワインを学び、その際にオーストラリア最大手ブランド「ローズマウント」の醸造長フィリップ・ショー氏からスカウトを受けてローズマウントの醸造チームに加わり、これが人生の大きな転機となります。発酵・熟成樽だけでも3万樽、タンク発酵・熟成のワインも含めると途方もない生産量のワイナリーで毎日膨大な量のテイスティングをこなしていけばそりゃ感覚も研ぎ澄まされていきますよね。2002年に同僚のオーストラリア人男性と結婚。2009年に一時帰国して宮城県塩竈市の「株式会社佐浦」にて日本酒醸造に関わりながら海外マーケティングも担当。2013年にスモール・フォレストを立ち上げてワイン生産者として独立してからも同時並行で日本酒の海外発信の仕事もしています。
  今回のメーカーズ・ディナーの主催者である「TOM GARCON(トム・ギャルソン)」の担当者に小林さんとは昨年にも会ったことがあると言っておいたおかげか小林さんのすぐ隣の席を用意してくれていました。短大で日本酒醸造を学んでいた時からの大のアルコール好きで「仕事から帰ってきてお酒を呑むとホッとする。食事しながら自分のワインも飲むけどワインだけでも呑むわ」と飲兵衛な発言も聞けました(笑)。

<ワインリスト>
1.浦霞禅 純米吟醸
2.スモール・フォレスト オレンジ・シャルドネ2014
3.スモール・フォレスト ヴァデーロ2015
4.スモール・フォレスト オレンジ・シラーズ・ロゼ2014
5.スモール・フォレスト オレンジ・シラーズ2014

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  ワインだけでなく日本酒も扱っているTAMANEGIなので食前酒として佐浦の浦霞禅 純米吟醸が登場しても違和感は無し。柔らかくほのかな甘味も感じられアペリティフにもぴったり。
  スモール・フォレストの本拠はニューサウスウェールズ州のアッパーハンターヴァレーですが2014年ヴィンテージのワインはアッパーハンターヴァレー産ブドウではなく同州内にあるオレンジ地区のブドウを購入して使用しています。これはアッパーハンターヴァレーが山火事の多いエリアで山火事の拡張を防ぐために人為的に行う野焼きの煙の影響を受けて自社畑のブドウがダメになってしまったことに起因します。そのためファースト・リリースとなる2014年ヴィンテージは「オレンジ」と銘打ってのリリースで今後リリースされていく自社畑のブドウのワインとはキャラクターが少し異なる可能性もあり得ますよね。
  オレンジ・シャルドネはオレンジピールの香りがほのかに鼻孔を擽り最初は淡い印象ですが徐々に膨らみが出てきます。良い意味での「平凡」な白ワインでまさに料理を邪魔せず料理と寄り添う白ワインです。小林さんもこのシャルドネには樽の使い過ぎは無用と考え、フレンチオーク新樽での発酵ワインとステンレスタンクでの発酵ワインとを1:9の割合ブレンドして樽はあくまで補助的な使用に止めているとのこと。
  現在リリースされているワインで唯一のアッパーハンターヴァレーの自社畑ブドウ100%使用なのがヴァデーロ。聞き慣れない品種名ですがアッパーハンターヴァレーでは古くから栽培されている御馴染みの品種だそうでポルトガルではヴェルデーリョの品種名でマディラの原料になっています。色は無色透明に近いのですが香りはものすごくアロマティック!
  オレンジ・シラーズ・ロゼはロゼワインと言うよりも少し色の薄い赤ワインと言っても良いかもしれません。何とアルコール分はオレンジ・シラーズと同じ14.5%もあり、そのアルコール分に見合ったインパクトとボリュームと旨味を備えていて牛肉や鹿肉といった赤身肉でもしっかりと受け止めてくれることでしょう。
  オレンジ・シラーズはシラーズなので鉄分とタンニンは豊富に感じるもののハーブのような清涼感が前面に出ていて私があまり得意としていないシラーズ特融の甘濃いニュアンスはありません。ロゼの方がインパクトとボリュームがあって赤ワインの方が綺麗というちょっとした逆転現象ですね。
 
  以前のBOCCIOとTAMANEGIとの最大の違いは夜がアラカルトを止めてコース料理一本となったこと。正直アラカルトでの提供の方が良いのではないかと思っていたのですが今回初めてコース料理を食べて地頭方夫妻のやりたかったことを理解できた気がします。

<コース料理>
1.アイナメ新子のコンフィにアスパラガスのフリットと空豆ピューレを添えて
2.塩漬けサワラの新玉ねぎピューレのせ炙り焼き
3.桜海老と甲殻類のソースのタヤリン
4.土佐赤牛腿肉のアッローストに季節野菜を添えて
5.サンブーカのパンナコッタにミントのソルベを添えて

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 (左)アイナメの新子をコンフィにして骨まで柔らかく食べられるよう火入れしてから表面をサッとソテー。その下にアスパラガスのフリットと空豆ピューレを敷いて周りにレモンのパウダーを散らせてあります。一皿目からやられました、これこそコース料理の前菜、そしてオレンジ・シャルドネと完璧に合ってます。
 (右)塩漬けにしたサワラをタタキ状にレアソテーしてから新玉ねぎのピューレをのせてバーナーで炙ってあります。香ばしさが立つことでアロマティックなヴァデーロとも好相性。

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 (左)以前に「ピエモンテ兄貴」が「貴久ちゃんのタヤリンが一番好き」だと褒めていた貴久子シェフのタヤリンは確かに絶品です。
 (右)土佐赤牛の腿肉に高知の塩次郎の塩を付けて食べると噛み締める程に肉の旨味が溢れ出てきます。コントルニも泉州産新玉ねぎ、アスパラ・ソヴァージュ、椎茸と季節野菜がたっぷり。オレンジ・シラーズ・ロゼともオレンジ・シラーズともどちらでも合います。

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↑最後にヴァデーロが再び注がれてリキュールのサンブーカたっぷりのパンナコッタとミント香るソルベと合わせます。赤身肉を食べた後に肉汁を洗い流して口内をリフレッシュしてくれるドルチェはありがたいですねぇ。

  ピエモンテ州での修行経験のある貴久子シェフですが郷土料理店が増えた現在では郷土色にこだわるよりも日本のイタリアン、コースでしか表現できないイタリアンにチャレンジしたいとの意思の表れとしてのコース料理一本化だと理解しました。京都では季節食材をふんだんに使用した少量多皿のコース料理のみのお店が多いですが、貴久子シェフの場合はBOCCIO時代からのド直球で骨太な要素もしっかり残しながらのコース料理ですよね。

  小林さんから大阪でのスモール・フォレストの広報担当に任命されましたので今後もスモール・フォレストのワインを追い掛けていきますよ。今年入荷する自社畑ワインが待ち遠しいです。


フォラドリとモンテセコンドが魅せるアンフォラ熟成ワイン

  トレンティーノ・アルト・アディジェ州の「フォラドリ」とトスカーナ州の「モンテセコンド」。どちらも株式会社テラヴェールが輸入しているカンティーナであり、フォラドリ当主エリザベッタ・フォラドリ女史とモンテセコンド当主シルヴィオ氏はワイン造りの意見交換をしたりアンフォラ(=甕)熟成を始めてみたり来日プロモーションも一緒にやってしまう位に仲が良いのです。
  京町堀二丁目の「Etoteca il Soffione(エノテカ イル・ソッフィオーネ)」にてエリザベッタさんとシルヴィオ氏を招いて二人のワインをテイスティングするイベントが企画されたのですがエリザベッタさんが急な体調不良により来日できなくなりそれに伴い無二の親友のシルヴィオ氏も来日を取り止めるというアクシデントがあり、代わりにエリザベッタさんの跡取り息子のテオさんを招いてイベント決行となりました。

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↑ミヨッシーニ氏こと三吉店長の企画イベントらしいフランクな雰囲気で進みます。

  フォラドリと言えばテロルデゴ、テロルデゴと言えばフォラドリです。父親の死によって早くからカンティーナを継いだエリザベッタさんは無名の土着品種テロルデゴのポテンシャルに注目し、そのポテンシャルを最大限に引き出すために先ずはビオディナミ農法を取り入れて土壌を改良することから着手。その成果が実ってテロルデゴこそフォラドリの看板でありトレンティーノ・アルト・アディジェ州を代表する赤ワインとなりました。
  モンテセコンドはキァンティ・クラシコ地区の最北端サン・カッシャーノ・イン・ヴァル・ディ・ペサに本拠を置き、2004年からビオディナミ農法を実践。また、支柱で支えられるブドウの樹は不自然であるとキァンティ・クラシコ地区で唯一のアルベレッロ仕立てを導入して支柱を使わずブドウの樹を育てています。

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↑ワインサーヴは株式会社テラヴェールの先輩社員K氏と後輩新米社員U氏とで。新米社員と言ってもインポーター業界での話であってつい先月までは某有名イタリア料理店でマネージャーを務めていたシニアソムリエさんですからね。現在は東京本社での研修期間中で今回の来日プロモーションのために久々の帰阪となるU氏に会うのもこの会に参加した大きな目的です。

 会費2000円で7種類のワインのテイスティングとストゥッツキーノ(=おつまみ)1品付きという破格の内容!

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↑さらに+1000円でこれらのストゥッツキーノが食べ放題なのです。これらのストゥッツキーノを担当したのはマルケ料理専門店「Osteria La Cicerchia」連オーナーシェフという豪華さ。

<ワインリスト>
フォラドリ「ノジオラ フォンタナサンタ・アンフォラ2011」
フォラドリ「テロルデゴ・フォラドリ2012」
フォラドリ「テロルデゴ・モレイ・アンフォラ2011」
フォラドリ「テロルデゴ・グラナート2010」
モンテセコンド「ロッソ・トスカーノ2013」
モンテセコンド「キァンティ・クラシコ2013」
モンテセコンド「サンジョヴェーゼ・イン・アンフォラ・ティン2012」

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↑同じテロルデゴ100%の赤ワインでも3種類とも全く個性が違います。スタンダードなテロルデゴ・フォラドリはこの品種の特徴である酸が際立っていてまさに酸を噛み締めるような感じです。スペイン産アンフォラで熟成させたテロルデゴ・モレイには北イタリアの黒ブドウらしからぬ甘味が強く感じられます。グラナートは樹齢80年以上のテロルデゴを使用していてスケール感の大きな落ち着きのあるワインでちょっと格が違いますね。

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↑先ずロッソ・トスカーノのコスパがスゴク良いです。キァンティ・クラシコと同じエリア内のサンジョヴェーゼ100%使用で熟成期間を短くすることで価格を抑えているのです。良い意味でのサンジョヴェーゼらしさが出ていて、元来サンジョヴェーゼと言えば酸っぱいよねと思い出しつつその酸のあり方が古臭さを感じさせるものではなく現代的です。キァンティ・クラシコはサンジョヴェーゼにカナイオーロとコロリーノをブレンドしていてボディがありながら洗練された感じです。そしてエリザベッタさんの薦めでシルヴィオ氏も導入したスペイン産アンフォラで熟成させたティンもやはり甘味が際立っています。サンジョヴェーゼ100%使用ですがDOCGキァンティ・クラシコの規定ではアンフォラ熟成が認められていないのでIGTとなっています。

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↑最初にテイスティングしたアンフォラ熟成のノジオラこそがこの日のベストでした。同じく株式会社テラヴェールが輸入しているポイエル・エ・サンドリのフレッシュなノジオラが大好きな私はノジオラをアンフォラ熟成させることにどんな意義があるのかと半信半疑でしたが一口呑んでみてビックリ!物凄いインパクトと凝縮感!!何とマセラシオン(=果皮浸漬、醸し)の期間は8ヵ月にも及ぶそうです。じっくりと数時間かけて呑むべき白ワインですね。いや、ホンマにスゴイ。

  この後に「火曜日会」があるので長居はできませんでしたがアンフォラ熟成のワインを色々体験できましたし1ヵ月振りにU氏のお顔を見られましたしフラッと立ち寄った「ピエモンテ兄貴」と最後のお別れもできましたし収穫の多い会でした。


Alarde初の生産者イベントはボデガス・マサベウ

  今年2/2にオープンした山本シェフのバスク料理店「Alarde(アラルデ)」での初のメーカーズ・ディナーのゲストは「ボデガス・マサベウ」です。ボデガス・マサベウは山本シェフが料理長を務めていた時の「ETXOLA(エチョラ)」でも東京・名古屋・大阪の三都ツアーのメーカーズ・ディナーが開催されていてそれに参加していた私としてはその時と現在の山本シェフの料理がどう変わっているのかも大きな関心ポイントです。

  以前はカサ・マサベウという表記でしたがボデガス・マサベウが正しいようです。5つの州にボデガを保有しているので各土地の個性を活かしたワインを同時に楽しめるのが大きな強みでメーカーズ・ディナーに打ってつけですよね。

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↑今回やって来たのは輸出ディレクターのホセ・マリア・ニエーヴェ・ヌイン氏で通訳はインポーターの株式会社イムコの松本社長。ETXOLA時代から山本シェフの料理のファンだという二人の某芸能人も写ってますね(爆)。

  Alardeにはソムリエはおろか専属のサーヴィススタッフもいないので満席のメーカーズ・ディナーでのオペレーションに少し不安があるところ。スペインワインと食材の販売ショップである某VPのM氏がヘルプで入ってましたがそれでも料理の上げ下げで手一杯なのでテーブル席に配置された我々は基本的に手酌でワインを注ぎます。おそらく山本シェフも手が掛からないメンバーをテーブル席に回したと思います(笑)。

<ワインリスト>
1.ボデガス・フィジャボア「アルバリーニョ2014」
2.ボデガス・ムルア「ムルア・ブランコ2012」
3.ボデガス・パゴス・アライス「ガルナッチャ・ロサード2014」
4.ボデガス・パゴス・デ・アライス「パゴス・デ・アライス・クリアンサ2013」
5.ボデガス・ムルア「ムルア・レゼルヴァ2007」
6.ボデガス・レダ・ビニャス・ビエハス「マス・デ・レダ2012」

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  久し振りにフィジャボワのアルバリーニョを呑みましたがやはり美味しいですね、まさにリアス・バイシャスを代表する名アルバリーニョ。でもこんな微発泡しているワインだっけ?
  ムルア・ビアンコはリオハの白ワインの典型であるビウラとマルヴァジアとガルナッチャ・ブランカのブレンド。樽熟成による濃厚でインパクトのある白ワインですが樽の使い方が巧いので嫌味な樽樽した感じではありません。
  今回初めて呑んだガルナッチャ・ロサードはジューシーで秀逸なロゼワイン。
  パゴス・デ・アライス・クリアンサはシラー30%とメルロー29%とテンプラニーリョ28%とカベルネ・ソーヴィニヨン13%という細かい比率のブレンドでイメージはまさに赤い果実!
  ムルア・レゼルヴァはテンプラニーリョ主体にグラシアーノとマスエロを極少量ブレンド。素晴らしい熟成具台!
  マス・デ・レダはリベラ・デル・ドゥエロのテンプラニーリョだなと強く感じる濃度と甘味。
  実はホセさんがムルア・レゼルヴァとマス・デ・レダとをサーヴしてくれた時に丸い形状のグラスに注ぐべきムルア・レゼルヴァを縦長のグラスに、縦長のグラスに注ぐべきマス・デ・レダを丸い形状のグラスに注ぐという取り違いがあったのですがそれはそれで面白かったです。

  記念すべき第1回目のメーカーズ・ディナーということで山本シェフの気合いと愛情の入り様が凄まじいです。ボデガス・マサベウのワインと料理の合わせ方は既に以前のメーカーズ・ディナーで明らかになっています。アルバリーニョには海老やタコの魚介を、ムルア・ブランコにはホワイトアスパラガスと生ウニ、パゴス・デ・アライス・クリアンサにはカツオとトマト、ムルア・レゼルヴァには鴨肉とフォアグラ、マス・デ・レダにはブラックアンガス牛。その基本線を踏襲しながら料理のグレードをさらにアップさせたのが今回のコース料理なのです。

<コース料理>
1.薪焼きの牡丹海老と明石ダコのピルピル
2.長崎産ホワイトアスパラガスと阿波アワビと生ウニ入りクレマ・デ・マリスコス
3.ハリイカの墨煮とホタルイカの玉ねぎ煮添え
4.薪焼きのカツオのマルミタコ仕立て
5.鴨胸肉の薪炭窯焼きにフォアグラのソテーを添えて
6.ブラックアンガス牛骨付きリブロース肉の薪炭窯焼き
7.ラ・ヴィーニャのタルタ・デ・ケソ

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 (左)山本シェフ自慢の薪炭窯に薪だけをくべて薪の香りを付けながら焼いた牡丹海老。サルサ・ピルピルも流石の美味しさ。
 (右)特大のホワイトアスパラガスと阿波アワビもさることながら特筆モノはクレマ・デ・マリスコス。丁寧な下ごしらえで魚介の旨味を凝縮させたクリームの味を大事にするためにあえて生ウニはクリームの中に溶かし込ませず仕上げにそっと添えるだけに近いのです。このクレマ・デ・マリスコスとムルア・ブランコとの相性は抜群です。

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 (左)ハリイカのイカスミ煮込みに玉ねぎと一緒に煮込んだホタルイカを添えてあるのですがこのホタルイカが沖漬けのような感じで渋い仕事をしてくれています。ジューシーなガルナッチャ・ロサードとイカ料理とがこんなに合うとは。
 (右)以前のメーカーズ・ディナーでは正統派のマルミタコでしたが今回はマルミタコ仕立てという新しいスタイルで。マルミタコとはバスクの漁師が釣ったばかりのマグロやカツオを船上でマルミタという鍋で煮込んで食べていたことから名付けられたトマト煮込みのことなのですがこのマルミタコ仕立てはカツオを煮込んでいません。一皿目の牡丹海老と同じくカツオを薪で香りを付けながらタタキよりももうちょっと火が入った状態に火入れし、形状が崩れきらないように煮込んだトマト、ヒラメの出汁がベースのトマトソースと皿上で最後に一緒にしてあります。実はカツオをタタキで食べることに慣れている日本人の感覚としてはマルミタコではカツオに火が通りきってしまっているのが引っ掛かっていたのですがこの調理法ならその問題点が解消されています。

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 (左)肉料理の第一弾は鴨胸肉。この鴨胸肉の火入れが完璧過ぎます!
 (右)肉料理の第二弾はブラックアンガス牛肉にプレ・デ・パタータを添えて。鴨胸肉だけでも十分にメイン料理の存在感ありましたが問答無用でリブロース肉が襲いかかってきます。和牛のようにトロける脂の旨味ではなく噛む程に味が出てくるブラックアンガス牛肉をしっかりと咀嚼しながらその旨味を堪能しました。

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↑最後はサン・セバスチャンの「La Vina(ラ・ヴィーニャ)」の公開レシピに基づくフワッフワ絶品のチーズケーキで〆ます。

  通常の一人前分でもかなりの量のコース料理を訳あって1.5人分は食べました。もうお腹パンパンではち切れそうになりましたが美味しいので食べ切れてしまいました。過去の山本シェフの料理も美味しかったですがそこからさらに進んだ山本シェフの現在形の料理をこの夜最も堪能し尽くしたのは私であったと断言できます。

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